NanaoのEIZOブランドから最新型のモニタ「CG242W」デビュー
ColorEdge CG242WEIZO
直近のCG241Wも高機能で、機能の割に安いといえる価格をほこり、業界を席巻した。同じ系統でその後に出てくる機種なのでいやが応にも期待は高まる。万全の準備をして堪能させていただいた。はっきり言って、高画質なのは解っているのでいまさらかくこともないと言ったら語弊があるのであるが、評価者としては書きにくいことこの上ない高品質モデルであると言える。

見た目は前モデルと変わらないが地味な工夫が各所に!
見た目や印象は、CG241Wとほとんど変わることはない。見た目だけでこれがどちらの機種なのか解る人はそうそういないはずだ。細かい仕様を比べてもほとんど差がないと言っていいだろう。
外観ではないが、重さが少しだけCG242Wの方が軽いがこれもわずか300gなので誤差範囲に近い。変化したのはインターフェースで、CG241WではDVIが二つであったのが、CG242WではDVIとHDCP対応のディスプレイポートになっている。ちなみにパネルは両者ともVA。
また決定的に異なる部分は大本になる部分であるコントラスト比や最大輝度。コントラスト比は1100:1になり、ついにD=3を超えた。その分、最大輝度が270cd/m2とCg241Wに比べると、300→270cd/ m2、850:1→1100:1となり、輝度を一割犠牲にして、コントラスト比をほぼ3割増にしている計算だ。
輝度を高くすれば理論上のダイナミックレンジが広がるのでコントラスト比も高くなって、理屈で言えば階調幅は増えることになる。ところが液晶というシステムでコントロールできる幅を超えつぃまうため、階調を犠牲にせざるを得ない。おそらくそういったこともあってコントラスト比を犠牲にして階調再現に振ったと思われる。
事実、特殊な用途を除いて、通常用いられる輝度は80~110cd/ m2が多い。それだけ考えても、キャパシティ的な300cd/ m2は、車で言うところの300km/hのメータと同じで、スタビリティは高めてもおおよそ実効的ではない。そういった地味なわかりにくい工夫を重ねているとこは強く好感が持てる。よくあるケースで数値が減ったことで悪評を受けるかもしれない部分を甘んじて押し切っているところも、また、れらの評価の中に入っている。物作りとしては大事なこだわりであるからだ。
高パフォーマンスながら気になる点も…
EIZOのWEBサイトで主な特徴と書かれている部分についてもほとんど差異はない。画面90度回転のレボルビングやムラ処理も16bit処理もほぼ踏襲。誤解がないように述べておくと、CG241Wの後継機種としてCG242Wが出たわけではなく、どちらかというとツートップ的な意味合いが強いようで、今回のリリースでCG241Wがラインナップから消えるわけではないようだ。
しかし、決定的に違う点は3D-LUTを搭載したところだろう。新開発らしいこれらの機能の詳しい情報は入ってきてないので詳細は解説できないのが残念であるが、プレスリリースによると従来のLUT(1D)をRGB各色に分けた立体的な演算をするようになったようだ。単純計算でも3倍以上になるはずの計算速度をものともしないパフォーマンスについてはあまりうたわれていないが、そのあたりも企業努力がしのばれるところだ。
ほか、特徴とすべきところはAdobeRGBカバー率が97%に向上したところだろう。CG241Wで96%だから、気持ちサービスという感じなんだが、輝度比を落として設計しているところからすれば実質はかなり高いパフォーマンスだ。
また、特徴と言われていて筆者的にものすごく評価しない機能がEPSONのK3系プリンタと純正の写真用紙でモニタ表現とプリント表現のマッチングをはかる機能があることだ。
これは、キャリブレータがないと有効ではない機能なので、キャリブレータのセットモデルを購入するか、対応している機種のキャリブレータを所有している必要があるのだが、キャリブレータを使って環境光下で指定紙の紙白を測定し、それに合わせた表示をすることでプリンタとのマッチングをはかるというネガティブなカラーマネージメント機能だ。ICCプロファイルを用いたカラーマネージメントの概念を根本から否定し、力業を用いる2世代くらい前のカラーマネージメントに逆行させるという意味不明な機能だ。
ICCプロファイルを用いたカラーマネージメントの根本的な考え方として、カラースペースに応じた表示をして、各アウトプットデバイスのICCプロファイルに変換してカラーマッチングをすることであり、自分のローカルな環境光下でマッチングをしてもそれがクライアントの環境光下でマッチングする保証は限りなくないわけで、理にかなっているようでかな?り理にかなっていないツールなのだ。しかも、EIZOでテストしているのがK3での写真用紙だけで、ほかな成りゆきでどうなるか解らないという中途半端っぷり。CMSモニタを出している企業とは思えない混乱といえよう。
全体の講評
すくなくとも、この実機レベルのムラのない美しい描写は仕事をしていて楽しくなること請け合いだ。
ただ、視野角178度は決して広いわけではなく、斜からのぞき込んだ場合はそれ相応の描写劣化を及ぼすことは憶えておこう立ち会い校正のレベルでは全く問題無いが、チェックする人が複数人いる場合、恥にいる人がモニタの端を見た場合、それ相応の色の変化が発生してしまう。
ただ、モニタ自体が簡便に首を振るので、必要に応じて首を振ることでその他のオーディエンスにも同じものを共有できるだろう。





真正面から最大限の首振りをしてみた時のモニタの見え方。撮影条件は2番目の写真と一緒だから、左右35どの最大首振りからすると、わずかなトーン変化と言える。特に向かって左向きの005は白っぽく見えるが、これは撮影光源を拾っているため。006の方が実際に近い。 カラースペース:プレスリリースから拝借した、メーカー講評値の色再現エリア。ここでは表示されていないが、NTSCは完全カバーして余っている。(106%) ディスプレーポート:こちらもプレスリリースからの拝借。今後主流になるかと思われるディスプレーポートを備えている
(矢部 國俊)
■おもなスペック
サイズ:24.1型/標準表示面積 (横×縦) :518.4×324.0mm/解像度:1,920×1,200/画素ピッチ(mm):0.270×0.270/表示色 数:1677万色/モニタ部外形寸法 (横×縦) :566×456~538×230mm



