携帯性の高いノートコンピュータ
ワイヤレス時代に照準を合わせた極薄ノートMac
MacBook Air
アップルコンピュータ
半歩先を行く"Less is More"の発想
価格(ベースモデルで229,800円)的には両者の中間に位置するが、序列としての中堅モデルという位置づけではなく、モバイルユースを念頭に企画された新発想マシンと捉えるべきだ。
特徴としては、光学ドライブを内蔵せず、ワイヤレス環境での使用を前提にI/Oポートも最小限に抑えることで実現した超薄型(4~19.4mm)ボディ。MacBookと同等の幅と奥行き(325×227mm)を持ち13.3インチLEDバックライト液晶とフルサイズキーボードを内蔵することで、使用時の快適性を重視したパッケージング。ワイヤレス使用時で公称5時間を実現したバッテリー駆動時間。ラッチレスのディスプレイカバー、バックライトキーボード、MagSafe電源コネクタなど、こだわりの仕様でまとめた外装デザインなどが挙げられる。
デモ機は筆者の私物でもあるCore2Duo 1.6GHz/80GBのベースモデル。1.8GHz CPUも36,800円増しでBTOでき、同CPUと64GBのフラッシュメモリドライブ(SSD)を搭載する上位モデル(388,400円)もあるが、処理速度やバッテリー駆動時間にはほとんど変化がないため、実用上はベースモデルで十分と言える。

初代MacBook Pro並みの基本性能
すでにテレビCMなどでも、その薄さが話題となっているが、実物を見た周囲の人は、想像以上に薄いと感じるようだ。その理由は、4ミリ厚のエッジ部分(ディスプレイカバーのエッジ1ミリ+本体とのクリアランス1ミリ+本体のエッジ2ミリ)を強調して、底からせり上がる面を視線から隠した巧妙なデザインにある。
初代iMacや初代iBookがデザインテーマとして持っていた「浮遊感」も盛り込まれ、まるで1枚の薄い板として存在しているかのように錯覚するためだ。
また、同じアルミ製でもMacBook Proではパネルの突き合わせ部分には樹脂が使われているが、MacBook Airでは継ぎ目自体をほとんどなくすと共に、金属同士を突き合わせる難易度の高いデザインに挑戦しており、その仕上げは歴代ノートMacの中でも最高水準にある。MacBookやMacBook Proで指摘されている携帯時のキートップとスクリーン面の接触による画面の汚れも、クッション性のあるのスペーサーをディスプレイカバー全周に巡らすことで解決を見たようだ。
ちなみに、キーボードは薄型でもしっかりしたキータッチを持ち、快適なタイピングが可能である。
FireWireやEthernetを割愛し、イヤフォンジャックとUSB 2.0、独自のmicroDVIのみに留めたI/Oポート類、そして光学ドライブを内蔵しない仕様には賛否両論ある。もちろん、用途によっては不満が生じると思われるが、そのためにAir以外の2機種も併売されているわけであり、だからこそMacBook Airはワイヤレスに特化した明確なビジョンを具現化できたと捉えるべきと言える。
性能的には、Xbenchによる比較で、指標となっているPower Mac G5 2.0GHzデュアルに対して、CPU性能ではほぼ8割のパフォーマンスを発揮し、グラフィックやメモリ、ストレージを含むトータル値では、約半分のスコアを示した。これには、MacBook Airのグラフィックチップが内蔵のインテル製GMA X3100であることが大きく影響しており、CineBenchも併用して比べてみると、特にOpenGL系の3次元描画ではグラフィックカード使用機に比べて10~60%程度の性能しか出ていないことがわかった。
それでも、Xbenchのトータルスコアは初代MacBook Pro 15インチ(CoreDuo 2GHz)と同等かそれ以上の値であり、心配された1.8インチドライブ採用によるアクセス速度の低下も杞憂に終わった。
結論として、MacBook Airは、現行MacBook Proの代用となるようなグラフィックパワーやストレージは持ち合わせていないものの、日常遣いでは十分な処理能力を持ち、発熱量やバッテリー駆動時間とのバランスもちょうど良い着地点を見いだしている。
ただし、日本のワイヤレス環境の実情では、無線LANがユビキタスに存在するというよりもスポット的に点在している状況なので、念のためUSB→Ethernetアダプタは購入した。Time Capsuleと外付けSuperDriveは原稿執筆の時点では未発売だが、前者は導入予定、後者はしばらく様子を見るつもりである。
実際にどの周辺アクセサリが必要となるかはユーザーそれぞれの利用方法と周辺環境次第だが、MacBook Airの購入を考えている人には、その部分も含めて多少余裕を持って予算を組むことをお薦めしたい。

(大谷和利)
■おもなスペック
CPU:8コア:2.8GHz、3.0GHzまたは3.2GHzクアッドコアIntel Xeon 5400シリーズプロセッサ2基/メモリ:800MHz DDR2 ECC FB-DIMM (最大32GB)/グラフィック:ダブルワイド16レーンPCI Express 2.0グラフィックスロット(最大4枚装着可能)/ディスプレイ:デジタル解像度(最大2,560×1,600ピクセル)、アナログ解像度(最大 2,048×1,536ピクセル)/ハードドライブ:最大4台、最大容量は4TB。RAID対応/光学ドライブ2層記録対応の16倍速 SuperDrive(DVD±R DL/DVD±RW/CD-RW) /サイズ:高さ: 51.1cm、幅:20.6cm、奥行き: 47.5cm/重量:19.2kg
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