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デジタルカメラ

フルサイズ2,450万画素を搭載するニコンの最上位モデル

D3X

ニコン

有効2,450万画素のフルサイズCMOSを搭載したニコンのフラッグシップ機「D3X」が登場した。従来のフラッグシップ「D3」のボディをベースにしつつ、画素数を倍増させることで大判のポスター制作にも耐える圧倒的な精細感を実現。商品や風景、ファッションなどの分野で活躍する本格プロ仕様機だ。


ニコン「D3X」

新開発センサーによる精細感と広階調


ニコンのフルサイズ機といえば、2007年末に発売した上級機「D3」と2008年発売の中級「D700」の2台がこれまでに高い評価を得ている。ただし両機とも、有効1,210万画素という画素数の少なさが、ライバルのキヤノンに差を付けられていた。もちろん画質は画素数だけでは決まらないし、2台ともA3印刷にも適う精細感はある。

とはいえ、広告やファッション、風景写真の分野では、さらに精細な表現が求められるケースもあるだろう。そんなプロユースにとって待望の製品が、画素数をほぼ2倍にアップした2,450万画素機「D3X」だ。ボディの実勢価格は80万円前後で、アマチュアユーザーが気軽に手を出せる価格ではないが、さらに数倍以上も高価な中判デジカメに匹敵する高画質を得られることが大きな魅力になる。

D3Xの主要な装備や機能、デザイン、操作性は従来機D3を踏襲している。まずはD3との違いとなる部分をチェックしていこう。撮像素子に新採用したのは、画面サイズ35.9×24mmの2,450万画素CMOSセンサーだ。一般的に、センサーサイズを変えずに画素数を増やすと高感度や階調再現に弱くなるが、画素特性の最適化を図り、取り込める光量を十分に確保することで、高S/Nと広ダイナミックレンジを実現したという。

実際にD3Xの高感度画質を見た印象は、D3の圧倒的な低ノイズには及ばないとはいえ、ノイズリダクション機能をオンにすればISO1,600くらいまでは十分に実用域だと思える。ただし選択可能な最高感度はD3のISO6,400(増感設定でISO25,600)から、D3XではISO1,600(増感設定でISO6,400)と2段分低下している。

逆に低感度側には広がり、選択可能な最低感度はD3のISO200(減感設定でISO100)から、D3XではISO100(減感設定でISO50)となった。大型ストロボによる撮影では、ISO200では不自由な場合があるので、ISO100やISO50への対応はスタジオ用途にとっては、ありがたいポイントといえるだろう。

肝心の画質の精細感については、文句のないレベルだ。遠景のディテールや被写体の素材感が克明に再現され、PCのディスプレイ上で等倍表示しても、A3ノビサイズで印刷しても、ハッとするような描写のきめ細かさが感じられる。写真の使用目的によっては、これほどの精細感が必要でない場合もあるとはいえ、単純に撮る側の満足感という意味では、一度この描写を味わうと、これ以下の画素数のカメラにはもどれないと思ってしまうくらいだ。

ちなみに本機に限った話ではないが、2,000万画素オーバーのカメラでは、レンズの光学性能の良し悪しが画質にはっきりと反映するので、使用するレンズ選択が重要になる。今回試用した標準ズーム「AF-S NIKKOR 24-70mm F2.8G ED」は、デジタル向けの新設計と独自のナノクリスタルコートを採用した高級レンズで、D3Xとの相性はいい。また単焦点レンズ「Ai AF NIKKOR 50mm F1.8D」は、設計が古く、非常に安価な軽量なレンズだが、周辺分以外はまずまず優秀な写りといえる。

残念なのは、D3と同じくセンサークリーニング機構の採用が見送られたこと。D700などの中級以下の製品には搭載されているのに、最上位機での非搭載はとても残念だ。掲載した作例の中にも一部ゴミが写り込んでしまったカットがある。レンズ交換の際に気を付けたることはもちろん、こまめに手動で清掃するなどの配慮が必要だろう。

接合部にシーリング処理を施した防塵防滴構造のマグネシウム合金ボディを採用
接合部にシーリング処理を施した防塵防滴構造のマグネシウム合金ボディを採用

側面にUSB、DC入力、AV、HDMIの各端子を装備。電源は専用リチウムイオン充電池
側面にUSB、DC入力、AV、HDMIの各端子を装備。電源は専用リチウムイオン充電池

木や金網の素材感を的確に再現し、背景はきれいにぼけた。「AF-S NIKKOR 24-70mm F2.8G ED」を使用
木や金網の素材感を的確に再現し、背景はきれいにぼけた。「AF-S NIKKOR 24-70mm F2.8G ED」を使用

 

感度ISO1000を選んだが気になるノイズはなく、シャープな描写になった。「Ai AF NIKKOR 50mm F1.8D」を使用

感度ISO1000を選んだが気になるノイズはなく、シャープな描写になった。「Ai AF NIKKOR 50mm F1.8D」を使用




快適なレスポンスと自由なカスタマイズ性


D3から高画素化した分、連写のスピードはやや低下した。高速連写での最高速度は、「FXフォーマット」によるフル画素使用時で秒間5コマ。撮像範囲を24×16mmに限定する「DXフォーマット」使用時は秒間7コマとなる。

といっても、特に動作が遅いという印象は受けない。起動時間0.12秒やレリーズタイムラグ0.04秒などはD3と同じで、軽快なレリーズ感やAFスピードは使っていて気持ちがいい。また、RAW記録でも20コマ以上続けて連写できるので、一般的な撮影ならカードの書き込みにストレスを感じることはないだろう。

ボディのサイズとデザインは、D3とほとんど同じで、ロゴの文字を隠せば見分けが付かないくらいだ。重量は、内部回路の一部を変更したことで、D3よりも20g軽い1,220gとなった。外装は防塵防滴仕様のマグネシウム合金で、手に取るとずっしりした重さと剛性感の高さを感じる。

光学系もD3と同等のもので、倍率0.7倍、視野率100%のペンタプリズムを採用。液晶は、3型約92万ドットの低温ポリシリコンTFTで、暗所でも明所でも良好な視認性を持つ。ライブビュー撮影時は、スピーディな位相差検出AFが働く「手持ち撮影モード」と、AF測距点を画面内の好きな位置に動かせるコントラストAFが機能する「三脚撮影モード」の2方式を選べる。

そのほか主な機能としては、撮影時の画像処理によって白とびや黒つぶれを抑える「アクティブD-ライティング」や、レンズの周辺光量低下を補正する「ヴィネットコントロール」、被写体の動きに応じてAFが自動的に追尾する「3D-トラッキング」、レンズごとに登録できるAF微調整、カメラの傾きを知らせるデジタル水準器などに対応する。

これらの満載する機能や装備は、メニュー画面から細かく設定でき、ボタンへの割り当てなどの操作性も変更できる。もちろん感度やホワイトバランスなどの主要設定については、専用ボタンによるダイレクト操作が可能だ。

中級以上のユーザーなら、カメラを購入しても取扱説明書をほとんど読まない人は多いと思う。だがD3Xの場合は、付属する450ページのマニュアルに一通り目を通したほうがいいだろう。画質の傾向や撮影機能の詳細をカスタマイズし、自分にとって使いやすい状態に設定することが、D3Xの多機能と高画質をフルに生かすポイントといっていい。


UDMA対応のCFカードスロットを2つ装備し、JPEGとRAWを別々のカードに記録することもできる
UDMA対応のCFカードスロットを2つ装備し、JPEGとRAWを別々のカードに記録することもできる

 

操作系はD3と同じで、カスタムメニューからボタンの割り当てなどを細かく変更できる

操作系はD3と同じで、カスタムメニューからボタンの割り当てなどを細かく変更できる

 

ピクチャーコントロールを「ビビッド」にして青空の鮮やかさを強調。レンズは「AF-S NIKKOR 24-70mm F2.8G ED

フルサイズは、APS-Cサイズに比べて同じ画角での焦点距離が長くなるため、背景をぼかした撮影に有利といえる

 

ハイライト部からシャドー部までの滑らかな階調を表現できる。レンズは「Ai AF NIKKOR 50mm F1.8D

ハイライト部からシャドー部までの滑らかな階調を表現できる。レンズは「Ai AF NIKKOR 50mm F1.8D


(永山昌克)


■価格 オープンプライス(実勢価格:80万円前後)

■主なスペック
撮像素子:35.9×24mm CMOS/有効画素数:2,450万画素/ISO感度:ISO100~6,400/測光方式:マルチパターン測光/中央部重点測光/スポット測光/シャッタースピード:30~1/8,000秒/記録媒体:コンパクトフラッシュ/記録ファイル形式:JPEG、TIFF、RAW(静止画)/外形寸法:159.5(W)×157(H)×87.5(D)mm/重量:約1,220g(本体のみ)

■問い合わせ先
ニコンカスタマーサポートセンター
0570-02-8000
http://www.nikon.co.jp/
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