毎月ひとつの素材やキーワードをテーマに、職人技やデザインが光る魅力的な道具や雑貨を紹介する連載企画。4月のテーマは「ステンレス素材」。サビにくく耐久性が高い、さらに臭いがつきにくく汚れも落としやすいステンレスは、衛生的にも安心で、キッチンや食卓まわり、アウトドアシーンにぴったりの素材です。

今回は、デザイン性はもちろん、使いやすさも兼ね備えた調理器具を中心にピックアップしました。新生活に向けて、キッチン用品を一新したいと考えている方にもおすすめのアイテムばかりです。

おすすめのステンレス製品　TSBBQ「スクエアケトル」
スタイリッシュな見た目＆機能も抜群のスクエアケトル

洋食器や金物・刃物の生産が盛んな新潟・燕三条から、スタイリッシュなバーベキュースタイルを発信するアウトドア用品ブランド「TSBBQ」。コンパクトに収まるスクエアケトルは、高さ約5cmという薄さながら、容量は700mlとたっぷり。

ハンドルは天板に設けた凹状の溝にすっきり収納でき、蓋も凹形にデザインすることで使わない時の天板はいつもフラットになるという設計も秀逸です。直火はもちろんIH調理器にも対応可能。

代表の山谷武範さん「持ち運びしやすいコンパクトなケトルです。底面積が広いため熱効率がよく、スピーディーに沸騰、またシングルバーナーに置いた時の安定性にも優れています。ハンドルが高温になりにくい設計やコーヒードリップにも対応できる少量でも注ぎやすい注ぎ口の形状など、こだわりを詰め込みました」

おすすめのステンレス製品　conte「やくさじ｜計量スプーン、こします｜オイルポット」
定番の計量スプーンとオイルポットをアップデート！

ボウルやザル、計量スプーンなど、キッチンの定番道具を使う人に寄り添いながら、よりスタイリッシュに機能的にアップデートしている「conte」。「やくさじ」は、いわゆる計量スプーンですが、さじの皿部分が浅く粘性のある調味料も残りにくく洗いやすい。また長い柄でボウルなどに沈み込みにくいので、そのまま混ぜることができます。

「こします」は、蓋とこしアミ、容器がセットになったオイルポット。シンプルな構造でコンパクト、さらに容器の縁が巻き加工で油切れのよく手やキッチンが汚れにくいと、いいことづくめ。小さなストレスが軽減されて、毎日の料理がもっと楽しくなりそうです。

おすすめのステンレス製品　柳宗理「トング穴あき」
デザイン性と実用性が同居。美しいフォルムの穴あきトング

調理や盛り付け、取り分けなど、キッチンや食卓で幅広く活躍してくれるトング。道具としての使いやすさはもちろんのこと、柔らかい丸みを帯びた「柳宗理」ならではの美しいフォルムは、テーブルの上でも映えること間違いなしです。

余計な継ぎ目などがない一体成形は、シンプルで洗いやすく衛生的。ゆでた麺類など汁気を切りたいものをつかむ時や、揚げ物をする際にも油をきちんと切りながらしっかり掴めるので、さまざまなシーンで活躍してくれます。

おすすめのステンレス製品　YAMAGI INDUSTRY「魚型おろし金」
いくつも欲しくなる。愛くるしい表情の魚型おろし金

創業当時からキッチン用品に携わり、ステンレス製品を中心に製造する「YAMAGI INDUSTRY」がつくる魚型おろし金は、わさびやしょうがなどの薬味おろしに。ふぐ・たい・ひらめ・いかの愛くるしい表情の魚たちに心が和みます。

かわいいだけでなく、使い勝手ももちろんよし。一体成型で継ぎ目がなく、お手入れしやすいというのも利点。薬味をおろしたら、そのまま食卓に並べても。

社長の樋山義和さん「日常私達が使う『どうぐ』にちょっとだけ遊びを加えて、今より少しでも調理、食事が豊かになったらいいなと、ちょっとだけ思って作り続けています。『魚型おろし金』は手のひらにおさまる大きさ。ちょっとだけ薬味が欲しいときに使って魚の表情に『ほっこり』していただければと思います」

おすすめのステンレス製品　EAトCO「Shibolu（シボル/トング）、Cutlery Hasami　カトラリーハサミ／卓上ハサミ」
かゆいところに手が届く、絞り用トングと卓上ハサミ

“あったらいいな”を叶えてくれる「EAトCO」のキッチンアイテムに注目。「Shibolu（シボル/トング）」はWとVの形状で挟んでスライドするだけで、袋に入ったソースや粘性のある調味料などを絞り出してくれる優れもの。なにげにストレスだった微妙に残る中身もすっきり絞れると、気分も晴れやか。

食卓で料理を食べやすい大きさにカットできる「Cutlery Hasami　カトラリーハサミ／卓上ハサミ」は、全体をへの字に曲げてあり、器の中の料理をスムーズに切ることができます。コンパクトなサイズ＆ケース付きで携帯にも便利。分解して洗える仕様なのも安心です。

営業部企画グループ・マネージャーの柳原由紀子さん「EAトCOは金属加工の街、燕三条の技術によって作られた、シンプルでスタイリッシュ、それでいてしっかりとした機能を持つ調理小物です。永く愛着を持ってお使いいただけるように品質にも高いこだわりをもって取り組んでいます」

おすすめのステンレス製品　工房アイザワ「角型ランチボックス　小２段」
機能面も衛生面も◎。長く使いたいランチボックス

プラスチックや木製、ホーローなどさまざまな素材で作られるランチボックスですが、ステンレス製の魅力はなんといっても、色移りしにくく臭いもつきにくく衛生的で長持ちする点。

大正11年創業の老舗キッチン道具メーカー「工房アイザワ」の角型ランチボックスは言わずと知れた名品で、無駄のないシンプルなデザインと機能性の高さが人気の理由。蓋裏についたシリコン製パッキンと両サイドの金具で密閉度も高めています。

代表取締役の相澤保生さん「弊社のモノ造りの考えは、使う為の機能と飽きの来ない形状です。まず使う為の機能があり、機能を生かす為の形状をコンセプトに開発しています。見た目が良くても機能にそぐわなければ製品化はしません。ランチボックスもその一つで、熱や衝撃でも変形しない形状や料理の色や匂い移りがないなど、使う上で必ず起こる事を念頭に開発したものです。もう一つは弊社の製品を何代も使い続けて欲しいとの思いがあり流行に左右されない形状や色にしています」

おすすめのステンレス製品　ヨシタ手工業デザイン室「ハシオキ」
モダンな印象を食卓にプラス。さまざまな形の箸置き

壊れにくく丈夫、汚れもさっと落ちて衛生的……。ステンレス製の箸置きは利点がいっぱいです。「ヨシタ手工業デザイン室」の箸置きは、短冊、輪、X字、弓、長円などデザインも豊富。

長さがあるものはスプーンと箸など２本置いて使うことも可能。輪は、箸置きとしてだけでなくレードル置きとしても使えるそう。無機質なステンレス素材ですが、形によって表情が変わるおもしろい素材だということに気づかせてくれる、楽しいアイテムです。

ヨシタ手工業デザイン室のデザイナー吉田守孝さん「少量生産でしか作れなかったので、専用の型を起こさずに曲げたり繋げたりするだけで作れるかたちを考えました。その結果、直線と円弧だけで構成され、その不自由さがシンプルなかたちを作り出しました」

おすすめのステンレス製品　DYK「オールステンレス ペティナイフ シルバー」
軽量で安定感抜群。機能美あふれるペティナイフ

大工道具を中心にした刃物道具問屋として積み重ねたノウハウと、美しく機能的なデザインの出合いから生まれた「DYK」の包丁。

小回りが効くペティナイフは、果物やじゃがいもなどの皮むきなどにはもちろん、薬味を切る時にも重宝します。独自の丸みを帯びたハンドルは握りやすく安定感抜群。また包丁の柄部に中空モナカ構造を採用したことで軽量なのも特徴です。

ブランド担当の竹田さん「刃渡りが約8cmと一般的なペティナイフよりもコンパクトで扱いやすいため、皮むきが苦手という方にこそ使って頂きたいです。一体柄のデザインは清潔感があり、プレゼントとしても喜ばれるアイテムです」

おすすめのステンレス製品　GLOCAL STANDARD PRODUCTS「Cafe tray SH」
テーブルでもインテリアでも。自在に楽しめるトレイ

1970年頃までは欧米向けにミリタリー用やホテルなどの業務用、一般用としてテーブルウェアなどの金属製品の輸出を行っていたという新潟県燕市。その技術を活かして誕生したのが、コーヒーサーバーとマグカップが置けるトレイ「Cafe tray SH」。

ステンレス素地に研磨ベルトで表面を一定方向に磨くヘアライン加工を施し、マットな質感に仕上げています。モーニングトレイやキッズトレイとして食卓はもちろん、アクセサリーや小物入れなどインテリアにも活用できそう。

石黒さん「新潟燕市では過去に欧米向けにミリタリー向けフードトレイなどを納めていた実績があります。そのトレイをモチーフとし現代の道具に置き換えたのがCafé trayになります。本来はコーヒーサーバーとマグカップ、軽食などが置くことができるカフェ用トレイですが、インアウトの環境のさまざまな用途で活躍してくれるトレイになります」