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CGMから考えるWeb制作とコミュニケーション

4 CGMをマーケティングに活かす

4.2 CGMを活かした商品開発


CGMを活用したマーケティングというと、クチコミマーケティングなど、プロモーション系の業務をイメージされる方が多いと思います。商品開発にCGMを活かすのはまだ先といった考えもあろうかと思いますが、主に消費財市場においては「仮説構築」ステップなどからCGM分析データを活用できそうです。

解説:加藤 智明(つくねパパ)



[プロフィール]かとう・ともあき● 株 式会社クリエイティブガレージ インタラクティブコミュニケーションプロデューサー兼株式会社グロース・パートナーズIRコミュニケーションコンサルタント。市場調査会社での R&D業務経験を活かし、1999年よりWebマーケティング、ネットビジネス支援、Eコマースコンサルティングに携わる。プライベートでは、 ペットのミニチュア ダックスフントを愛する「つくねパパ」としてblogging。



マドンナがレコード産業をすてた!?


米人気歌手マドンナが、デビュー以来所属してきたレコード会社であるワーナー・ミュージックから移籍し、ロサンゼルスを拠点とするコンサートプロモーション会社であるライブ・ネーション社と契約を結んだというニュースが、2007年10月に飛び交っています。

マドンナ自身にしてみれば、CD等のレコードの売上げからを主たる収益とするビジネスモデルからの脱却と考えられ、マドンナのような世界的な歌手にとっても、デジタルダウンロードとP2P音楽共有の時代に、特に米国においては、もはやレコード会社の必要性が低下していることを物語っているといえましょう。

米国の音楽業界のようにそのビジネスモデルそのものが、「共有型経済(シェアリングエコノミー)」により大きく変化している業界はもとより、CGMやソーシャルメディアの台頭が、直接企業の商品開発やプロモーションのあり方に大きな影響を与えています。業界としては、ソフトウェア・SI企業、マスコミ・メディア・コンテンツ産業などがあげられましょう。「オープンソース」という無償の有志により構築されたプログラムのシステム構築への適応や、市民参加のジャーナリズム、ブロガー執筆による出版など、いわゆるアマチュア革命ともよばれる現象が顕在化しています。

これら、ビジネスモデルそのものや商品・サービスのあり方に大きな影響を与えている業界ではなく、既存プラットフォームを利用して商品流通を行なっているメーカーに代表されるリアルビジネスブランド企業にとって、CGMやソーシャルメディアの台頭がもたらす「リード/ライト」インターネットは、商品・サービス開発のあり方に、どのような変化・選択肢をもたらすのでしょうか?



まずは「仮説構築」ステップから


本稿では、前々回の「3.4企業によるコミュニティ運営」の章で、リアルビジネス企業による消費者参加型商品開発ともいえる事例をいくつか紹介いたしました。ただし、そこであげられた商品開発の事例は、商品開発ステップの短縮化とプロモーション効果も期待した試用の域を脱しておらず、リアルビジネス企業の全商品の開発が、コミュニティやCGMプラットフォームを活用して行なわれるようにはなっていません。

また、前回の「4.1乱立する"Webマーケティング"」の章で規定したように、マーケティングとは、広告やプロモーション(販売促進活動)だけを指すものでなく、顧客に向けて「価値」を創造しそれを伝達・提供したり、顧客との関係性を構築したりするためものです。マーケティングが企業内の機能及びその一連のプロセスであるとした場合に、リアルビジネス企業は、商品開発や生産・流通計画立案のための需要予測にあたり、CGMから得られる情報をどのように「意思決定のためのデフォルト情報」として当てはめていけるのでしょうか?

現在、(プロモーションのためではなく)商品開発にも寄与するためのCGMデータの分析サービスとしては、以下のようなものがあげられます。

●Googleトレンドや各種検索ポータルが提供する「検索ワード」の集計サービス

●テクノラティやkizasiなどのブログ検索エンジンや、既存の市場調査会社などによる、ブログエントリー分析サービス・評判分析サービス

●「価格.comダイジェスト」(ヤフーバリューインサイト)のような、CGM上での掲示板書き込み内容や、ユーザーの既存製品購買に向けての比較分析状況の集計分析サービス

価格.comダイジェスト │ ヤフーバリューインサイト株式会社
これらCGMのトラフィックデータの集計結果やブログエントリー内容のテキストマイニング結果を活用しているメーカー等も徐々に増えてはきていますが、それでも、マーケティングプロセスにおいて、今まで展開してきたアンケート調査などのいわゆる定量市場調査などの代替にするまでに至ってはいないといったところが実情でしょう。

それでは、現状のCGM分析データは、リアルビジネス企業のマーケティングプロセス・商品開発において、どのように活用できるのでしょうか?

それは、まずは「仮説構築」ステップからといえましょう。

ヒットを狙って綿密なプランを練り上げるうえでは、マーケティング担当者は、従来からグループインタビューに代表される定性調査や、新聞・雑誌記事などからのデスクリサーチ、タウンウォッチング等の取材ものなどを実施しています。これらの「仮説構築」ステップでの「デフォルト情報」として、CGM分析データを代替活用していくことが、CGMを活かした商品開発の入り口として考えられるのではないでしょうか?

次回は、そういった場合のマーケティング担当者の仕事術について、考えてみたいと思います。




次回もお楽しみに!!
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