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第4回 Web2.0と上手に付き合うWeb2.0が注目されている

2026.4.22 WED

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AKIHIRO HARUSAWA
日本ブランド戦略研究所 代表

東京大学法学部卒。北陸先端科学技術大学院大学知識科学研究科博士前期課程修了。コーポレートディレクション、トーマツコンサルティング、デロイトトーマ ツコンサルティング(現アビームコンサルティング)を経て2003年に日本ブランド戦略研究所を設立。おもな著書に「知的資本とキャッシュフロー経営」 (生産性出版)、「図解ブランドマネジメント」(東洋経済)などがある。
url. japanbrand.jp/



第4回
Web2.0と上手に付き合う
Web2.0が注目されている



企業のWebマスターには、新しいもの好きの制作サイドからブログを導入しましょうとか、SNSで何かをしましょうとか、いろいろな提案が持ち込まれているのではないか。

しかし、ツールや手法からの発想は本筋と言いがたく、勧められるものではない。新しいツールを導入したことが理由になって注目されるのは最初だけである。

ブログに関していえば、企業サイトでブログは一般化するかどうかはわからない。しかし、企業サイトは原則として企業からの情報発信が中心となるべきものであるから、少なくとも一般の企業ではそれがメインのコンテンツの地位を占めるとは思われない。

掲示板などでの発言の場はネット上にあふれており、企業がせっかくスペースを提供してもそれがだれに対しても気兼ねせず自由に発言したい人たちのニーズに合致するとは限らない。


アクセス元としての影響力はまだ限られている

購入の際の参考情報として、ブログやSNSなどの情報はかなり参考にされている。実際、購入時に参考にした情報として、当該企業のWebサイトのほか、掲示板やブログなどのクチコミ情報が挙げられることが多い。製品購入には一定の影響力があるものと考えて差し支えないだろう。
ただし、購入への影響度とアクセスの流入元となることは別のことととらえたほうがよい。SNSやブログで話題になったということがアクセスのきっかけとなるケースは意外に限られている【1】。企業Webサイトから掲示板やブログへ、という流れはあるが、その逆はあまりないと考えてよさそうである。アクセス元としてSNSは有効であるといわれるのは、あくまでネット上の広告媒体としての見たときである。

【1】企業Webサイトにアクセスしたきっかけ(データ:日本ブランド戦略研究所「Web Equity2006」より)
【1】企業Webサイトにアクセスしたきっかけ(データ:日本ブランド戦略研究所「Web Equity2006」より)


目的意識を明確に

一方、目的意識を明確にもったうえで新しいアプローチを試みるのは大いに結構なことである。

SNS的アプローチとして先駆けとなるサイトに、ヤマハが運営するMUSIC e-CLUBがある【2】。

【2】MUSIC e-CLUB(www.music-eclub.com/)
【2】MUSIC e-CLUB(www.music-eclub.com/


このサイトは、音楽を自分で投稿したり、他人が投稿した音楽を楽しんだり、音楽友達とコミュニケーションを楽しんだりする「プレイヤーズ王国」、インターネットでカラオケが楽しめる「バンカラホーダイ」、音楽レッスンを受ける「ネットでレッスン」、音楽のデータを購入する「音楽データショップ」などのサイトからなる。

多くのサービスは無料か、有料であっても非常に安い料金で利用することができる。製品販売のように有償のサービスもあるが、とてもそこからの収入だけで運営されているようには見えない。基本的にはヤマハが幅広い音楽ファンのためのサービスとして提供しているものといえる。

では、なぜ同社がこのようなことをするのか。その究極的な意義は、楽器を好きな人を増やすために同社が行っている活動の一環であると位置づけることで理解できる。楽器人口が増えれば、必然的にトップメーカーとしてのヤマハの市場が拡大することはまちがいない。


サイトの味付けとして活用

とはいえ、多くの一般企業でWeb2.0的なものをサイトの主目的に据えたアプローチはすぐには難しいのではないか。しかし、サイトのいわば味付けとして活用するのであれば、いろいろなことが試みられてもよい。

雑誌には読者の声があり、編集後記があるように、メインのコンテンツではないけれどユーザーと語り合う場が企業Webサイトのどこかにあってもよいだろうし、その手段としてブログというフォーマットを活用するのはけっして悪いことではない。

業界で話題のツールや手法に踊らされることなく、かといってやみくもに無視することもなく、ユーザーのメリットや自社の余裕を考えながらうまく付き合っていくのがよいだろう。


本記事は『Web STRATEGY』2006年11-12 vol.6からの転載です


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