気になるフォント、知りたいフォント。 映画『8日で死んだ怪獣の12日の物語 -劇場版-』(2020.07.16) | デザインってオモシロイ -MdN Design Interactive-

気になるフォント、知りたいフォント。 映画『8日で死んだ怪獣の12日の物語 -劇場版-』(2020.07.16)

2020.8.13 THU

プロのフォント使いを実例から解く
気になるフォント、
知りたいフォント。
デザインの構成において、最も重要な要素の一つ「フォント」。本コーナーでは、無数の選択肢から導き出されるプロのフォント使いを、素敵な実例ベースで紹介していきます。記事一覧はこちら
今回取り上げるのは、映画『8日で死んだ怪獣の12日の物語 -劇場版-』のポスターです。
2020年7月16日 取材・文 山口 優
『8日で死んだ怪獣の12日の物語 -劇場版-』
映画/2020/(c)日本映画専門チャンネル/ロックウェルアイズ
●Designer:石塚真央[Rockwell Eyes]
独特の風合いがあるゴシック体でリアルかつ幻想的に

通販サイトでコロナと戦ってくれるというカプセル怪獣を買ったサトウタクミが、怪獣に詳しい知り合いの樋口監督や、通販で宇宙人を買ったという後輩の丸戸のんらと交流しながら、怪獣を育てていく様子を描いた映画。全国のミニシアター支援を目的として7月31日より劇場公開される。

もともと映画監督・樋口真嗣の「怪獣の人形に願いを込めて新型コロナウイルスを倒そう」という呼びかけで始まったリレー動画企画「カプセル怪獣計画」の番外編として岩井俊二監督により制作され、YouTubeで配信されて話題を呼んだ作品(URL)。劇場公開にあたり、のんが追加キャストとして参加している。

ポスターでは、そのドキュメンタリーのようでありながらファンタジックでもある世界観や、メインモチーフである怪獣たちの存在感、「物理的に離れていてもつながりがある」という作品のテーマなどが、モノクロ写真のコラージュや破いた紙のテクスチャ、独特の風合いがあるタイトル文字などで表現されている。

使用フォント1(メインタイトル)
「HGP創英角ゴシックUB」

輪郭のにじんだ文字で
ファンタジックに
HGP創英角ゴシックUB

HGP創英角ゴシックUB

タイトルロゴは、YouTubeで配信される際に岩井俊二監督によって作成されたもの。オーソドックスな極太ゴシック体「HGP創英角ゴシックUB」(リコー)を少しぼかし、輪郭をにじませることで、リアルでもあり、どこかファンタジックでもある作品の世界観に合った独特の風合いが持たせられている。怪獣のマークは、そのタイトルロゴに合わせて劇場版用に新たに作成された。

使用フォント2(「-劇場版-」部分)
「A1ゴシック M」

作品世界に合わせ
親しみやすい書体に

A1ゴシック M

A1ゴシック M

タイトルロゴの下に配置された「-劇場版-」の文字は、線画の交差部分に墨だまりのようなニュアンスのある「A1ゴシック M」(モリサワ)に。通常のゴシック体に比べて固くなりすぎず親しみやすい印象があり、作品の世界観にマッチしていたため選択された。

使用フォント3(キャッチコピー)
「A1ゴシック B」

他の文字要素と同様に
アナログ的な書体を
キャッチコピーの文字は「-劇場版-」の文字と同じく、エレメント先端の角丸処理や線画の交差部分の墨だまりが特徴的なゴシック体「A1ゴシック」(モリサワ)に。作品のリアルかつファンタジックな世界観に合わせ、他の文字要素と同様にアナログ的な表情を持つ書体がチョイスされた。読み手に与える印象や可読性に配慮し、ウェイトは「B(ボールド)」が選択されている。

使用フォント4(クレジット)
「A1ゴシック M」

他のフォントと
書体をそろえて統一感を
A1ゴシック M

A1ゴシック M

キャストやスタッフのクレジット部分は、「-劇場版-」の文字やキャッチコピーなどと同じ「A1ゴシック」(モリサワ)に。作品の世界観になじませ、ポスター全体に統一感を与えるため、他の文字要素と同じ親しみやすいゴシック体が選択されている。

気になるフォント、 知りたいフォント。
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