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CGMから考えるWeb制作とコミュニケーション

1 CGM(消費者生成メディア)の隆盛

1.7 CGMの新しい動き

いままで、日本でメジャーとなったWebサービス・ツールとしてのCGMやソーシャルメディアの動きをみてきました。これらのサービスやツール個々は、いつまでメジャーでありつづけるか?栄枯盛衰は激しいものと思います。ただ、Webにユーザーがアップロードし共有する情報量は増え続け、また、共有する内容は、ますます広範囲なっていくことだけは確かでしょう。

解説:加藤 智明(つくねパパ)



[プロフィール]かとう・ともあき● 株 式会社クリエイティブガレージ インタラクティブコミュニケーションプロデューサー兼株式会社グロース・パートナーズIRコミュニケーションコンサルタント。市場調査会社での R&D業務経験を活かし、1999年よりWebマーケティング、ネットビジネス支援、Eコマースコンサルティングに携わる。プライベートでは、 ペットのミニチュア ダックスフントを愛する「つくねパパ」としてblogging。


Webの評価基準にも大きな変化が

この連載執筆のお話をいただいた2007年5月の時点で、当章「CGMの新しい動き」の章立てはしたわけですが、その時に考えていた内容と、2007年7月の今、書こうとしている内容が、あまりに違っていることに自分でも驚いてしまします。それだけ、CGM及びソーシャルメディアを取り巻く環境は、激変ということなのでしょう。

コンバージョン率の向上や直帰率の低下を目標にした「LPO(ランディングページ最適化)」といったサイトづくり・ページづくりの手法について、前回述べさせていただきました。そのこととも大きく関わることなのですが、先日、米 Nielsen//NetRatings が、サイトの価値を推し量る指標として、「総滞在時間」を最良の指標と位置づけると発表しました。

ページビュー数によるWebサイト評価の見直し機運を高めたものの中には、YouTubeなどのFlashを使った動画共有サイトの存在や、ブログなどによる更新通知(RSS等のフィード)などもあげられるわけで、CGMから考えるWebとコミュニケーションの価値を考えるにあたっては、この指標の位置づけの変化は、まさに象徴的なできごとといえるのではないでしょうか。

デバイスの多様化

Nielsen//NetRatingsのサイト価値の測定方法は、サンプルとして設定された家庭などのPCが閲覧しているサイトの状況を基にしているわけですが、mixiなどのSNSやブログ更新・閲覧などは、携帯電話(モバイル)からによるものも無視できない量となっていますし、また、無料ゲームサービスを核に携帯電話(モバイル)専用の大規模SNSを構築しているモバゲータウンの隆盛などを考えると、特に日本では、CGMの隆盛が、企業のWebコミュニケーションにあたって、PC以外のデバイスへの対応吟味の必要をも迫っていると言わざるを得ません。

また、昨年発売されたゲーム機Wiiは、ネット接続の簡便さや操作性の簡便さも手伝って、「Wiiポータル」といったWebサイトを続々と生み出しています。「はてな」が提供している、YouTubeの人気動画をテレビのように見られる動画サービス「Rimo」(リィモ)などは、まるでテレビのリモコンでチャンネル操作する感覚で、インターネット経由の動画を楽しむことのできるインターフェイスを提供し、最近ではその動画に対するユーザーからのコメント表示などの機能も追加しています。

ついに日本語化された「セカンドライフ」


全世界で800万人以上が利用している、ネット上の3D仮想世界「セカンドライフ(Second Life)」は、仮想世界の中を、自分の分身「アバター」が動き回り、他ユーザーとコミュニケーションや買い物、ゲームなどを楽しめる米リンデンラボ社のサービスです。

この「セカンドライフ」に関しては、昨年来、日本語版がいつでるかと話題になっていましたが、ようやく7月13日に、操作表記が日本語になる無償ソフトのダウンロードサイトが公開されました。

「セカンドライフ」に関しては、CGMやソーシャルメディアと位置づけることには異論もあることと思いますが、操作表記の日本語化により、日本人利用者の増加に弾みがつくと考えられます。

日本の企業・団体の中には、すでに「セカンドライフ」の中に「拠点」を構えているところもみられ、ブランドコミュニケーションの新しい試みが始まっているといえましょう。

Second Life: あなたの世界。 あなたの想像力。
Second Life: あなたの世界。 あなたの想像力

SNSやブログの新しい動向


既存のSNSも黙ってはいません。MySpaceにつぎ参加人口で第二位のSNS「フェイスブック (facebook)」では、誰でもそのSNS上に好きなソフトを組み込んで、動作させてよいとする「開放路線」を5月末に宣言しました。

この流れは、SNSをOSに代わるプラットフォームに仕立て上げようとするものいえましょう。mixiなどからも、API公開の意向などの発言が見られるようになってきており、今後は、人的なつながりを共有するSNSが、「セカンドライフ」のような仮想世界の構築やウェブOS推進といった、新たな形で共有の文化を育んでいくことも予想されます。

また、「トゥイッター(Twitter)」に代表されるミニブログの動向にも目が離せません。「トゥイッター(Twitter)」とは、What are you doing?(今、何しているの?)で繋がるコミュニケーションサイトで、friendに登録した人の「今していること」をインスタントメッセンジャーなどを通じて共有できるサービスです。

これらのサービスも今後、さまざまなWebサービスとマッシュアップされたりといった形で、また新たなサービスを生んでいくといった面で、おおいに注目されているのです。

次回もお楽しみに!!

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