6.1 CGM時代のWebブランディング | デザインってオモシロイ -MdN Design Interactive-
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CGMから考えるWeb制作とコミュニケーション

6 企業のWebサイトの管理・運用のあり方

6.1 CGM時代のWebブランディング

5章では、CGM・ソーシャルメディアの隆盛がもたらした「企業のコミュニケーション管理」への影響をみてきました。6章では、その影響下での企業サイトの管理・運用のあり方を何回かに分けて考えてみたいと思います。

解説:加藤 智明(つくねパパ)



[プロフィール]かとう・ともあき● 株 式会社クリエイティブガレージ インタラクティブコミュニケーションプロデューサー兼株式会社グロース・パートナーズIRコミュニケーションコンサルタント。市場調査会社での R&D業務経験を活かし、1999年よりWebマーケティング、ネットビジネス支援、Eコマースコンサルティングに携わる。プライベートでは、 ペットのミニチュア ダックスフントを愛する「つくねパパ」としてblogging。



一元管理すべき、コミュニケーション接点の広がり


CGMやソーシャルメディアというと、とかく、新しいWebビジネス(モデル)として注目されたり、はたまた、企業のクチコミプロモーション施策・新しい広告プラットフォームとして語られることが多い中、本稿ではそれだけにとどまらず、生活者のメディア接触や情報収集方法・購入プロセスなどを変え、集合知という新しい価値観を与えつつある「リード/ライト」インターネットの世界を見据え、企業のコミュニケーションのあり方・企業サイトのあり方を見てきたつもりです。

「4章.CGMをマーケティングに活かす」では、企業のコミュニケーション活動のうち最もCGM活用が進みやすいと考えられるマーケティングにおける考察とあわせ、CGMをプラットフォームにした広告と企業サイトのあり方にも言及しました。

4.6 CGMをプラットフォームにした広告

その中で・・・
企業のWeb担当者に是非意識してもらいたいのは、B to C(広告)コミュニケーションの一媒体としてしか企業サイトをとらえない「リードオンリー」インターネット時代の価値観ではなく、B to C to Cコミュニケーションの中核として、企業サイトを育てていってもらいたい・・・と書かせていただきました。

そして、「5章.話題性・評判を『目標』としたコミュニケーション管理」では、PR・IRなどもマーケティングと連携させた、コーポレート・コミュニケーション統合・管理に言及し、その中で・・・
コミュニケーション戦術・施策としてではなく、コーポレート・コミュニケーション"戦略"として「バズ・ブランディング」を位置づけるということになると、企業広報・PR部門、IR、マーケティング、人事部門等が連携した、または統括された組織によるバズ・プランニング(話題発生を目的としたコミュニケーション計画)が必要となります・・・とまとめさせていただきました。

5.6 バズ・マーケティングからバズ・ブランディングへ

確かにCGMの隆盛は、企業に投資効率の高い広告サービスを提供しました。
このような広告枠の選択肢の拡大は、一見、企業に省力化・低予算でのコミュニケーションの実現ツールをもたらしてくれているようではありますが、それはイノベーターだけが得られる甘い汁であって、これからのコーポレート・コミュニケーション競争を勝ち抜いていくためには、既存のコミュニケーション関連組織が連携して、以下のように膨大に拡がっていくコミュニケーション接点を、運用型で管理していくことが求められているのだと考えられます。

一元管理すべき、コミュニケーション接点の拡がり(例)
一元管理すべき、コミュニケーション接点の拡がり(例)

B to C to Cコミュニケーションの中核としての企業サイト


このようにみてくると、「CGM時代のWebブランディング」とは、「リード/ライトインターネット時代のB to C to Cコミュニケーションを極めること」とも言い換えられる状況と言えるのではないでしょうか?

本稿では、再三、以下の図を提示してきました。


「リード/ライト」インターネットでのWebサイト&コミュニケーション管理の視点
「リード/ライト」インターネットでのWebサイト&コミュニケーション管理の視点
「リード/ライトインターネット時代のB to C to Cコミュニケーション」を実現していく中核としての企業サイトには、コンテンツやユーザビリティ・デザインとった自社サイト内要因によるコミュニケーション成果獲得を目指すだけでなく、プラットフォームとしてのWeb全体で良質な経験を提供していく視点が必要となります。

そして、その効果的コミュニケーション実現のためには、既存のコミュニケーション部門を越えた組織で、運用型の管理を実施しコミュニケーションプランニングに日々活かしていくことが求められるのでしょう。


次回もお楽しみに!!

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