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デジタルカメラ

コストパフォーマンス重視のデジタル一眼

EOS Kiss F

キヤノン

キヤノン「EOS Kiss F」は、同社のラインアップのローエンドに位置するデジタル一眼レフ機だ。今春発売したエントリー機「EOS Kiss X2」から、撮像素子の画素数や液晶サイズを下げ、一部の機能を省くことでいっそうの低価格を実現している。その実力をチェックしてみよう。



必要十分な機能を備えた入門機


最近はデジタル一眼レフ機の低価格化が進み、写真愛好家以外の一般ユーザーにまで幅広く普及しつつある。メーカーにとっては絶好の商機であり、クラスやターゲット層を細分化し、近い価格帯に複数の製品を投入することが進んでいる。

そんな中、キヤノンは今年3月に発売したエントリー機「EOS Kiss X2」に続き、もう1台のエントリー機「EOS Kiss F」を6月末に発売した。位置付けはEOS Kiss X2の下位モデルで、撮像素子や液晶、AFなどのスペックを抑えることで、さらなる低価格化を果たしている。

EOS Kiss Fのボディは、EOS Kiss X2よりも幅が2.7ミリ短く、重量が25グラム軽い。外装は、表面の質感がやや異なるものの、2台を並べない限りは分からないくらいの違いで、どちらもフルブラックの樹脂ボディである。

液晶モニタは、EOS Kiss X2の3型に対して、EOS Kiss Fは2.5型。撮像素子の画素数は、X2が1,220万画素で、Fは1,010万画素。AFは、X2が9点測距で、Fは7点測距。そのほか、EOS Kiss Fはファインダー倍率や連写スピードで下回り、スポット測光や「高輝度・階調優先」機能、ディスプレイオフセンサーなどが省かれている。

これらの違いの中で、特に気に留めておきたいのは、連写の性能だ。EOS Kiss Fの連写スピードは、JPEGモードでは秒間3コマと標準的だが、RAWまたはJPEG+RAWモードを選ぶと、秒間1.5コマに低下する。また、JPEGの場合でも高感度ノイズ低減機能をオンにすると、連写スピードが大幅に遅くなる。RAWや高感度撮影と連写を併用したいユーザーにとっては注意が必要だろう。

連写以外の面は、エントリー向けデジタル一眼として必要十分な内容といっていい。撮影モードはフルオートからフルマニュアルまでを完備し、ライブビュー機能や自動ゴミ除去、キットレンズによる手ブレ補正など、最近のデジタル一眼のトレンド機能はしっかりと押さえている。同価格帯の他社機と比べて見劣りする点はない。

液晶モニタには各種の撮影情報が表示され、シャッターボタンを半押しすると表示が消灯する
液晶モニタには各種の撮影情報が表示され、シャッターボタンを半押しすると表示が消灯する
液晶モニタには各種の撮影情報が表示され、シャッターボタンを半押しすると表示が消灯する
青空を濃厚な色で再現。拡大表示すると葉っぱの1枚1枚が分かるほど、解像感も十分なレベル
キットに付属の標準ズームを使って、最短撮影距離付近で撮影。発色はクリアで、適度な鮮やかさがある



撮像素子を利用したライブビュー機能


ローエンド機にもかかわらずライブビューに対応することは、評価したいポイントだ。ライブビューは、一時的に内部のミラーを開いて撮像素子に光を当てる方式。背面のSETボタンを押すと、通常撮影からライブビューモードに切り替わり、液晶モニタを見ながら構図を決め撮影ができる。

ライブビュー時のAFは、スピード重視のクイックモード(位相差検出AF)と、精度重視のライブモード(コントラスト検出AF)の2タイプから選べる。どちらの場合も、AEロックボタンを押すことでAFが作動し、クイックモードなら7つのAFフレームを選択でき、ライブモードなら画面内の好きな部分にAFフレームを移動できる。また、ライブビュー画面の一部を5倍または10倍に拡大表示し、マニュアルフォーカスでピントを合わせることも可能だ。

シャッターボタンの半押しでAFが作動しないのは少々不便だが、ライブビュー機能自体の利便性は高く、撮影の自由度を大きく広げてくれる。ローアングルやハイアングルからの撮影のほか、厳密なピント合わせが要求されるマクロや静物撮影などの用途で特に重宝するだろう。

画像に関する機能としては「オートライティングオプティマイザ」に注目したい。この機能をオンにしておくと、撮影の瞬間に画像の自動解析が行われ、明るさやコントラストを最適化してくれる。被写体が人物の場合は、顔が自動検出され、逆光などで顔が露出アンダーに写る失敗も防げる。意図的に露出アンダーや露出オーバーで撮りたい場合以外は、常時オンにしておくのがお勧めだ。

そのほか、画質の傾向を切り替える「ピクチャースタイル」機能や、高感度のノイズリダクション機能、明るさに応じて感度が自動調整されるオートISO機能、露出やホワイトバランスをずらして記録するブラケティング機能、コンパクトデジカメのシーンモードに相当する「かんたん撮影ゾーン」、2秒と10秒を選べるセルフタイマーなどを搭載。

コンパクトデジカメからステップアップしたいユーザーなど、デジタル一眼レフ機の入門者に最適な1台といえる。画像の精細感をより重視したり、連写を多用するならEOS Kiss X2のほうが適しているが、携帯性とコストパフォーマンスを優先するならEOS Kiss Fがお勧めだ。


ボディ上部には、12の撮影モードを選べるモードダイヤルと、感度設定のためのISOボタンを装備する
ボディ上部には、12の撮影モードを選べるモードダイヤルと、感度設定のためのISOボタンを装備する
レンズマウントはキヤノンEFマウントで、すべてのEFレンズおよびEF-Sレンズを使用できる
レンズマウントはキヤノンEFマウントで、すべてのEFレンズおよびEF-Sレンズを使用できる
記録メディアはSD/SDHCカードに対応。電源はリチウムイオン充電池で、CIPA準拠の電池寿命はストロボオフで約600枚
記録メディアはSD/SDHCカードに対応。電源はリチウムイオン充電池で、CIPA準拠の電池寿命はストロボオフで約600枚
ピントが合った部分はシャープに解像し、ハイライトからシャドーまでの階調は滑らかに再現された
ピントが合った部分はシャープに解像し、ハイライトからシャドーまでの階調は滑らかに再現された
シンプル操作の小型軽量ボディなので、気楽に持ち歩き、目に留まったものをスナップする用途にうってつけ
シンプル操作の小型軽量ボディなので、気楽に持ち歩き、目に留まったものをスナップする用途にうってつけ

(永山昌克)




■おもなスペック
撮像素子:22.2×14.8mm CCD/有効画素数:1,010万画素/ISO感度:AUTO/ISO100/200/400/800/1,600/測光方式:評価測光/部分測光/中央部重点平均測光/シャッタースピード:30~1/4,000秒/記録媒体:SD/SDHCカード/記録ファイル形式:JPEG、RAW(静止画)/外形寸法:126.1(W)×97.5(H)×61.9(D)mm/重量:約450g(本体のみ)

■問い合わせ先
キヤノンお客様相談センター
050-555-90002
http://canon.jp/
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