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さらに洗練され実用性が増した新型iPhone


iPhone 3GS


アップル

2007年の6月末に米国で出荷された初代モデル、2008年の7月に日本でも発売された3Gモデルと、年1回のモデルチェンジサイクルを守ってきたiPhoneに、今年も6月に3GSと呼ばれる新機種が追加された。「スピード」の頭文字から"S"の字が付加されたiPhone 3GSは、3Gモデルで見られる文字入力処理のもたつきが解消されて全体の処理も明らかにスムーズさが増している。さらに、いくつかの特筆すべき機能を追加しながらバッテリー駆動時間も延びるなど、より完成度が増した印象だ。

事実上3Gと同一のiPhone 3GSの外観正面。あえてイメージの変更を避け、iPhoneという存在を印象づける方針に沿った決定と言える(私物のため、アイコンの並びは標準状態と異なる)
事実上3Gと同一のiPhone 3GSの外観正面。あえてイメージの変更を避け、iPhoneという存在を印象づける方針に沿った決定と言える(私物のため、アイコンの並びは標準状態と異なる)



さらに洗練され実用性が増した新型iPhone

テレビCMでも「変わっていないのか?」というセリフが出てくるように、サイズも含めて、iPhone 3GSの外観は3Gモデルと基本的に同じものである。

筐体背面の製品名も初代から"iPhone"としか記されていないが、その文字色が3Gのグレーに対して3GSではアップルマークと同じクローム処理になっている点が唯一区別する手がかりとなる。

スイッチ類などのディテールもまったく同一であり、この背景には、併売される3Gモデルと共に全世界的な需要を満たすための大量生産を前提とした決定があったものと考えられる。

内部チップの詳細は非公表だが、CPUやGPUの性能向上と省電力化に伴って、処理速度が最大2倍となる一方、バッテリ駆動時間は最大1.5倍に延びている。また、メモリ容量も従来機の倍となり、16GBと32GBの2モデルが用意されるようになった。


背面も3Gモデルとほぼ同じだが、実は製品名のロゴカラーが従来のグレーからクロームに変更され、より目立つようになっている
背面も3Gモデルとほぼ同じだが、実は製品名のロゴカラーが従来のグレーからクロームに変更され、より目立つようになっている



正面パネルのスイッチ類は、従来通り下端にホームボタンが設けられているのみ。ドックコネクタ挿入口の両脇のメッシュ付きホールは、片方がマイクでもう片方がモノラルスピーカーだ 
正面パネルのスイッチ類は、従来通り下端にホームボタンが設けられているのみ。ドックコネクタ挿入口の両脇のメッシュ付きホールは、片方がマイクでもう片方がモノラルスピーカーだ



弱点を丹念に潰した機能強化


機能面では、まずカメラが、3Gモデルの200万画素パンフォーカスから300万画素オートフォーカス仕様となり、最短10cmから無限遠まで合焦するようになった。タッチスクリーンの特性を活かして、指でタッチした箇所を基準にフォーカスと露出を最適化するため、意図に沿った写真を撮りやすくなっている。

また、新たに実現した動画撮影では、再生時の画面上部にタイムラインに沿った画像のサムネールを表示する視覚的な簡易編集用インターフェースを装備。黄色い枠の左右端を指で動かすことで撮影後の不必要部分の削除が可能であり、YouTubeへの動画投稿が直接行える「共有」機能も組み込まれた。

中級以上のGPS機器に装備されている電子コンパスも、iPhone 3GSの新機能の1つだ。3Gモデルでは、Google Mapなどで、実際に移動を開始しないと進行方向がわからない難点があったが、電子コンパスがあれば、ユーザーが止まった状態でも正しい方角を確定できる。また、Google Mapにもユーザーの向きに合わせて地図の向きを正しく回転して示す機能が加わり、より直感的な利用が可能となった。

音声認識技術を応用した音声コントロール機能は、ホームボタンの長押しで呼び出すことができる。この状態でマイクに向かって人名や曲名を話すことで、該当する人に電話をかけたり、楽曲を再生したりすることが可能になるというふれ込みだ。CPUがリアルタイムで認識処理を行うため、高速な3GSのみでのサポートとなっている。

実際に利用してみると、日本語にも対応した点は評価できるが、アルバム再生をしようとして電話がかかってしまうなどの誤認識もあり、周囲の環境音にも左右されやすいため、実用性では今ひとつという印象を受けた。

実装が待たれていたカット、コピー&ペースト機能は、3GモデルでもiPhone OS 3.0へのアップグレードによってサポートされるが、片手操作を考え抜いたインターフェースが特徴だ。まず、カットあるいはコピーしたい箇所でタップの長押しを行うと、「選択」か「全選択」かを選ぶ吹き出しが表示される。これをタップして選択すると、今度は範囲指定のためのインターフェースが現れる。指定が完了すると、吹き出しの内容が「カット」や「コピー」に変化するので、目的の処理を選ぶだけでよい。ペーストも、タップの長押しの後に表示される吹き出しから処理を選択するようになっている。

同じくiPhone OS 3.0による機能拡張だが、Bluetoothの応用範囲が広くなり、ボイスレコーダーアプリも搭載されたので、iPhone 3GSの活躍の場は益々広くなりそうだ。付加価値分だけ契約料金も高めだが、iPhoneを使い込むユーザーほど、3GSモデルを選択する価値は大いにあると言えるだろう。

なお、先ごろ、アメリカの歴史ある週刊誌THE NEW YORKER誌の表紙に、BrushesというiPhoneアプリで描かれたイラストが採用されたことが話題となった。iPhoneがクリエイティブ分野でMacintoshを完全に置き換えることはないとしても、そのポテンシャルの高さを物語るエピソードと言えそうだ。


新たに搭載された300万画素オートフォーカスカメラは、任意の箇所を指でタップすることで、そこにフォーカスを合わせ、最適の露出に調整してくれる
新たに搭載された300万画素オートフォーカスカメラは、任意の箇所を指でタップすることで、そこにフォーカスを合わせ、最適の露出に調整してくれる


ビデオ機能は、単に撮影が行えるだけでなく、再生時にサムネールがタイムライン状に連なって表示され、さらに黄色い枠の左右の端を指で移動することで簡易トリミング編集を行うことができる
ビデオ機能は、単に撮影が行えるだけでなく、再生時にサムネールがタイムライン状に連なって表示され、さらに黄色い枠の左右の端を指で移動することで簡易トリミング編集を行うことができる


標準装備されるクラシックなデザインの方位磁石アプリは、新たに搭載された電子コンパス機能を最も直感的に利用できるようにしたものである
標準装備されるクラシックなデザインの方位磁石アプリは、新たに搭載された電子コンパス機能を最も直感的に利用できるようにしたものである


同じく電子コンパスを応用したアプリとしては、機能拡張されたGoogle Mapがある。GPSでの測位後に画面左下のGPSボタンを再タップすると、地図のグラフィックスが回転してiPhoneの向きと一致させてくれるのだ
同じく電子コンパスを応用したアプリとしては、機能拡張されたGoogle Mapがある。GPSでの測位後に画面左下のGPSボタンを再タップすると、地図のグラフィックスが回転してiPhoneの向きと一致させてくれるのだ


ホームボタンの長押しで起動する音声コントロール機能。認識可能な指示の例が画面をスクロールして流れていく。日本語にも対応させた意欲的な試みだが、実用的に使うには、まだ熟成が必要と感じられる
ホームボタンの長押しで起動する音声コントロール機能。認識可能な指示の例が画面をスクロールして流れていく。日本語にも対応させた意欲的な試みだが、実用的に使うには、まだ熟成が必要と感じられる


ようやく実現したカット、コピー&ペースト機能だが、安易な実装ではなく、納得できるインターフェースの構築に時間をかけたことが理解できる。まず、タップの長押しで選択の種類を選ぶための吹き出しが表示される
ようやく実現したカット、コピー&ペースト機能だが、安易な実装ではなく、納得できるインターフェースの構築に時間をかけたことが理解できる。まず、タップの長押しで選択の種類を選ぶための吹き出しが表示される


そして、選択範囲を確定してから、カット、コピーもしくはペーストのコマンドを選択する。青い●の部分を指で動かすことで、選択範囲の調整を行うようになっている。片手でも操作しやすいインターフェースである
そして、選択範囲を確定してから、カット、コピーもしくはペーストのコマンドを選択する。青い●の部分を指で動かすことで、選択範囲の調整を行うようになっている。片手でも操作しやすいインターフェースである



従来はハンズフリー用のモノラル再生にしか対応しなかったBluetooth機能も、iPhone OS 3.0でステレオ化され、他にもサードパーティから医療機器など様々な対応製品の登場が予定されている
従来はハンズフリー用のモノラル再生にしか対応しなかったBluetooth機能も、iPhone OS 3.0でステレオ化され、他にもサードパーティから医療機器など様々な対応製品の登場が予定されている



ボイスレコーディングアプリも標準実装されるようになった。方位磁石アプリと同様にクラシカルなビジュアルデザインが施されている
ボイスレコーディングアプリも標準実装されるようになった。方位磁石アプリと同様にクラシカルなビジュアルデザインが施されている





(大谷和利)

■価格
オープンプライス

■おもなスペック
画面サイズ:3.5インチ(対角表示領域)
画面解像度:320×480ピクセル(163ppi)
入力方法:マルチタッチ
ストレージ容量:8GBおよび16GB
携帯電話:UMTS/HSDPA(850、1900、2100 MHz)、GSM/EDGE(850、900、1800、1900 MHz)
ワイヤレスデータ:Wi-Fi(802.11b/g)、UMTS/HSDPA (850、1900、2100 MHz)、EDGE (850、900、1800、1900 MHz)、Bluetooth 2.0 + EDR
GPS:Assisted GPS(A-GPS)
カメラ:2.0メガピクセル
サイズ:115.5mm × 62.1mm × 12.3mm
重量:133g
連続通話時間:3Gで最大5時間、2Gで最大10時間
連続待受時間:最大350時間
インターネット利用:3Gで最大4時間、Wi-Fiで最大6時間
ビデオ再生:最大6時間
オーディオ再生:最大24時間


■問い合わせ先
アップル
TEL 0120-993-993
http://www.apple.com/jp/iphone/








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