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CGMから考えるWeb制作とコミュニケーション

4 CGMをマーケティングに活かす

4.4 アフィリエイトとドロップシッピング


「リードオンリー」インターネット(≒Web1.0)が、リアル企業の流通政策上大きな影響をもたらしたのは、Eコマース(オンラインショッピング)といえましょう。その上に「リード/ライト」インターネット(≒Web2.0)がもたらしたものが、アフィリエイトとドロップシッピングなのです。

解説:加藤 智明(つくねパパ)



[プロフィール]かとう・ともあき● 株 式会社クリエイティブガレージ インタラクティブコミュニケーションプロデューサー兼株式会社グロース・パートナーズIRコミュニケーションコンサルタント。市場調査会社での R&D業務経験を活かし、1999年よりWebマーケティング、ネットビジネス支援、Eコマースコンサルティングに携わる。プライベートでは、 ペットのミニチュア ダックスフントを愛する「つくねパパ」としてblogging。



不特定多数による販売代理システムの活用


2007年10月1日、NTTコミュニケーションズのアフィリエイトサービス『"My"アフィリエイト』がオープンしました。

"My"アフィリエイト ~NTTコミュニケーションズが提供するアフィリエイトプログラム

アフィリエイトといえば、Amazonアソシエイト・プログラムがあまりにも有名です。Amazonアソシエイト・プログラムのようなEコマース大手の独自プログラムによる展開ではなく、多くの中小のオンラインショッピング事業者にもサービスを提供しようとするASP(アフィリエイト・サービス・プロバイダー)事業に、大手通信会社が本格参入したということは、いよいよリアルビジネス企業にとって、クチコミ/CGMの威力が無視できない時代に突入した証ともいえるのではないでしょうか。

「リードオンリー」インターネット(≒Web1.0)は、Eコマースという形で、既存流通への効率化とメーカーへの直販チャネルの道を提供しました。それに伴い、CRM(カスタマー・リレーションシップ・マネジメント)といった顧客維持、購買履歴に基づく推奨などの新しいマーケティングアプローチにも脚光をあびせました。そこに、アマゾンアソシエイトは、「リード/ライト」インターネット(≒Web2.0)という言葉が存在していなかった時代から、ニッチ商品の多品種少量販売によっても大きな売り上げ、利益を得ることができるというロングテール現象を支える広告プログラムとして機能してきた訳です。

このロングテール(メディア)活用の広告プログラムであるアフィリエイトの考え方を進めた、ロングテール(ユーザー)による販売代行としての「ドロップシッピング」が昨今注目を集めています。ドロップシッピングとは、メーカーからみるとユーザーへの委託販売であり、ユーザー(ドロップシッパー)からみると、商品を仕入れること(在庫すること)なく、その商品を自分のサイト名義で、自由に売れるシステムです。

ドロップシッピングのしくみ(例)
ドロップシッピングのしくみ(例)

このように、「リード/ライト」インターネットがもたらしつつある"流通革命"は、単に既存ビジネスの効率化とか新規参入機会の間口を広げるということではなく、不特定多数のユーザー参加による販売代理システムの活用であったといえましょう。

既存メーカーからすると、単に、広告手法や流通の枠の選択肢が増えたというようにみることもできるかもしれません、また、ニッチ商品開発の道を広げたとも考えられますが、同時にロングテール現象においても企業を維持できる体制を整えなければならないといった観点が、まさに「革命」ともいえる所以なのです。




アフィリエイトをどのように導入すべきか?


オンラインショップがアフィリエイトプログラムを開始する際、選択肢は2つあります。ひとつはアマゾンやケンコーコムのように自社専用システムを開発して独自のアフィリエイトプログラムを展開する方法、もうひとつは、先ほどのNTTコミュニケーションズの"My"アフィリエイトやValueCommerce、LinkShareといったASP(アフィリエイト・サービス・プロバイダー)が運営するアフィリエイト・ネットワークに参加する方法です。

自社でアフィリエイトのシステムを開発しようとすれば、時間もコストもかかります。ただ、多くのブログから(ASPを通さず)直接リンクを張ってもらうことになることからオンラインショップのページランクが上りやすく、商品名とページの検索エンジンによる紐付けも促進され、SEO(検索エンジン最適化)に有効と考えられます。また、ASPに対して支払うコストがない分、アフィリエイター向けのコミッションを高めに設定することができるのもメリットとなります。

10年ほど前には、Eコマースを立ち上げるのには一千万円をこえるシステム投資と運用体制が必要でしたが、現在では、モジュール化されたEコマースエンジンやオンラインショッピングシステムのASP(アプリケーション・サービス・プロバイダー)もたくさん登場し、個人レベルの店長もたくさん輩出されるようになりました。

アフィリエイトやドロップシッピングの独自システム展開も、ハードルが低くなる可能性は大といえます。

メーカー・問屋・小売それぞれが、ユーザーの販売支援を受けながら拡販する時代がやってくるということでしょうか?はたまた、メーカーの社員個々が販売代行をも務める時代もくるのでしょうか?

極端な推測をしてみましたが、折角構築したメーカーのブランドサイトでの物販事業も、数年先にはそのあり方をガラット変えなければならなくなる業種も多いのではないでしょうか。



次回もお楽しみに!!
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