セットアップが手軽で高機能
SyncMaster XL24サムスン
過去AdobeRGBモニターはリリースしているがそのころの製品とは一線を画す実用的なモデルがSyncMaster XL24だ。特に超大型系のモニタに比べてこのサイズはムラも少なく使い勝手が良いのが特徴だ。様々な付属品がついてオールインワンでリリースされている。実際テストしてみたので、気になる部分やカラーマネージメントの対応能力をレポートしてみようと思う。

セッティングがラクラクで
サイズもしっくり
製品が薄くて軽いので、箱を開けるとかなり楽にセッティングできる。実際届いた箱も、ほんとに24インチ?と思いながら開いたが、設置してみると「デカ!薄!!軽!!!」な印象。女性でも苦もなくセッティングできるはずだ。付属品は2系統分のDVIケーブルと、USBケーブル、電源ケーブルとeyeone display2(キャリブレータ)、CD類と専用フードだ。製品も軽くそしてくるくるとよく回る軽い作りなので、接続も極めて楽。未多面重厚な感じとは裏腹だ。
フードなどをつけ終わって、CDをインストールしたら、後はキャリブレーションするだけ。ほぼ取り説を見なくても作業可能な範囲である。とはいえこれは慣れている筆者の意見だとは思うのだが、それでもかなりらくちんなはずだ。実際、クイックリファレンスも簡単なものだ。電源を入れて、表示してみると、カラーマネージメント前なのに結構きれい。フラットな質の高い画面が印象的だ。
モニタの左サイドに4ポートのUSBハブがあるので、キャリブレータに使う1つ以外、3つ余計に使えるのもうれしい。差し込みも、いちいち覗き込まなくてもくるんと回してさせるのがうれしい。最初から組み込まれているスタンドは軽いだけではなくて、よく回るし伸びる。高さや振り、おこし(チルト)も自由自在。軽さゆえに揺すってみるとよく首を振るが、不安になるほどではない。
大きさは、このサイズではベストなほうではないだろうか。30インチを使っていた時はちょっと使いにくく、圧迫感があったが、現在ツインモニタを日常的に使っている筆者の環境からするととてもなじみやすい。日常的な使用でも差し支えないだろう。また、公表値の視野角はかなり精度の高いもので、センターから画面の端を見ても色がおかしくなることはない。視野角は斜めから見たときの濃度などのずれをどこまでカバーできるか、を示すが、実際斜めからクライアントなどが見るというケースより、センターから端を見たときのずれの方が日常的に切実で大画面になるほど影響は大きいものだ。この性能が高いということは大画面向きにほならない。
カラーマネージメント機能も
セットアップが簡単
気になるこの機能だが、専用のソフトウエアとカスタマイズしたEyeOneDisplay2キャリブレータを用いて、かなり高精細にハードウエアキャリブレーションを14bitLTと専用演算回路をもちいてキャリブレーションしてくれる。専用ソフトであるNaturalColorExpertのインストールには約数分かかり、後は好みのセッティングに応じてキャリブレーションをおこなうだけだ。
すでにキャリブレータを所有しているユーザーの場合、そのキャリブレータのソフトを用いてキャリブレーションすればいいが、この場合性能をすべて引き出せない可能性が高い。できる限りパッケージングされているソフトを用いた方がいいだろう。メーカーHPからの引用になるが、カラースペースは、高輝度LEDを用いてAdobeRGBを越える再現能力を持っているとされている。
実際キャリブレーションしてトーンを見てみたが、特に問題は感じないし、看板に偽り無しの実用的なレベルといえよう。ただ、広い再現域を持っているとしても、常にそういったデータを扱うわけではないので車でいうところの300kmのスピードメーターと似たようなところがある。この速度で走れる場所や腕は普通ないのに、そのように販売されているのは、その余裕が高いスタビリティを生むからであり、このことはモニタにもいえるのだ。キャリブレーションしてみたら、「ダメダこりゃ!」というようなLCDも存在するが、本製品はそんなことはまったくない。
気になる実際の色再現であるが、様々なもの、特に特徴がでやすいイメージを使ってテストしてみたが、特に問題があるようなことは無かった。シャドウディティールもつぶさに表示できているし、色の滑らかさも問題ない。シャープさや色ムラなどもかなりの高カウント。このあたりは全く心配なく使えるだろう。キャリブレーション後はしっとり落ち着いた色再現で雰囲気がかなり落ち着いた感じになる。作品がよりきれいに見えることだろう。
まとめ
A3がフルサイズで確認できるが、作業上はパレットなどで少し喰われてしまう計算だ。しかし、通常A3フルサイズ表示で作業していたら目が疲れてしょうがないので、実用的なサイズであるといえる。人間の視野サイズにも適合するおすすめサイズだ。
基本性能に多くの力を割いた関係で、フードやスタンドの作りなどそこかしこに安っぽさがあるのは否めない。しかし実用上は全く問題ないレベルであるし、AdobeRGB対応モニタがこのサイズでこの価格で買えるのは驚異的だ。虚飾を排し実利に振り向けたモデルと言えよう。



ボタン拡大。フロントのボタンなんだが、筆者にとってはボタンのタッチはけっこう重要。使いにくいとイラッとするが、本製品では間食もよく使いやすいボタン

ちょっと意地悪テストしてみた。長めのレンズでレンズの収差がでないようにした状態で、画面のグレー表示をアンダー目に撮影したものだ。LEDバックライトの効果は高いようで、LCDにありがちなくも状のムラなどは見当たらず、問題ない範囲のムラといえよう

(矢部 國俊)
■おもなスペック
サイズ:24.1型/表示領域(mm):520.2×325.8/解像度:1,920×1,200/画素ピッチ(mm):0.270×0.270/表示色 数:1677万色/視野角:水平178°/垂直178°/輝度:250cd/m2/コントラスト比:1000:1/応答速度:6ms/モニタ部外形寸法(mm):563(W)×462 (D)



