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デジタル一眼レフカメラ

画素数増と機能強化を果たしたフルサイズのデジタル一眼

EOS 5D Mark II

キヤノン


キヤノン「EOS 5D Mark II」は、35mmフルサイズのCMOSセンサーを搭載したデジタル一眼レフ機だ。従来機「EOS 5D」とほぼ同じボディサイズと重量を維持しながら、CMOSの画素数アップや液晶の大型化、撮影機能の強化を実現した。フルサイズならではのボケ味や2,110万画素の精細感が特に魅力だ。


EOS 5D Mark II



有効2,110万画素の細部表現力を実感


キヤノンは2005年秋に、1,280万画素のフルサイズCMOSセンサー搭載した「EOS 5D」を発売した。それまでは最上位モデル「EOS 1Ds」シリーズに限られていた、フルサイズのセンサーを中級機としては初めて搭載し、プロからハイアマチュアまでの間で高い評価と人気を得た。

一般向けのデジタル一眼レフ機としては小型軽量とはいえないが、当時のフルサイズ機としては画期的なコンパクトボディであり、精細感の高さや高感度画質の美しさは、現時点でもトップクラスに入る。また、被写界深度の浅さによって生じるボケの美しさは、APS-Cサイズの一眼レフ機では味わえない、フルサイズならではの表現だ。こうしたフルサイズの魅力を広く知らしめたEOS 5Dは、エポックメーキングなカメラだったといっていい。

そのEOS 5Dの後継機として約3年ぶりに登場したのが、今年11月下旬発売の「EOS 5D Mark II」である。従来機EOS 5Dとほぼ同じボディサイズと重量を維持しながら、画素数をさらに精細化したほか、液晶の大型化や連写の高速化、バッテリーの長寿命化、撮影機能の強化など、あらゆる面をブラッシュアップしている。

中でも最大の魅力といえるのが、画素数アップによって細部表現力が高まったこと。今回試用したのは、製品版ではない試作機とはいえ、有効2,110万画素のフルサイズCMOSセンサーの精細感ははっきりと実感できた。

少ない画素数に比べて特に差が生じるのは、引いた構図の風景写真だ。EOS 5D Mark IIでは、木の葉っぱやビルの窓など細かい被写体が込み入った遠景の細部が従来以上にくっきりと解像する。A3以上に大きく印刷してもシャープな描写を得られることや、部分をトリミングしても十分な画素数を維持できることがメリットになるだろう。

ただし高画素化によって注意したいのは、精細感が高まった分、ちょっとした手ブレやピンぼけまでもが、より目立ちやすい傾向にあること。また、レンズの光学性能の良し悪しは、従来以上にはっきりと画像に反映する。EOS 5D Mark IIの高画素の特性をフルに引き出すには、高性能なレンズを選んだほうがいいだろう。

発色傾向は従来機と大きくは変わらず、クセがなく澄んだ色合いだ。ピクチャースタイル機能によって、発色をカスタマイズしたり、RAW記録して付属ソフト上で細かく画質調整することも可能だ。画像に関する新機能としては、白とびを低減する「高輝度側・階調優先」や、明るさとコントラストをシーンごとに最適化する「オートライティングオプティマイザ」、レンズ別に画像周辺部の落ち込みを自動補正する「周辺光量補正」を搭載した。

高感度については、従来機の最高ISO3200から3段分アップし、最高ISO25600に新対応する。一般的に撮像素子のサイズを変えずに画素数を高めると、高感度に不利になると言われるが、従来機との同感度での比較では、特にノイズが増えた印象は受けない。ISO1600までは十分に実用的で、それ以上の感度でも用途によっては役立つだろう。



ズームレンズ「EF24-105mm F4L IS USM」を装着

「EF24-105mm F4L IS USM」の24mm側で撮影。(作例はすべて試作機によるもの)

「EF24-105mm F4L IS USM」の105mm側で撮影



ライブビューやハイビジョン動画記録に新対応



機能や操作面でもさまざまな改良が施されているが、ひとつのトピックといえるのは、ハイビジョン動画記録に対応したこと。これはライブビューの応用機能として提供され、ライブビュー表示中に背面SETボタンを押すことで、最大1,980×1,080ピクセルの音声付きQuick Timeムービーを連続で最長12分記録できる。

写真愛好家やプロカメラマンを主なターゲットにした製品で、動画機能が必要かどうかは評価が分かれるところだ。ただし、あって邪魔になるわけではない。35mmセンサーによるボケを生かした動画や、魚眼から広角、超望遠までの交換レンズを駆使した動画撮影は、一般向けのビデオカメラでは実現できない表現であることは間違いない。

ライブビューについては、最近のデジタル一眼のトレンドでもあり、EOS 5D Mark IIが対応したことは当然の成り行きといえる。背面のライブビューボタンを押すと、リアルタイムの映像が液晶表示され、その表示を見ながら構図を決め、撮影ができる。ライブビュー時のAFは、AF-ONボタンで作動し、AF方式はスピード優先のクイックモード(位相差検出方式)と、精度重視のライブモード(コントラスト検出方式)、および顔優先ライブモードの3モードから選べる。

ライブビューの任意の部分を5倍または10倍に拡大表示して、細部のピントを厳密に確認したり、ローアングルやハイアングルからの撮影する用途に重宝する。また、撮影者の顔を隠さずに撮れるので、人物撮影の際に相手に威圧感を与えず、自然な表情を引き出しやすいメリットもある。

連写は、従来機の秒間3コマから秒間3.9コマにスピードアップした。中級以上のデジタル一眼レフ機では、これでも速いとはいえず、スポーツ撮影用にはあまり適さない。ただ、従来機の数少ない弱点といわれた、ゆったりとした動作感覚はレリーズタイムラグも含めて幾分改善され、大きなストレスは感じない。AFについてはテキパキと高速作動する。また、CFカードスロットがUDMA規格になったため、同規格に対応したカード使用時は高速書き込みができる点はありがたい。

そのほか、液晶の大型化と精細化によって視認性が大幅に向上したことや、液晶表示される各種のパラメータをダイレクト設定可能になったことは、使い勝手を高める改良といえる。また、小さいサイズでRAW記録する「sRAW」モードや、レンズごとにAF位置を微調整する「AFマイクロアジャストメント」機能、撮像素子の自動ゴミ除去、ハイビジョンテレビで鑑賞するためのHDMI端子などを新搭載した。

トータルとしては、連写スピード以外にスキはなく、フルサイズならではの高画質を快適操作で味わえるカメラに仕上がっている。もちろん、さらに高機能で高速なフラッグシップ機「EOS-1Ds Mark III」という存在もあるが、その半分以下の価格で、匹敵する高画質を得られることはとても魅力的だ。



ISO800で撮影しても気になるノイズは見られない


ライブビュー/動画の設定画面。グリッド表示や静音撮影に対応する


液晶は3型92万ドットのTFTで、ファインダーは視野率98%のペンタプリズム



電源は新型のリチウムイオン充電池。電池寿命はファインダー使用時で約850枚




(永山昌克)



■価格 オープンプライス(実勢価格:30万円前後)

■おもなスペック
撮像素子:36×24mm CMOS/有効画素数:2,110万画素/ISO感度:AUTO/ISO50~12,800/測光方式:評価測光/部分測光/スポット測光/中央部重点平均測光/シャッタースピード:30~1/8,000秒/記録媒体:コンパクトフラッシュ/記録ファイル形式:JPEG、RAW(静止画)、MOV(動画)/外形寸法:152(W)×113.5(H)×75(D)mm/重量:約810g(本体のみ)

■問い合わせ先
キヤノンお客様相談センター
050-555-90002
http://canon.jp/
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