【PR】制作現場で役立つ色使いが身に付く『色彩検定 公式テキスト』の“こだわり”とは
色彩の知識を基礎から体系的に学べる!
制作現場で役立つ色使いが身に付く『色彩検定 公式テキスト』の“こだわり”とは
デザインやファッション、インテリアなど、さまざまなシーンで重要な要素となる“色”。その幅広い知識や技能を問うのが「色彩検定」だ。同検定には公式テキストが用意されており、色彩についての知識を基礎から体系的に学びながら、日常生活や制作現場で役立つ“色使い”を身に付けることができる。
ここでは、その改訂版テキストの編纂にあたった色彩検定協会の益田さん、制作を担当した朝日新聞メディアプロダクションの秋澤さん、印刷・製本を担当した日本写真印刷コミュニケーションズの北口さんと野原さんに話を伺い、公式テキストならではの“こだわり”を探ってみることにした。
より見やすく分かりやすいテキストを目指す
──まず、『色彩検定 公式テキスト』の役割を教えてください。
益田 色彩検定は、色に関する幅広い知識や技能を問う検定試験です。受検者が目指すレベルに合わせて3級、2級、1級に分かれているほか、2018年からは色覚の多様性に関する知識や技能を問う「UC(色のユニバーサルデザイン)級」が新設されました。『色彩検定 公式テキスト』は、これら各級のレベルに合わせて体系的に色彩を学ぶためのテキストで、試験問題もテキストの内容に沿って出題されます。時代に即したテキストになるよう必要に応じて内容の見直しを実施しており、直近では2020年に全面改訂を行っています。
──改訂版ではどのような部分が変更されたのでしょうか。
益田 受検者や色彩検定協会認定の色彩講師の方たちからは以前より公式テキストに関する質問や要望をいただいていましたので、それをもとに「この部分はもう少し説明を加えたり、表現を変えたりした方が理解しやすいのではないか」という部分をすべて洗い出して検討しました。基本的には旧テキストの内容をベースにしていますが、新たに色彩学の先生方に執筆をお願いした項目もあります。また以前はA4判に近いサイズだったのですが、それだと大きくて持ち運びにくいという声があり、改訂版ではよりコンパクトなB5判にサイズ変更しています。それに伴って読みやすいレイアウトも変わってきますので、そのデザインを朝日新聞メディアプロダクションさんにお願いしたという形ですね。
秋澤 判型が小さくなると、ページ内にどのくらいの情報を盛り込めるのかも変わってきます。単純に縮小すればいいというわけではないので、段組の文字数やフォントの特性、見出しのサイズなど、ひとつひとつの要素を検証しながら読みやすい紙面になるよう進めていきました。また、色彩検定さんのブランドマークを含めたVI(ビジュアル・アイデンティティ)が刷新されたタイミングでの改訂でしたので、インデックスや各章の見出しの背景色にブランドカラーを反映するなど、色彩検定らしい公式テキストになるようにデザインしています。
──ブランドマークはレインボーカラーを少し柔らかい印象にした色ですよね。
秋澤 そのレインボーカラーからブランドカラーが8色設定されているので、それを各章のキーカラーとして使用しています。ただ、色彩に関するテキストなので、そのキーカラーが主張しすぎるとテキスト内容に干渉しかねません。グレーなどの無彩色も使いながら、ブックデザインが読者の理解を妨げないよう心がけました。
益田 改訂版テキストでは、表現の“ゆれ”も特に注意したポイントです。文章表現を揃えることはもちろんですが、図版も秋澤さんに作り直していただいて統一感を持たせています。複数の執筆者の方がいらっしゃいますから、原稿と一緒にご提供いただいた図版をそのまま使用すると、どうしても不揃いな感じが出てしまいますので。
秋澤 各級全ページを通して見たときに違和感がないよう、ほぼすべての図版に手を入れています。単純な罫線だけの表組みに色を加えるだけの小さなことでも、ひとつひとつ丁寧に積み重ねていったという感じです。また、文章だけではイメージしづらい部分は、直観的に分かりやすくなるような図を新たに作ったりもしています。
──UC級の場合は色覚の多様性に特化しているので、ほかの級とは異なる大変さがあったのではないでしょうか?
秋澤 そうですね。図版を作成する際も、色覚特性をシミュレーションできるアプリなどを使って検証しながら進めました。図によっては明度に差をつけたり、実線や点線を使い分けるなどして、色の差が分かりにくいという方でも区別しやすくなるよう、いつも以上に注意しながらデザインしました。
公式テキストならではの“色”へのこだわり
──改訂版テキストでは、使用している用紙も変更されていますよね。
益田 受検者の声を聞くと、鉛筆やボールペンなどでテキストに直接メモを書き込まれる方が結構いらっしゃいました。旧テキストは、表面が少しツルツルした紙を使っていて書き込みづらかったので、改訂版ではマットな紙質のものに変更しています。
北口 マットな中でも、できるだけ白くて色の再現が美しいものを提案させていただきました。実際の試験問題と同じ紙とインキ、印刷機で公式テキストも印刷しています。
益田 色みも試験問題と統一しているので、公式テキストで学習していただければ試験の際に戸惑うことは少ないかと思いますよ。
──紙やインキ、色みまで同じなのは、受検者にとって安心感がありますね。
益田 色彩に関するテキストですので、色の正確さはとても大切です。そのため、できるだけ色にも“ゆれ”が起きないように気をつかいました。日写(日本写真印刷コミュニケーションズ)さんは京都の博物館や美術館のカタログ印刷なども手掛けられていて技術力は確かですから、旧テキストから安心してお任せしています。
北口 印刷機は1時間あたり1万枚以上刷りますし、材料もインキと紙、刷版などのアナログなものを使うため不安定要素が多いのです。インキを供給しすぎると色が濃くなりますし、印刷したときにインキが潰れて網点が広がって濃く見える「ドットゲイン」なども起こります。そういった色の“ゆれ”が基準内に収まるように、印刷機のアライメントやメンテナンスは定期的に行なっています。また大量印刷の場合は、一定の割合で抜き取り検査をして色調整を行い、色の“ゆれ”が最小限になるようにしています。通常は1,000枚に1枚くらいなのですが、今回はさらにきめ細かく、500枚に1枚チェックして調整を行いました。
益田 少しでも色がずれてしまうと大ごとなので……。たとえば公式テキストには、色相・明度・彩度という色の三属性やトーンを使って配色を学ぶPCCS(Practial Color Co-ordinate System=日本色研配色体系)を説明する項目があるのですが、PCCSでは色を記号で表します。しかし、ほんの少しでも濃度がずれると別の記号になってしまうんです。「朱色」などの慣用色名も、少しでも色がずれると別の色名になってしまうことがあり、試験だと解答が変わってしまうので、その辺りはいつも厳密にお願いしています。
──慣用色名の「朱色」と「バーミリオン」や、「杜若色」と「瑠璃色」、「群青色」のように、素人目には色の差がほとんど分からないものがありますね。
益田 それぞれJISでCMYK値が規定されているのですが、紙質やインキの違いによって「あれ?」という結果になることがあります。そのため、ほんの少し青みが欲しいときはシアンを1%単位で微調整していただいたり。色校も「これで大丈夫」となるまで、何度も出していただきました。
北口 印刷というのは、シアン(C)、マゼンタ(M)、イエロー(Y)、ブラック(K)の4色のインキを使い、網点と呼ばれる小さな点を組み合わせることでさまざまな色を再現しています。1%というのは、その網点の面積を1%調整することなんです。
野原 もちろん肉眼で網点を見るのは難しいので、確認用のルーペを使ってチェックします。ポケットマイクロスコープというツールで、市販もされていますよ。
北口 携帯できる顕微鏡のようなものです。このルーペで覗くと、CMYK各色が何%なのかというのが大体分かります。
──見ただけで分かるのはすごいですね。ほかに印刷の際に気を配っていることはありますか?
北口 印刷見当(印刷位置)を厳密に合わせることですね。印刷の際はブラック、シアン、マゼンタ、イエローの順に刷るのですが、マゼンタを刷る時点で紙がほんの少し伸びてしまうんです。見当がずれると色再現が変わってきます。そのため今回の印刷では、そのずれの分だけマゼンタとイエローの版を微調整するようなことも行なっています。
デザインやイラスト制作にも役立つ色彩の知識が身につく
──テキストには身近なお菓子のパッケージや書籍の装丁、ファッション、景観などの写真が実例としてたくさん掲載されていますね。カラフルなネイルの写真などもあって、パラパラめくって見ているだけでも楽しくなります。どのようにセレクトされたのでしょうか。
益田 商品パッケージや書籍などは、ドラッグストアやコンビニ、書店などを回って、「こういう配色のものはないか」と実物を確認しながらセレクトし、メーカーや版元に連絡を取って許諾とデータをもらいました。ネイルは、色彩検定協会認定の色彩講師でネイルのお仕事をされている方がいらっしゃったので、テキストの内容に合わせてネイルデザインしていただいたものです。
──公式テキストで身につけた知識は幅広い場面で役立ちそうです。
益田 色彩の知識があると、デザイン制作の際に色選びがスムーズになりますし、配色で迷うことが少なくなると思います。企画書やプレゼンなどでも、“色”に意味を持たせることで、お客様にイメージを伝えやすくなることがあります。最近は、イラストレーターの方の受検も増えてきています。色塗りのセンスを身につけたいという方が、色彩や配色の知識・技法を体系的に学ぶために活用していただいているようです。2020年の全面改訂によって、これまで以上に親しみやすい内容のテキストになっているので、より多くの方に楽しみながら色彩や配色の知識を身につけていただけたら嬉しいですね。
色彩検定にチャレンジしてみよう
「色彩検定」は、身の回りのあらゆるところに存在し、人や社会に影響を及ぼしている「色」に関する幅広い知識や技能を問う文部科学省後援の検定試験。色の基礎から、配色技法や専門分野における利用など、幅広い範囲をカバーしており、受検のための学習を通じて感性や経験によらない理論の土台を体系的に身に付けることができる。
試験は「1級」、「2級」、「3級」、「UC級」の4つに分かれており、現在の自分の知識や目指すレベルに合わせて選ぶことができる。近年では、ファッション、インテリア、グラフィック等のデザイナーから、販売、企画、事務といった職種の人まで幅広く受け入れられており、受検者数は累計150万人以上にのぼる。試験方式や検定料は以下の通りとなっている。色彩や配色を学ぶひとつのきっかけとして活用してみてはいかがだろうか。
検定内容(試験方式と検定料)
試験日 | 3級・2級・UC級 | 【夏期】6月 【冬期】11月 |
1級 | 【冬期のみ】 【1次試験】11月 【2次試験】12月 | |
試験方法 | 3級 | マークシート方式 |
2級・UC級 | マークシート方式(一部記述式) | |
1級 | 1次:マークシート方式 2次:記述方式(一部実技) | |
検定料 | 3級 | 7,000円 |
2級 | 10,000円 | |
1級 | 15,000円 ※1次免除者も同じ | |
UC級 | 6,000円 | |
試験時間 | 3級・UC級 | 60分 |
2級 | 70分 | |
1級 | 1次:80分 2次:90分 | |
受検資格 | 何級からでも受検可能 | |
受検地 | 北海道から沖縄まで各地域の公開会場 (1級2次試験のみ札幌・仙台・東京・金沢・名古屋・大阪・広島・福岡の8エリア) | |
合格ライン | 各級満点の70%前後。問題の難易度により多少変動。 | |
申込方法 | インターネット・書店・郵送 |
※色彩検定の詳細はこちら
『色彩検定 公式テキスト』で色彩を学ぼう
『色彩検定 公式テキスト』は、「色彩検定」の各級のレベルに沿った内容を理解・習得できる、公式の受検対策テキスト。検定試験の問題は、この公式テキストに沿って出題される。実際の試験問題と紙やインキ、色味が統一されているのも大きな特徴。初めて色彩を勉強する人向けの3級、より深い学習ができる2級、専門知識を学べる1級、「色のユニバーサルデザイン」に特化した内容を学べるUC級の4種類が用意されており、自身の習熟度に応じ無理なくステップアップできる構成になっている。受験対策にぜひ活用してみてほしい。
級 | 価格(税込) |
公式テキスト3級編 | 2,420円 |
公式テキスト2級編 | 2,970円 |
公式テキスト1級編 | 4,070円 |
公式テキストUC級編 | 2,310円 |
※『色彩検定 公式テキスト』の詳細はこちら
2022.08.08 Mon