予測される今後のマイナポータル運用
1.確定申告を含めた税務サービスの効率化
冒頭にも引用した通り、確定申告などの税務サービスは、自動計算して結果を確認できるようにするというのが今後マイナポータルが目指す方向であることがわかります。電子帳簿保存法やインボイス制度に関しても、そうしたデジタル化によってユーザである国民の経済活動に関する利便性を高めようというのが現政権の主張です。
しかし、現実問題として納税者も国税庁を含めた行政サービス側も、作業負荷が何倍にも膨らんでいるのが現状です。少額の会計ミスも許されない納税者側としては、政権与党の裏金問題や利権問題、財務省への権限過集中など、制度を改革するなら「先ずは隗より始めよ」といった思いを抱く方も多いのではないでしょうか。
こうした政治の問題とは別問題として、デジタル庁の推進する行政サービスのデジタル化・DX化は、労働力人口が減少していく日本社会において必要不可欠な改革です。発足間もないデジタル庁ですが、著名なエンジニア・デザイナーもサービス開発に参加しはじめており、各種サービスの使い勝手も向上しているように思います。
加えて、現在政府が推進しているNISAなども、マイナポータルを利用することで口座の開設状況を確認できるようになっており、今後e-Taxでの確定申告への連携が強化されていくと予想されます。その他にも、マイナポータルから電子処方箋やお薬の情報を取得できるサービスも始まっています。
国税庁:NISA口座の開設状況を確認する方法
日本調剤電子お薬手帳:マイナポータルから電子処方箋やお薬の情報を取得
2.更に使い勝手のよいUI・UXデザインへ
そして、現在正式版と併用して提供をスタートした実証ベータ版は、そのデザインスタイルからデジタル庁のデザインシステムとの統一を念頭においた刷新であるように思います。このデザインシステムについては、著名なデザイナーがデジタル庁に参画しUI・UX 等を検討して出来上がったものなので優れたデザインシステムであることは、デザイン業界では周知の事実でしょう。
2024.01.22 Mon