バイラルクリエイター養成講座
エキスパート編 第5回 バイラルクリエイター
解説:バイラルエンジン
[プロフィール] バイラルエンジン●東京都出身。バイラルディレクター。オフライン・ソーシャルネットワーキング、完全紹介制の覆面クリエイターユニット「バイラルエンジン」代表。カンヌ国際広告賞、Eyeblaster Creative Awards、宣伝会議賞、東京インタラクティブ・アド・アワードなど受賞。世の中のムーブメントは、すべて人が仕掛けている。 |
アドフェストの動向
数々の受賞作品の傾向から新たな時流を捉えると、その答えはひと言で言うなら「カンヌ的」。アジアでありながら、広告作法が欧米化した。「カンヌっぽい広告が、このアジアで高い評価を受けていいのか」「もっとアジアらしい広告を評価すべきじゃないか」などと嘆く諸氏もいた。賛否両論、意見はどうあれ、「広告の転換期」を迎えて大いに物議を呼んだ広告祭となった。
カンヌ的ってなんだ
アドフェスト2007で注目すべきはベンジャミン・パーマー氏が審査員を務めるを含むサイバーロータス部門である。今年、このバイラルカテゴリーで金賞を受賞したのは、PEPSI NEXのNEX GAME。「もはやこれが広告か、エンターテイメントかといった議論は不要で、審査員5人とも全員一致で決まった」という。重要なポイントは、「生活者と商品をつなぐ存在になること」。どうもここに、新たな広告のヒントがあるようだ。
ベンジャミン・パーマー氏自身、バーガーキングのサブサービエントチキンを制作した人物でもあり、バイラルクリエイティブを生み出している張本人でもある。現在、彼は、キャノン砲をつかったBriggs’ Beerのプロジェクトとして展開をスタートさせている。
YouTubeで「Beer Cannon」と検索すると、すでに多数の動画が現れる。ビール缶をキャノン砲から発射して、次々に標的を破壊するというものだ。交響曲「ウイリアムテル」を使用しているところが、映像の魅力を大いに引き出している。
バイラルクリエイティブの次なるヒント
ブランドが、一方的に伝えたいメッセージを伝えようとする手法はもう古い。そんなものは誰も見たくも聞きたくもない。生活者が見たいものを見せてあげればいいだけだ。実際の仕事で、おもしろい提案が難しい現実だってある。そういうときには、「OK、この仕事は退屈だ。どうやっておもしろく刺激的にしようか?」と聞くことにしている、という言葉で印象的な言葉は、「To Be Honest(正直になろう)」だ。バイラルクリエイティブの次なるヒントは、ここにある。つまらないものをお世辞でもおもしろい、なんて言ってはいけない。
バイラル講座は、今回で終了です。
次回の企画もお楽しみに!!