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Web2.0とはなにか?

第54回 広告手法の変化

今回は、インターネットビジネスの最大の収益源である広告について考察していきます。インターネットがまだアカデミックな世界だった90年前半。いまでは雑誌広告を追い抜くまでに成長したインターネットメディアの将来は、このまま順調に推移するのでしょうか。

解説:小川 浩(株式会社サンブリッジ modiphi事業部エグゼクティブプロデューサー)

[プロフィール]

お がわ・ひろし●1996年、デル、ゲートウェイの代理店としてマレーシアにて日系企業及び在住邦人向けのPC通販ベンチャーを創業するなど、アントレプレ ナーとして活躍。その後日立製作所を経てサイボウズにジョイン。feedpathの基本設計を考案し、フィードパス株式会社のCOOに就任するが、 2007年12月に退任。現在は㈱サンブリッジにて起業準備中。ブロガーとしてSpeed Feed、「Web2.0BOOK」「ビジネスブログブック」シリーズなどの著作がある。

ATLとBTL

広告業界では、ATLとBTLという区別をもってメディアを分けています。ATLとはAbove The Lineの略、BTLはBelow The Lineの略です。

ATLとは、4大メディア(いわゆる4マス)と呼ばれる、テレビ、ラジオ、新聞、雑誌の4つのメディアです。BTLはそれ以外、たとえば各種のイベントやプロモーションなどのメディアのことで、インターネットもまたここに数えられています。最近では、取扱い高の規模において、インターネットは既に雑誌を抜いていますが、それでもまだ、ATLとしての扱いはされていません。

ATLとBTLの違いはメディアの違いではありますが、その目的にも差異があります。それはATLが主にブランディング戦略に基づくもの、つまりブランドの認知を高めることを目的にしているのに対し、BTLはむしろ消費者にダイレクトに働きかけて、売上を伸ばすことを主眼においたものであるということです。



バナー広告はいまやYahoo!のような巨大ポータル以外に出稿する意味がほとんどなくなっています。検索連動型広告はGoogleとオーバチュアの独断 場であり、広告代理店がメディアバイング(主立ったメディアの枠を予め買い占めること)やクリエイティブで差別化を図る代わりに、小型のネット企業が SEO|SEMを提供価値として市場をかたどっている状態です。

GoogleがYouTube上での広告をスタート

GoogleがYouTube向けに新しい広告手法であるオーバーレイを始めました。オーバレイは、動画コンテンツをみせながら広告をみせる手法で、アメリカでスタートさせています。

日本では残念ながらまだみることができませんが、米国時間8月21日の発表によれば、視聴者が動画コンテンツをみているときに、スクリーンの下にFLASHで作られたアニメーション広告を数秒間表示するというものです。

これまでの動画広告は、動画コンテンツの前後に広告用の動画を置くというのが一般的でしたが、これは簡単にスキップされてしまうため、ほとんど効果がありませんでした。




この方法が成功するかどうかはまだわかりませんが、Web上の広告がいよいよテレビなみにリッチになってきていること、およびAjaxを多用したサイトにおいてページビューはほとんど意味がなく、滞在時間をもってメディア価値を図る方向にきていることに対応した試みであることは言えると思います。

インタラクティブなWebサイト作りへ

RSS広告は、大きく分けて二つの手法を採り始めています。

一つはWebサイトの更新情報自体をメディアとしてとらえ、そこにミニバナーを差し込むという手法です。もう一つは、RSSフィードを配信するチャネルの中で、たとえば10のコンテンツを配信するごとに一つの広告フィード(内容がすべて広告)を差し込む手法で、スタンドアローンと呼ばれています。登場当時は、クリックレートが8%近いとまでいわれたRSS広告ですが、いまでは相当低くなっていると思われます。スタンドアローン広告は比較的新しい手法なので、ミニバナーよりは高いクリックレートと言われていますが、ユーザーからすると記事だと思ったら広告だった、という期待を裏切られることも多いため、早晩クリックレートは急落すると思われます。ユーザーが慣れてしまえば、避けられる運命です。

RSS広告は、これまでのWeb上の広告やメールマガジンの手法を模倣している状態であり、コンテンツ配信技術としてのRSSの新しさを活かしきっているとはいえません。RSSフィードというメディアならではの手法の開発が急務なのではないでしょうか。米国のRSSフィード発行管理代行の最大手FeedBunerを買収したGoogleがどのような戦略を施してくるのか、否が応にも注目せざるを得ません。

■今回のポイント
ネットの広告市場はすでに雑誌広告のボリュームを超えています。バナー広告も単なるビルボード効果から、クリック保証型や成果保証型へと移り、さらに検索結果連動型広告へと進化を遂げましたが、Web自体の進化に伴い、動画コンテンツを活かした広告モデルなどの新しい動きが見え始めています。ただ、いまのところ技術の進歩と広告手法の進化が必ずしも連動しているといえないところもあり、検索連動型広告が登場した頃と同じようなイノベーションが期待されるところです。
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