
第22回 Web2.0的開発アプローチ
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[プロフィール] お がわ・ひろし●1996年、デル、ゲートウェイの代理店としてマレーシアにて日系企業及び在住邦人向けのPC通販ベンチャーを創業するなど、アントレプレ ナーとして活躍。その後日立製作所を経てサイボウズにジョイン。feedpathの基本設計を考案し、現在に至る。ブロガーとしてSpeed Feed、「Web2.0BOOK」「ビジネスブログブック」シリーズなどの著作がある。 |
Web2.0的サービスは永遠のベータ
このような状況でソフトウェア開発を行うには従来型のウォーターフォールモデルでの開発や、プロトタイピングモデルは不適格であると考えられています。エンジニアリングチームは、常にビジネス要求の変更すなわち、仕様変更を柔軟に受け入れる体制をとる必要があるのです。
アジャイル開発アプローチは、厳密には「アジャイルソフトウェア開発手法」といわれており、ソフトウェア開発プロセスの総体を表す言葉です。よって、特定の開発プロセスを指す言葉ではありません。2001年にアジャイルソフトウェア開発手法(当時はライトウェイトソフトウェア開発手法と呼ばれていました)の分野の17人の権威のあるエンジニアが、米国ユタ州スノーバードにて議論した結果に生まれた宣言であり原則です。
アジャイル開発アプローチとは?
このアジャイル開発プロセスは、ウォーターフォールモデルでの、ドキュメントを重視する従来型のソフトウェア開発モデルとはまったく異なる価値観、世界観から生まれています。アジャイル宣言は謳われている方針と原則はまさにWeb2.0サービスの開発プロセスにベストマッチであり、Web2.0開発のための開発プロセスといっても過言ではありません。
Web2.0的アジャイルエンジニアリングの価値と原則
1. プロセスやツールよりメンバー間の協力が重要。
2. 完全なドキュメントより動作するソフトウェアが重要。
3. 契約交渉よりも取引先との協力関係が重要。
4. 計画に従うことよりも変化に受け入れる姿勢が重要。
このWeb2.0的アジャイルエンジニアリングの原則は以下の通りです。
1. 最も重要なことはユーザーを満足させること。早く、そして継続的に、価値のあるサービスをリリースする。
2. リリース直前おいても要求の変更を受け入れる。アジャイル開発プロセスはサービスの市場競争力を優位にするための道具である。
3. 数週間、数ヶ月の単位で頻繁に実用的なサービスをリリースする。タイムスケールは短い方がよい。
4. 毎日、ビジネスプロデューサーとエンジニアは一緒に働く。
5. やる気のある人を中心にチームを編成する。チームメンバーには必要な環境とサポートを与え、開発の成功を信じること。
6. チーム内の効果的で有効なコミュニケーション手段は、Face to Faceによる会話である。
7. 進捗を把握は動作するソフトウェアが一番である。
8. アジャイル開発プロセスは、継続的な開発を促進する。サービス提供者は継続的な機能リリースを行い、ユーザーはそれを受け入れるべきである。
9. 卓越した技術と優れた設計に対して絶えず注目することで、よりアジャイル性は高まる。
10. 簡単さ――作業せずに済む量を最大限に引き上げる技量――が本質である。
11. 最良のアーキテクチャ、要件、設計は、自己組織的なチームから生み出される。
12. どうしたらチームが効率をより高めることができるかを定期的に振り返り、それに応じて効率を向上させる。
Web2.0型サービスを作り上げる上で、アジャイル開発においてのこれら価値や原則を、すべて網羅する必要はありません。しかし、本質的な意味を十分に理解し、適切な開発チームをつくりあげていくことが、ビジネスプロデューサーの手腕であるといえるでしょう。
■今回のポイント
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