バイラルクリエイター養成講座
エキスパート編 第1回 クリエイティブマインド
[プロフィール] バイラルエンジン●東京都出身。バイラルディレクター。オフライン・ソーシャルネットワーキング、完全紹介制の覆面クリエイターユニット「バイラルエンジン」代表。カンヌ国際広告賞、Eyeblaster Creative Awards、宣伝会議賞、東京インタラクティブ・アド・アワードなど受賞。世の中のムーブメントは、すべて人が仕掛けている。 |
バイラルしないCM
裏を返すと、バイラルしないようなつまらないCMが増えているにほかならない。その原因はいったいなんだろう。メディアが増大したこと? 規制に縛られて自由な表現がしにくいこと? 企業サイドの都合や顔色を伺ったような作品が増えていること? 突飛な表現をすると誇大広告として訴えられてしまうこと? さまざまな要因があるように語られているが、言い訳はどうでもいい。クリエイティブマインドの低下が背景にあるだけじゃないのだろうか。
クリエイティブパワー
バイラルの原動力となるのは、生活者の心をつかむ7つのツボある。これらのツボのあわせ技で、見事にバイラルを成功させているケーススタディーが増えている。
クリエイティブ・ボーダーレス
たとえば、ただ退屈なときは「退屈ならテレビでも見てれば?」、「退屈なら映画でも見に行けば?」なんて時代は終わった。あらゆるものに慣れすぎてしまい、飽き足らなくなっている。だから、昔だったらおもしろかったことも、今では驚きも少なくなっている。それよりも本当か嘘かわからない狭間のネタに、心をわくわくさせるのだ。
無条件に「いい!」「おもしろい!」と思えるものや、「マジで? それ本当?」と感じるものに踊り出す。心と感覚に響くことだったら、情報でも広告でもなんだっていい。欲しいのはネタだ。ネタが人を動かし、新たなコミュニケーションをつないでいく。コミュニケーションを連鎖させる実態はここにある。いまだに決まったメディア枠の中だけで広告を作ろうとしているクリエイターは気の毒だ。
バイラルクリエイティブは、バイラルCMに限ったことではない。大事なのはコミュニケーションをどう生むかだ。今のあらゆる広告に見失われがちになっているクリエイティブの魂にほかならない。だから、バイラルポスター、バイラルラジオ、バイラル雑誌、バイラルゲーム、バイラルカレンダーだってなんだっていい。クリエイティブは今、メディアに縛られないボーダーレスの方向へと動き始めている。