デジタルカメラ
進化した高級コンパクトデジタルカメラ
GR DIGITAL II
リコー
2005年に発売したリコー「GR DIGITAL」は、写真愛好家層に大きな支持を得た。人気の理由は、今どき珍しい広角単焦点レンズを備えることや、豊富なオプション品で機能拡張ができること。その基本コンセプトを受け継ぎつつ、さらなる高画素化と多機能化を図ったのが新登場の「GR DIGITAL II」だ。

フルブラックのマグネシウム外装で、グリップ部にはラバーが張られている。本体重量は168gと軽く、奥行きは25mmと薄い
単焦点28mmワイドの魅力
リコー「GR DIGITAL II」の最大の特徴は、前モデルから継承した単焦点のワイドレンズだ。ズームレンズが当たり前の時代に、あえてズームができない単焦点を採用したのは、画質重視や携帯性優先という理由だけではない。写真好きにとっては、ズームできないことが制約ではなく、工夫して撮るという撮影の楽しみにつながるからだ。
焦点距離は35mmフィルム換算で28mm相当に対応する。最近は他社からも28mmスタートのズーム搭載機が増えていて、この焦点距離が際立ってワイドとはいえない。ただ、一般的な光学3倍クラスのコンパクトデジカメのワイド側よりは広範囲が写る。被写体に近寄って遠近感を強調したり、大きな建物や広々とした風景をワンカットでおさめるのに便利だ。
画質は、広角レンズで生じやすい歪曲が目立たないよう補正され、遠景の細部までシャープに解像する。撮像素子は、従来機より高画素化した有効1001万画素CCDで、サイズは1/1.75型となる。従来の1/1.8型CCDに比べてわずかに大きくなったとはいえ、デジタル一眼レフ機の撮像素子に比べるとはるかに小さいので、明暗差の大きなシーンで白とびが生じたり、感度を高めるほどノイズが目立つ、といった弱点はある。とはいえ、ボディサイズがまるで違う一眼レフ機と比較することは無意味だし、コンパクトデジカメの絵としては最良の部類だ。
画質の傾向をメニュー画面から細かくカスタマイズしたり、RAWモードで撮影し、PCのソフト上で自分好みの色調に仕上げることも可能。従来機はRAW撮影の記録に約11秒もかかり非実用的ではあったが、本機では約3.8秒に短縮され、バッファメモリを利用し、RAW記録中に続けて2枚まで撮ることもできる。

四隅までくっきりと描写。画質の傾向は「硬調/普通軟調/白黒/白黒(TE)」の5タイプを選べるほか、コントラストやシャープネスなどの微調整も可能。ここでは「普通」を選択

レンズ先端から最短1.5cmまで近寄れるマクロモードで撮影。明部から暗部まで濁りのないクリアな色となり、植物のディテールまで再現できた

オプションのワイコン「GW-1」を装着し、21mm相当の超広角で撮影。ワイコン自体の光学性能も良好で、ワイコンにありがちな周辺部の画質劣化はほとんどない

液晶モニタは従来よりやや大型化した2.7型のTFT。右上にある「ADJ.レバー」には、使用頻度が高い好きな機能を4つまで割り当てられる
充実したカスタマイズ性と拡張性
外観は従来機とほとんど同じで、胸ポケットに収まる小型軽量サイズだ。上部に撮影モードダイヤルを備え、フルオートのほか、プログラムAE/絞り優先AE/マニュアル露出/シーンモード/マイセッティングモードを選べる。シーンモードは「斜め補正/文字/動画」の3つで、ほかのコンパクトデジカメのような「風景」や「人物」はない。
絞りやシャッター速度は、グリップ部の前後2ヶ所にあるダイヤルで調整でき、後のダイヤル(正式名ADJ.レバー)を押し込むことで、感度やホワイトバランスなどの主要機能をダイレクトに呼び出せる。ほかの機能を割り当てることもできる。
ほかにも操作性をカスタマイズする自由度が高く、ズームレバーやFnボタンに任意の機能を設定したり、各種設定の組み合わせを「マイセッティングモード」として登録することも可能。
機能面では、新搭載した電子水準器に注目したい。これは、内蔵の加速度センサーがカメラの傾きを判断し、液晶上のインジケーター表示と電子音によってカメラの水平を確認できる機能。ワイドレンズによる撮影はカメラが傾くと歪みが目立つ場合があるが、この電子水準器を利用すれば、風景や建物などを安定感のある構図で撮影できる。
正方形フォーマットへの対応も大きな話題だ。画像のアスペクト比を一般的な4:3や3:2のほかに1:1を選択でき、まるで中判カメラのような感覚で撮影できる。さらに、被写界深度表示機能や、セピア/赤/緑/青/紫のモノトーン撮影機能などに新対応。写真好きユーザーの撮影意欲と物欲を刺激する仕掛けが盛りだくさんだ。
従来機から継承する拡張性の高さも見逃せない。純正オプションとして、ワイコンやテレコン、外部ファインダー、ケーブルスイッチなどが用意され、市販のフィルターや外部ストロボも利用できる。電源はリチウムイオン充電池で、緊急時は単4形アルカリ電池2本も使用可能。リチウム使用時のCIPA準拠の電池寿命は、従来機よりアップし370枚となる。
写真撮影を趣味にしている人はもちろん、ちょっとしたメモやスナップも高画素で記録したい人、望遠よりも広角重視の人などにお勧めしたい。一眼レフ機のサブカメラとしても活躍するだろう。

絞り優先AEモードを選び、開放値のF2.4で撮影。AFはマルチ測距と中央1点測距に対応し、マニュアルフォーカスも可能

感度ISO400で撮影。最高でISO1600まで選べるが、画質重視ならISO400までが実用範囲だろう

暗部はややノイジーだが、夕暮れの空のグラデーションを滑らかなトーンで再現できた

正方形フォーマットは、安定感のある構図で画面を切り取れる。後からのトリミングとは違って撮影時に正方形を選べるデジカメは希少

ワイコン「GW-1」およびアダプタ「GH-1」を取り付けた状態。このほかテレコン「GT-1」や市販のフィルター類も装着できる
(永山昌克)
■価格:オープンプライス(実勢価格:8万円前後)
■主なスペック 撮像素子:1/1.75型CCD/有効画素数:1001万画素/ISO感度:AUTO/AUTO-HI、ISO80、ISO100、ISO200、 ISO400、ISO800、ISO1,600/測光方式:マルチ(256分割)、中央重点測光、スポット測光/シャッタースピード:180、120、 60、30、15、8、4、2、1〜1/2,000秒/記録媒体:SD、SDHCメモリーカード、MMC、内蔵メモリー/記録ファイル形式:JPEG、 RAW(静止画)/外形寸法:107(W)×58(H)×25(D)mm/重量:約168g(本体のみ)
■問い合わせ
リコーお客様相談センター
0120−000−475
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