毎月ひとつの素材やキーワードをテーマに、職人技やデザインが光る魅力的な道具や雑貨を紹介する連載企画。1月は「真鍮」をテーマに、カトラリーやデスクまわりのアイテムなどの生活雑貨をピックアップしました。銅と亜鉛を混ぜて作る合金である真鍮は、深みのある黄金色が特徴。使い込むほどにアンティークのような味わい深い風合いが増す経年変化も、楽しみのひとつです。

おすすめの真鍮アイテム　野良道具製作所「真鍮製しおり「ブックペグ」」
キャンプでも日常でも、読書時間の相棒にしたいしおり

アウトドアの必需品ペグをモチーフにした真鍮製のしおり「ブックペグ」。こちらは、「アウトドア×地域×福祉」をメインテーマに活動する「野良道具製作所」から、活動のシンボルになってほしいという想いで生まれたもの。

たくさんの本のページをめくるたび、愛着が増すしおりがあれば、キャンプでも日常でも、読書時間をより楽しいものにしてくれるはず。売り上げの一部は、日本財団が取り組む「子ども第三の居場所基金」に寄付されます。

代表の里崎さん「アウトドアでも他のどんな遊びでも、福祉や支援といった事を意識せず“ただ気に入った道具を使って遊んでるだけ”それがそのまま福祉や支援につながるのが一番いいんじゃないかなと思ってます。ブックペグはその一つの試みとして製作しました。見るたび使うたびにちょっと気分を上げてくれる、そんなお気に入り小物として側に置いてもらえたら嬉しいです」
 

おすすめの真鍮アイテム　RING LINK FACTORY「PEN VASE」
美しい佇まいのペン立てに、お気に入りのペンを飾って

鉛筆やペンをフレームに沿わせるように挿すと、まるで花瓶のように見えるフラワーベースならぬ「PEN VASE」。下皿は真鍮無垢材から削り出し、フレームの湾曲も1点1点職人による手作業で形成。

シンプルな形状と上品な真鍮の素材感の組み合わせが生み出す、凛とした佇まいにうっとり。デスクに花を飾るような感覚で、お気に入りのペンをさりげなく飾りたくなる一品です。

担当の大野さん「普段何気なく置いているけど気付いたらずっと使っているもの。機能面だけでなく、その存在があるだけで使用する方のシーンの一部になるもの。いつもそんなものが作れたらと思っています。素材は、使うほどに表情が深まる真鍮一択でした。所有しているもので、月日の経過や余韻が感じられるって最高だと思うのです」
 

おすすめの真鍮アイテム　eni「eni箸セット」
ハレの日に贈りたい。ご縁が広がる箸と箸置きセット

古来より神具の素材としても使われてきた真鍮。人と人のご縁をテーマにしたテーブルウェアブランド「eni」では、そんな真鍮を使用し円満という言葉にちなんで、良いご縁を呼び込む円形の箸置きをデザイン。

上下非対象な形で重ねることができるので、引き出しにコンパクトに収納できるのも魅力です。「八」という数字は日本では「末広がり」を意味することから、八角形のお箸とセットで、ハレの日の贈り物に。

CRAFT STORE広報の木山さん「『eni』シリーズは食卓を通してつながる縁をテーマとして、プレートやマグも含め累計10,741点以上お買い求めいただいている人気商品です。特に箸セットは「まるで指輪みたい」と贈り物にもぴったりのアイテム。真鍮は磨いてもよし、経年変化を楽しんでもよし。長く使うことが楽しくなる素材ですよ」
 

おすすめの真鍮アイテム　有次「真鍮　栓抜」
職人技が光る真鍮製の栓抜で、今日の一杯を特別に

愛らしいモチーフと職人技が光る栓抜は、1560年創業の老舗庖丁・料理道具店「有次」ならでは。それぞれのモチーフに模った真鍮板を、叩いて伸縮させ絶妙な立体形状を生み出す打ち出しの技術で仕上げています。手作業でくり抜いて作る抜き用の穴も職人のなせる技。

一つひとつ打ち出した槌目が模様のように美しく、ものづくりの趣が感じられる逸品です。なにげない日用品もとっておきを選べば、いつものビールの味もきっと格別に。

広報担当者さん「京都デザイン優品にも選定され、和風テイストの形が和みます。古来より親しまれてきた真鍮の光沢と槌目模様、握った時の重量感や使い良さは、京都の熟練した職人が打ち出し技法を生かして一つひとつ手仕事だけで丁寧に仕上げた賜物です。贈り物としても大変喜ばれています」
 

おすすめの真鍮アイテム　Y DESIGN MAKE MARKET「ONE MORE FLOWER」
日常に華を添えてくれる、一輪のドライフラワー

日常のふとした瞬間に花を愛でる、そんな暮らしを手軽に楽しんでほしいという想いを込めたドライフラワー用の一輪挿し。生花を飾るのはハードルが高いと感じる方も、ドライフラワーなら気負いなく取り入れやすいのでは？

使い方も、細い真鍮を折り曲げて作るシンプルなスタンドを、付属の両面テープで壁や窓に貼り付けるだけ。繊細なデザインが一輪のドライフラワーを素敵に引き立てます。

担当の三宅喜之さん「夢中になって新しい建築の写真を撮っていた時、ふと耳に入ってきた“南天がきれいだね”という老夫婦の会話にハッとさせられたのが、このアイテム誕生のきっかけです。ドライフラワーだけでなく“身の回りにある草花”をお好きな場所に置いて、暮らしに“ささやかな華やぎ”をプラスしていただければ嬉しく思います」
 

おすすめの真鍮アイテム　Lue「スポーク5本セット、デザートスプーン、デザートフォーク」
アウトドアシーンにも。真鍮製の洗練されたカトラリー

素材の味わい深さと、工業製品の洗練された佇まいが楽しめる真鍮製のカトラリーは、岡山県瀬戸内市を拠点に真鍮素材のカトラリーや雑貨などを制作する「Lue」のインダストリアルプロダクトライン。ハンドクラフトの原型をもとに工場で製造することで、形が統一されて収納や持ち運びもスムーズに。

日常の食卓はもちろん、お弁当用やアウトドアシーンでも活躍してくれそう。小さめのフォルムがかわいいデザートスプーンとフォーク、スプーンとフォークが一体になったスポークなど、ラインナップもいろいろ。

広報担当のYTさん「Lueでは使うたびに少しうれしい気持ちになれるもの、末永く使っていただける様なもの作りをしています。今回ご紹介頂いたインダストリアルプロダクトのカトラリーは、スタッキング(重ねて収納)できるのが大きな特徴で、アウトドアに向くというのはこの由縁です。またデザートスプーンはプレゼントにも大変喜ばれる1点です」
 

おすすめの真鍮アイテム　PUEBCO「TABLET STAND」
デザインと機能を両立したタブレットスタンド

シンプルでありながら、ユニークな視点とデザイン性を取り入れて存在感のある日用品を生み出す「PUEBCO」らしいタブレットスタンド。部品もすべて真鍮製でアンティーク品のような雰囲気のスタンドは、ありそうでなかったアイテム。

スタンド部分は折りたたみ式なので、使わないときはコンパクトに収納できるという機能面もクリア。お気に入りの本を飾って、インテリアとして楽しむのもひとつ。

おすすめの真鍮アイテム　FUTAGAMI「文具トレイ大」
真鍮鋳肌ならではの風合いが魅力の文具トレイ

真鍮の生活用品ブランド「FUTAGAMI」らしい、目の細かい砂を使って仕上げた「真鍮鋳肌」が独特の風合い。クラシカルなデザインで、文具トレイとしてはもちろん、マネートレイやアクセサリートレイなど、用途やシーンも自在に楽しめます。

ヨーロッパのアンティーク品のような重厚感のある佇まいは、トレイに乗せる物の雰囲気まで格上げしてくれそう。

おすすめの真鍮アイテム　野口製作所「Ori Mask Clip brass」
マスクをスマートに収納するマスククリップ

すっかり日常になったマスク生活に、洗練されたデザイン性と利便性を兼ね備えたマスククリップを。注目したいのは、抗菌・抗ウイルス効果が期待できるという真鍮の特性。さまざまな菌やウイルスの生存期間がプラスチックや他の金属より極端に短いことが、各研究機関より発表されているのだそう。

精密板金の加工技術ならではの、そぎ落とされたシンプルな形状は、男女問わずどんなシーンにもぴったり。クリップタイプなら、スムーズにマスクを出し入れが可能。

野口製作所「Oriのコンセプトは、“日々の生活を清潔に保つ”“善いものを永く使う”折り曲げのみの高い技術と金属に関する豊富な知識で想いを込めたものづくりをしています。マネークリップとしてもお使い頂けます」

おすすめの真鍮アイテム　中川政七商店「マグネットフック」
インテリアに馴染むスタイリッシュなマグネットフック

無駄を削ぎ落とした引き算デザインが、どんなインテリアにも馴染むマグネットフック。ネオジム磁石で強力に固定でき、ふきんを掛けたり、キッチンツールを掛けて収納したりと、自分の使いやすいところに収納を作ることができます。

キッチンだけでなく、ドアにつけて鍵をかけたり、クローゼットやデスクで使ったりと、さまざまに活躍してくれそう。高級感のある真鍮素材だからこそ、いくつか並べてもスタイリッシュに。

中川政七商店広報の村田さん「マグネットが付く場所であれば、ピンで穴をあけるなど、壁に傷を付けることなく使えるのが、嬉しいポイント。付け外しが簡単なので、季節のお飾りなどを自由にカスタムして、お部屋のレイアウトを楽しむのもおすすめです」

おすすめの真鍮アイテム　中川政七商店「真鍮の保存クリップ」
生活感のある保存クリップをおしゃれに昇華

プラスチック製が多い保存クリップですが、真鍮製の洗練されたデザインにすることで気になる生活感を一掃。こんなにおしゃれなインテリア雑貨に。

お茶の袋を止めるのはもちろんのこと、お菓子や調味料袋など幅広く使えます。和洋どちらのインテリアにも馴染むデザインで、仕舞い込まずに置いておいても絵になりそう。

中川政七商店広報の村田さん「愛着をもって長く使い続けたくなる佇まいがポイント。デスクに置いていても、空間に馴染むデザインなので、使いたいときにすぐに活躍する便利なアイテムです。手で触って使用する分、暮らしと共に経年変化を楽しめます」