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モノづくり探訪記

2021.12.07 Tue

【第二十一回】手彫りでつくる世界で一つだけの印鑑 ~国見印章堂「smile factory」のデザインハンコ~

取材・構成:編集部 撮影:下山剛志[ALFA STUDIO]

企業の脱ハンコ化が進む中、印鑑の意味は見直されつつある。電子印鑑に手軽さや分かりやすさが求められる一方、リアルなハンコはより趣味性の高いものへ。押印する機会が減ったからこそ、その一押しを大切にしたい。「smile factory(スマイルファクトリー)」はそんな人にオススメの印章店だ。今回のモノづくり探訪記では、手彫りの味わいをリーズナブルな価格で実現する「smile factory」のデザインハンコの魅力に迫ります。

楽しめるハンコをつくりたい! 「smile factory」始動

昭和24年に創業し、四国・高知県でさまざまな印鑑やスタンプを作り続けてきた国見印章堂。その二代目となる国見俊介さんが「もっと自由に、ハンコを楽しんで欲しい」という思いから立ち上げたのが、さまざまなデザインハンコをつくる新ブランド「smile factory」だ。

丸い形に調和するものなら何でも印鑑にしてしまう豊かな発想力で、人気の和柄から、野球やサッカー、猫やパンダ、サクラや四つ葉のクローバーといったハッピーモチーフなど、あらゆるものを丸いデザインに落とし込み、個性的なハンコに仕上げている。まずは、老若男女を問わず高い人気を誇る和柄デザインから見ていこう。

【001】華やかに魅せる「和柄」のハンコ

smile factoryのラインナップの中でも、人気の高い和柄シリーズは、「麻の葉」、「市松模様」、「矢がすり」、「青海波」、「カモフラージュ柄」など、いろいろな模様が揃っている。丁寧に彫りこまれた繊細な模様が美しく、パッと花が咲いたような華やかな印影が楽しめるシリーズだ。

日本人の暮らしになじんだ和の図案は、どんな人でも使い易く、同じ意匠でも複数のデザインから選べるようになっているので、ピッタリくる組み合わせを選んで使いたい。

【青海波】枠なしデザインと枠ありデザインでは、雰囲気も大きく異なる

 

【麻の葉】枠ありデザインでも複数のパターンが

 

【002】大好き!をカタチにした趣味ハンコ

スポーツや昆虫など、自分の好きなものをハンコにするのも楽しみ方の一つだ。「smile factory」を立ち上げてから国見さんは常に新しいハンコのデザインについて考えているという。

ハンコにしたときピッタリとくるデザインはなかなか見つからないが、サッカー、野球、バレーボール、バスケットボールなど特長のあるボールはハンコにしても楽しい。smile factoryでは、これに背番号を入れられるようにして、さらにオリジナリティのあるハンコへと仕上げてくれる。実際にスポーツチームに所属している人ならぜひ手に入れたいアイテムだ。

背番号が入るサッカーボールのハンコ

クワガタやカブトムシは、象徴的なパーツをダイナミックにつかったデザイン。ハンコとしても分かりやすく、子供用の印鑑としてもオススメである。動物シリーズは他にもイルカやパンダ、ネコ、ウミガメなどがある。ただ人気のある意匠を盛り込むだけでなく、ハンコという丸いキャンバスを活かしたインパクトのあるデザインが印象的だ。

【003】贈り物にも最適! 幸せを呼ぶラッキーハンコ

 

サイン代わりにポンッと押すこともあるハンコは、渡す人へのメッセージ性も大切にしたい。smile factoryの名前の由来でもある「スマイル印」は、みんなを笑顔にしてくれる、まさに幸せの象徴。入学シーズンには「桜印」、おめでたいイベントの時には「クローバー印」など、想いを込めて大切な人に贈ってもよさそうだ。ネコ好きのひとには、「にゃんこいん」もオススメ。可愛いにゃんこが、幸せを招いてくれるかも?

「にゃんこいん」

銀行印について    
イラスト入りのハンコは、三菱UFJ銀行、三井住友銀行、みずほ銀行、ゆうちょ銀行などの大手銀行を含む、ほとんどの銀行で使うことができるが、金融機関によっては断られる場合があるので、事前に確認しておこう。    
(2021年11月現在)

ハンコならではの表現を楽しもう

可愛らしいハンコも魅力的だけど、ハンコならではの表現を楽しみたい。そんな人にはちょっと上級者向けのこんなハンコはいかがだろうか。

【004】ビジネスを格上げするアルファベット入りハンコ

ちょっとリッチな二重構造のデザインは、店舗や会社用などビジネス用途にオススメだ。円周に沿ってぐるりとアルファベットが入るので、情報力が多く、名前の読み方までをしっかりと伝えることができる。店舗であればお客様へのメッセージを円周に沿って彫り込むことも。

ビジネス向けにはもちろんだが、実は名前の読みが難しいお子様用のハンコとしても需要が高い。個人の認印でこの形式のハンコを持っている人は少ないと思うが、smile factoryならリーズナブルな価格(3,000円~)、使い易い12mm径サイズで作ってくれるので気軽に試してみることができる。このハンコを普段から使っていれば、「いつも名前を読み間違えられる」といった悲しい思い出もなくなるだろう。

【005】縁起のいい「印相体」は人生の節目に

(左)印相体のハンコ (右)サイン代わりのハンコ「sign-sain」

ハンコはハンコらしい書体でという人は「印相体」のハンコがオススメ。印相体は別名「吉相体」とも呼ばれ、八方へ広がるようにデザインされた縁起の良い書体である。smile factoryにラインナップされている、サイン代わりのハンコ「sign-sain」では、先に紹介したアルファベット入りハンコの要素を取り入れた新しいデザインが提案されている。

名前の頭の一文字などをシンプルに中央に掘り込み、周囲にローマ字読みを配置すれば、今風で使い易い印相体ハンコの出来上がり! 運気もデザインも譲れないという人に使ってもらいたい、ファッショナブルなハンコである。

smile factoryならこんなユニークなデザインも。ハンコに彫り込むのは漢字でなければならないなど誰が決めたのだろうか

【006】趣味人のアナタには、落款を思わせる白文ハンコを

最後にご紹介するのは白文ハンコ。一般的な朱文ハンコとは逆で、朱色の印影の中に文字が白く浮き出るように作られたハンコだ。アート作品の落款を思わせる白文デザインは、個性的でどこか文化人を思わせる。こんなハンコを日常使いするというのも、ちょっとカッコイイかもしれない。

こちらの白文ハンコも複数のデザインが用意されており、smile factoryでは朱文ハンコを反転させたいというオーダーにも応じてくれるので、自分好みの白文ハンコを探してみて欲しい。

手彫りの品質をリーズナブルな価格で

ここまで紹介してきたハンコづくりを手掛けているのは、印鑑職人として35年以上のキャリアを持つ、一級印章彫刻技能士の国見俊介さん。次は、手彫りの品質をリーズナブルな価格で実現するその制作方法を見ていきたい。国見さんが目指すのは「多くの人が自由に楽しめるハンコ」。手に取りやすい価格帯や提供スピードも「楽しめるハンコ」には欠かせない要素である。

smile factoryのハンコの特長を紹介する前に、まず「“手彫り”の良さとは何か?」について考えてみたい。

まず第一に、図案を手作業で印面に書き写し、彫刻刀で彫り上げていく「100%手彫りのハンコ」には、はっきりと個体差が現れる。唯一性が求められる印鑑において、これは大きなメリットだ。

もう一つは印影の美しさ。同じ古印体の印鑑でも機械で彫られたものと、手で彫られたものでは大きく異なる。機械彫りでは、画数が多い字も少ない字も、同じようにパソコンで打ち出した文字が彫り込まれていくので、印影になったときにどうしてもバランスが悪くなってしまうのだ。一方、手彫りのハンコは職人が線の太さや配置を僅かずつ調整しながら彫り上げていくので、最終的にバランスがよく、細かい部分にも擦れや潰れのない美しい印影が仕上がる。

smile factoryのハンコはというと、自動彫刻機で浅めに“下彫り”したハンコを手彫りで仕上げるスタイルだ。文字と文字の間が広く開いた部分は、押印したときに朱肉が付いてしまわないように深めに掘り下げていく。文字にも模様にもすべての面に彫刻刀を当て、生きた手彫りのラインを刻んでいく。もちろん、ハンコとして最適なバランスに整えて美しい印影にするのも忘れない。

手彫りによる仕上げ作業の様子

和柄などを彫り込むsmile factoryのハンコは、一般的なハンコよりはるかに細かい。機械彫りでは難しいとされる細かい曲線や角がバランスよく表現されているのも、このひと手間があってこそだろう。「楽しめるハンコ」と一口に言っても、ハンコとして映えるデザインと、バランスの良い印影、細部まで美しく押印できる彫刻の技という技術力の結集で作られているのだ。

手彫りの品質をリーズナブルな価格で――Smile factoryのハンコは1点3,000円~、18mmの大判ハンコでも10,000円程度とリーズナブル。手に取りやすい価格は「楽しめるハンコ」に欠かせない要素だ。

ハンコは文化! もっと自由に楽しんで

さまざまなシーンでハンコが登場する日本において、印章デザインは文化そのものだ。ファッションを楽しむように、もっと気軽に楽しく、さまざまなハンコを楽しんで欲しい――そんな思いから誕生した国見印章堂の「smile factory」は、国見さんの想いとともに、これからも楽しいハンコ文化を伝えてくれるに違いない。

【プレゼント企画】 「国見印章堂」デザイン印鑑プレゼントキャンペーン   
「モノづくり探訪記」では、日ごろのご愛顧に感謝して、今回ご紹介させていただいた国見印章堂のデザインハンコを5名様にプレゼントいたします。応募方法は、キャンペーン専用ページよりご確認ください。

応募詳細はこちらから  
https://www.mdn.co.jp/takumi/mono/1681


「國見印章堂」(smile factory)       
https://www.smilefactry-hankoya.com/    
昭和24年創業。四国の高知県高知市知寄町にて印章店を営む。2016年にハンコでみんなを笑顔にするプロジェクト「SMILE FACTORY」を始動。ハンドメイドマーケット「minne」や「Creema」、自社のWebページなどを通してデザインハンコの販売をスタートした。以来、毎年新しいデザインを発表し、ハンコ好きの目を楽しませている。    
minne:https://minne.com/smile-hanko    
Creema:http://www.creema.jp/creator/983695    

 

 

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