4.6 CGMをプラットフォームにした広告 | デザインってオモシロイ -MdN Design Interactive-
【サイトリニューアル!】新サイトはこちらMdNについて



CGMから考えるWeb制作とコミュニケーション

4 CGMをマーケティングに活かす

4.6 CGMをプラットフォームにした広告


クチコミプロモーション(販促)とともに、新しい広告手法・プラットフォームもCGMは生み出しました。コンバージョンに繋がりやすい効果的な広告としてリアル企業も受け入れはじめています。

解説:加藤 智明(つくねパパ)



[プロフィール]かとう・ともあき● 株 式会社クリエイティブガレージ インタラクティブコミュニケーションプロデューサー兼株式会社グロース・パートナーズIRコミュニケーションコンサルタント。市場調査会社での R&D業務経験を活かし、1999年よりWebマーケティング、ネットビジネス支援、Eコマースコンサルティングに携わる。プライベートでは、 ペットのミニチュア ダックスフントを愛する「つくねパパ」としてblogging。



好調なmixiの広告収入


2007年11月9日に、SNS「mixi」を運営する株式会社ミクシィの平成20年3月期 中間決算短信が発表になりました。

●2007年9月30日現在で会員数は、約1,190万人
●パソコン経由月間ページビューが約59億PV、携帯電話経由が約63億PV
● 広告効果の高いターゲティング広告やSNS機能を活用したタイアップ広告及びモバイル広告の販売が好調
出典:株式会社ミクシィ 『IR情報』 http://mixi.co.jp/ir/library.html

など、景気のよい話題が続き、その結果、当中間会計期間のmixi運営によるインターネットメディア事業の売上高は3,940,316千円(前年同期比207.4%増加)。その売上高のうち広告売上高は3,646,212千円(前年同期比225.4%増加)、プレミアム会員料金による売上高は294,103千円(前年同期比82.2%増加)との報告がなされています。

CGMの台頭により、クチコミを利用したプロモーションの途が拓けたとは言いながらも、企業は効率のよい広告出稿先として、CGMをプラットフォームにした広告に目を向けている証といえましょう。既存のマスメディアをプラットフォームとした広告市場が停滞している中、インターネット広告、なかでもリスティング広告やアフィリエイト及びmxiなどのCGMをプラットフォームにした広告への出稿は活況を呈しているようです。


CGMをプラットフォームにした広告


CGMを活用した広告の種類に関しては、本稿でも「2.3 広告メディア・広告主のロングテール化」で紹介しましたが、ここに再掲し、特徴をまとめておきましょう。


CGMを活用した「広告」
CGMを活用した「広告」
GMをプラットフォームにした広告の特徴としては、下記のような例があげられます。

● 無料のものも含め媒体料(掲載料)が安いものが多く、手間の部分を度外視すれば、リーチ効率がよい。(リーチの上限有)
● ユーザーのWeb行動(検索・アップロード・Web来訪)に対応し、ユーザーにマッチした広告を提示できることから、コンバージョン効率が高い。
● クチコミ誘発型など、クリエイティブ主体が企業ではない広告の存在

これらの特徴から、リーチ獲得重視のマス広告と連動させるなどしたクチコミ誘発をも目的としたクロスメディア広告戦術や、よりマッチング効果を高める目的での「行動ターゲティング」にCGMも活用するといった各種広告パッケージが販売されるようになっています。

大きなリーチ獲得を得意技としてきた既存メディア広告への出稿経験のある企業は、自社クリエイティブでの表現が可能でコンバージョン効率の高さに魅力が感じられる上図の右下の象限の広告や、自社システムでの展開が本来の形でありながらも手軽に利用できるASPとしてパッケージ化された、「アフィリエイト」や「ブログPR広告」などへのアプローチをはじめ、広告市場が形成されつつある状況といえましょう。



B to C to Cコミュニケーションの核としての企業サイトと広告出稿


このように市場を形成しつつあるCGMをプラットフォームにした広告ですが、現在のリアル企業の取り組みをみると、従来型のB to Cマーケティングコミュニケーションの枠内で考え、効率のよい広告媒体としての価値を認識し出稿に至っている例が多いようにも思えます。 ここで企業のWeb担当者に是非意識してもらいたいのは、「CGMをプラットフォームにした広告」の利用は、本格的B to C to Cマーケティングプロセス導入の一過程として位置づけてもらいたいということです。 下記に示すように、B to Cコミュニケーションの一媒体としてしか企業サイトをとらえない「リードオンリー」インターネット時代の価値観ではなく、B to C to Cコミュニケーションの中核として、企業サイトを育てていってもらいたいからです。



なにも、リアルビジネス企業サイトが全て、amazon.comのように多くのユーザーがリンクを与えてくれながら自主的に自社商品の販売代行をもしてくれるような仕組みを持たなければならない訳ではありませんし、マス広告への出稿を否定している訳でもありません。 「リード/ライト」インターネットの環境に即した、効率のよいB to C to Cマーケティングコミュニケーションの中核としての企業サイトを構築していくにあたり、その過程として、パッケージ化されたCGMをプラットフォームとした広告を活用してみるといった視点が、Web担当者には必要なのだと考えられます。


次回もお楽しみに!!

twitter facebook このエントリーをはてなブックマークに追加 RSS
【サイトリニューアル!】新サイトはこちらMdNについて

この連載のすべての記事

アクセスランキング

8.30-9.5

MdN BOOKS|デザインの本

Pick upコンテンツ

現在