
第18回 集客がゴールではない(2)~SEOはLPOにもつながる
これまで何度か述べてきたように、SEOはサイトに多くのユーザーを集客することが最終目的ではなく、訪問後のユーザー行動を考えた集客が大切だ。
今回は、訪問後のユーザー行動に関して最近話題の“LPO”と、SEOの連携について考えてみよう。また、LPOのアイデアに煮つまったときにどうするか、とても簡単かつ当たり前のことではあるが、改めて提案したい。
(解説:株式会社ディーオーイー クライアントパートナー 猪股 信吾)
LPOとは?
「Landing Page Optimization」の略。ユーザーが最初に目にするWebページを、「(訪問者が)ランディング(着地)するページ」という意味で、ランディングページ(landing pages)と呼ぶ。その“着地ページ”を最適化(Optimization)することで、コンバージョンレートを高めること、またはその工夫を指して「LPO」という。
SEO を考慮したサイト構築を行った結果、そのWebサイトの情報が、検索エンジンの自然な検索結果(以下、オーガニック結果)で、ユーザーの目に留まりやすい位置に表示されるようになると、ユーザーが検索結果をクリックした際に最初に表示されるWebページが、非常に重要になってくる。
LPO

検索エンジン経由でWebサイトを訪問するユーザーがどのページへ“着地”するかは、コンバージョンレートにも影響を及ぼす
最初からLPOまで考えるのが、SEOのサイト構築
SEOを考慮した結果、検索エンジン経由の集客に成功しても、LPOが不十分だと、ユーザーは不満やストレスを感じ、すぐにほかのサイトへ逃げてしまう。
しかし今まで我々が提唱してきた“本来のSEO”であれば、Webサイトの構築段階から下記の点が意識され、十分に配慮されている。
- 何のキーワードが、このサイトに訪れるユーザーに最適なキーワードなのか。
- 適切なキーワードを検索エンジンに理解してもらうためには、どのような論理的記述方法でソースコードを書くべきなのか。
- 関連カテゴリーのページ、関連商品のページと、それぞれどのようにリンクさせていくか。
従って、オーガニック結果から訪れたページであっても、ランディングページは自ずとユーザーが期待する結果に近いものになっているはずである。少なくともテキストレベルではこのランディングページが最適化されているからこそ、検索エンジンに理解され、ユーザーから発見されやすくなったのだ。
デザイナーの腕の見せ所
さて、SEOを考慮した結果、検索エンジンには理解されやすくなったかもしれない。しかし、Webサイトの最終目的は、検索エンジンに認められることではない。色も形も認識する人間、しかも、購入や登録などの最終目的を達成したいという意欲のある人間が相手である。ここからが、デザイナーやコーダーの腕の見せ所だ。
第9回、及び
第17回でも述べたように、検索エンジン経由のユーザーは、自分の望む情報がなさそうだと判断した場合は、すぐに次の検索行動に戻ってしまうのだ。検索エンジン経由のユーザーが、ひとつのWebページについて、目的の情報がありそうか否か、このWebページが有益かどうかを判断するために用いる時間は、一般に約8秒程度であるとされている。
そんなに急いでいるユーザーを、テキストレベルでの記述内容を極力いじることなく、色や配置、エリアの取り方を工夫するなどのテクニックを効果的に駆使し、視覚的にわかりやすいサイトへと作り上げていくのはデザイナーやコーダーの仕事だ。ランディングページに到着したユーザーを逃がさないよう、また、ほかのページにまでグッと引き込むような視覚的効果を出していくのだから、腕利きのデザイナーやコーダーにはたまらなく楽しい作業なのではないだろうか。
リアル店舗はアイデアの宝庫
LPOの手法として、最近では、個別のランディングページを生成するテクニックが提唱され始めた。ユーザーが訪問した時刻や時期、地域などに合わせて、あるいは、過去に訪問履歴のあるユーザーの場合はそのプロフィールに合わせて、表示されるメッセージやデザインを変化させるというものだ。
実はこの考え方、リアル店舗に出かければ、山のようにアイデアが転がっている。
よく繁盛している店舗では、目的の商品のすぐ側や、お会計をする際のレジ周りに、関連商品が必ずおいてある。Amazon.comをはじめ、ネットショップで成功しているWebサイトが取り入れている「この商品を買ったユーザーはこんな商品も買っています」や「○○はお忘れではないですか」といった“ついで買い”を促すメッセージも、この考え方に基づいているのは明らかだろう。
リアル店舗では、“季節ごと”はもとより、時間帯や天候によって商品の並べ方も変えている。雨の日のキヨスクやコンビニで、いつのまにか傘が店頭やレジの側に出されているのがこれだ。
目的を持って集まるユーザーをサイト内で回遊させたり、もう一点の商品を購入させたりするアイデアに煮つまったら、ディスプレイの前を離れて、リアル店舗に足を運んでみよう。
プロモーションとしてのLPO
今後のLPOの考え方としては、そのWebページが、オーガニック結果から訪れるユーザー向けなのか、リスティング広告によって訪れるユーザー向けなのかを考慮した上で、ページの作成を進めていくのがよいだろう。
上述のような、時間帯や地域の違いによって訪れるユーザーをコントロールする手法は、現段階ではリスティング広告経由の集客に向いているといえるだろう。リスティング広告経由でランディングされるページを新たに構築する際は、思いっきりLPOのテクニックを駆使して、ユーザー行動をウオッチしていただきたい。それによって蓄積された情報は、まさにマーケティングの宝庫となるはずである。
プロモーションで観察されたLPOの結果を次回のWebサイト構築の際に十分に生かし、SEO設計に役立てられれば、リスティング広告への投資は2度3度と利益を生むことになるだろう。
次回につづく