
CGMから考えるWeb制作とコミュニケーション
2 CGMがもたらすリアルビジネスへの影響
2.4 購入プロセスの変化
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[プロフィール]かとう・ともあき● 株 式会社クリエイティブガレージ インタラクティブコミュニケーションプロデューサー兼株式会社グロース・パートナーズIRコミュニケーションコンサルタント。市場調査会社での R&D業務経験を活かし、1999年よりWebマーケティング、ネットビジネス支援、Eコマースコンサルティングに携わる。プライベートでは、 ペットのミニチュア ダックスフントを愛する「つくねパパ」としてblogging。 |
AIDMA一辺倒の広告・プロモーションでは売れにくい
このAIDMAは、「Attention(認知する)」「Interest(興味を持つ)」「Desire(欲求を持つ)」「Memory(記憶する)」「Action(購入する)」という一連の顧客の購入にいたるプロセスの頭文字をとったものです。
このAIDMAの考え方の下敷きになっているのは、消費者を購買にいたらせる情報環境は企業側のコントロール下にあるものであり、企業が発信する「こう見られたい像」をいかに多くの消費者に提供し、魅力を感じさせ、その像を記憶させることが購買誘発に効果的であるといったものだといえましょう。
ところが、CGMが登場してからは、AIDMAだけでは説明しきれない購入プロセスが増加し、「AISAS(アイサス)」や「AIDEES(アイデス)」「AISCEAS(アイセアス)」といった新しく考え方が注目されるようになってきました。
【購買行動モデルの例】

これらの考え方では、商品流通の原動力を握っているのは顧客であって、その顧客の心を動かすことができれば、顧客自身がモノや情報の流れを無償で、自発的に加速させてくれるという捉え方をしています。
広告・プロモーション展開にあたっても、口コミ(特にWeb上のクチコミ)発生を目的にすることが、販売効率を高めるといった考え方が登場したのです。
上記のような考え方を受けて、アフィリエイトやブログPR広告、はたまたクチコミを活用しながらプロモーションも展開できる商品開発プロセスなど、さまざまな「CGMマーケティング」手法が、それこそ「広告」されているのが実状なのですが、ここで気をつけなければならないことを何点かあげておきましょう。
● 従来の広告による情報刺激で、AIDMAプロセスで購入にいたる消費者は、依然メジャー層として顕在している。
● 「Share(体験を共有)」される評価(レビュー)情報は、本来的なユーザーから発生されたものこそが説得力がある。
● 「Share(体験を共有)」される評価(レビュー)情報は、キャンペーン内容や広告表現ではなく、商品・サービス本体に関するものが購買促進に結びつきやすい。
「従来の広告投下だけでは売れなくなった」「本質的によいものは、広告をしなくても売れる」といったキーフレーズから、とかく、広告不要論・CM崩壊論に陥りやすい環境となってはいますが、決してそのようなことではなく、複数のメディアに役割分担を負わせる「クロスメディア戦略」や、そもそもクチコミ(発生)の素をプランニングしてから従来型広告を投下する「PR(パブリシティ)と広告の融合策」など、さまざまなアプローチにより、商品・サービスごとの最適化への模索が続いているといったところなのです
Web担当者は、購入プロセスの変化にどう取り組むべき?
まず、Webサイトを「広告コミュニケーションの一部」と位置づける場合には、Webサイトが、「Attention(認知する)」や「Interest(興味を持つ)」など、消費者がのぼる購入プロセスのどの階段の役割を果たすのか、他のメディアでの広告との連携を図ることが大切となります。
各種メディアでの広告により、同じ訴求内容のリーチをかせぐメディアミックスの考え方での展開よりも、Webサイトならではの計測できるコンバージョン目標を設定し、クロスメディア戦略の核としてWebサイトを位置づけることが、Webサイトの機能を存分に発揮することにつながることでしょう。
その場合のコンバージョン目標が、「トラフィック数」「クチコミ発生」「キャンペーン応募者数」「Actionそのもの」なのか、消費者がのぼる階段のどの部分で活躍するのかを明確にしたいものです。
また、広告ではなく、インタラクティブな顧客接点・コミュニケーションツールとしてWebサイトを位置付ければ、「購買の場」「商品開発の場」「クチコミ発生の起点」「顧客囲い込みの場」など、さまざまな機能をWebサイトは発揮することが可能です。
CGMの登場により、購買プロセスそのものが変化しているこの時代に、Webサイトならではの活躍の場を、Web担当者には是非発揮させてもらいたいものです。




