1.1 「リード/ライト」インターネットの世界 | デザインってオモシロイ -MdN Design Interactive-
【サイトリニューアル!】新サイトはこちらMdNについて


CGMから考えるWeb制作とコミュニケーション

1 CGM(消費者生成メディア)の隆盛

1.1 「リード/ライト」インターネットの世界

ブログやSNS(ソーシャル・ネットワーキング・サービス)への参加人口の急増で、何かと話題の多いCGM(消費者生成メディア)。メーカーや流通・サービスといった既存リアル企業も、まず、広告・プロモーションに使えるかな?と注目し、ようやくアプローチを始めましたね。

解説:加藤 智明(つくねパパ)


[プロフィール]かとう・ともあき● 株 式会社クリエイティブガレージ インタラクティブコミュニケーションプロデューサー 兼株式会社グロース・パートナーズIRコミュニケーションコンサルタント。市場調査会社でのR&D業 務経験を活かし、1999年よりWebマーケティング、ネットビジネス支援、Eコマースコンサルティングに携わる。プライベートでは、ペットのミニチュア ダックスフントを愛する「つくねパパ」としてblogging。

元来、民主的なインターネットの世界

日本で最初の民間(個人)によるWebサイト「富ヶ谷」が株式会社デジタルガレージの前身によりUPされたのが1994年。それから12年あまり、インターネット利用者数は加速度的に増え、eメールやWebページといった表現やコミュニケーションを載せるインターネットは、テレビ・ラジオ・新聞・雑誌につぐ第5のメディアと総称されるまでになりました。

企業が広告代理店を通じて出稿する広告の媒体費だけをみれば、インターネットは、ラジオはもとより雑誌をも抜く勢いを見せています。


振り返ってみると、この12年あまりのインターネット利用の歴史の前半は、ドットコム企業によるユーザー囲い込みや、リアル企業によるビジネスの効率化のための情報・サービス提供を、ユーザーが享受するだけといった使われ方が主役であったといえます。

確かに、オークションのような、そもそもリアルでも市民参加型であるビジネスモデルのWeb化の事例もみられはしましたが、それらさえもポータルサイトによるユーザー囲い込みの一環でしかなかった訳です。
eコマース、eマーケットプレイス、オンラインバンキングやトレーディング、ネットリサーチ、電子出版、電子掲示板等々、既存ビジネスやメディアのe化・ネット化の名称の山が、企業主導のインターネット活用であったことを物語っているともいえましょう。

元来インターネットは、企業や個人も分け隔てなくフラットに世界中とコミュニケーション&情報共有できる機能を備えた超民主的なものとして登場したのですが、現実には、企業主導の枠組みの中で育ってきたと考えられます。

「リード/ライト」インターネットを牽引するCGM

そんなインターネットの世界(Web)に、「オープン」「ソーシャル」「シェア(共有)」などの冠をつけられた新しい使い方が次々と登場し、Web2.0という言葉がもてはやされたのが2005年~2006年にかけて。オープンソース、オープンコンテント辞書、SNS、ソーシャルブックマーク、ソーシャルメディア、画像・動画共有サービスなど、皆さんもこの数年で耳にしたり経験するようになったことと思います。

この新しいWebの使い方が、それまで企業から提供される情報・サービスを享受することが中心の「リードオンリー」インターネットを、「リード/ライト」インターネットの世界に変えつつあります。そして、この「リード/ライト」インターネットの世界は、ユーザーの情報収集方法や購入プロセスを変え、集合知という新しい価値観を与えています。それに対応するよう、企業にはビジネスやコミュニケーションの「融合」「際くずし」とでもいえるような変革への対応を問いかけ、経済・文化にも影響を与えつつあるといえましょう。

満ち潮時の波のように寄せては返しを繰り返しながらも、着実に影響力を強めているこの「リード/ライト」インターネットの世界を牽引しているのが、広くユーザーに参加の間口を広げたコミュニケーションツール・サービス類であるCGM(消費者生成メディア)なのです。

リアル企業のWebサイト&コミュニケーションの方向性


さて今回、「CGMから考えるWeb制作とコミュニケーション」というテーマで連載の機会をいただきました。結論めいたものをまず提示させていただくと、私としては、「リード/ライト」インターネットでの、リアル企業のWebサイトやコミュニケーションのあり方は以下の図のように示せるものと考えています。
「リード/ライト」インターネットでのWebサイト&コミュニケーションのあり方
「リード/ライト」インターネットでのWebサイト&コミュニケーションのあり方
とかく、新しいWebビジネス(モデル)として、はたまた、企業のクチコミプロモーション・新しい広告プラットフォームとしてのCGM論が多い中、上図のような観点でCGM及びプラットフォームとしてのWebを追いかけ、リアル企業のWebサイト及びWebコミュニケーションのあり方とその管理運用の仕方まで、この連載では考察していきたいと考えています。よろしくお付き合いください。

次回をお楽しみに!!
twitter facebook このエントリーをはてなブックマークに追加 RSS
【サイトリニューアル!】新サイトはこちらMdNについて

この連載のすべての記事

アクセスランキング

8.30-9.5

MdN BOOKS|デザインの本

Pick upコンテンツ

現在