
第52回 ブランディングについて
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[プロフィール] お がわ・ひろし●1996年、デル、ゲートウェイの代理店としてマレーシアにて日系企業及び在住邦人向けのPC通販ベンチャーを創業するなど、アントレプレ ナーとして活躍。その後日立製作所を経てサイボウズにジョイン。feedpathの基本設計を考案し、フィードパス株式会社のCOOに就任するが、 2007年12月に退任。現在は㈱サンブリッジにて起業準備中。ブロガーとしてSpeed Feed、「Web2.0BOOK」「ビジネスブログブック」シリーズなどの著作がある。 |
ブランディングとは
逆に、コントレックスといえば?と問いかけをしたとします。この場合の回答こそがブランドイメージです。美容にいい水、という答えを得られたとすれば、コントレックスのブランドマネージャーは深く満足することでしょう。ちょっと味がエグイ水、とか値段が高い水、などの回答が出てきたとしたら、さすがに天然の水の味を変えるわけにはいかないので、そのネガティブな印象を逆手にとる戦略を考えようとするかもしれませんし、価格については下げればもっと売れるのか、それとも高いからこそ売れると考えるのか、いずれにしても、それなりに自分のブランドが世間でどう見られているのかを知ることができます。
ブランドプロミスとは
先述の例で言えば、「高級車」とか「美容にいい水」など最初の問いかけがブランドプロミスです。つまり、商品カテゴリを明確にして、ユーザーとの間でのブランドイメージを固定化することなのです。
このブランドプロミスは、ひとつのブランドに対して、One to one、つまり、他のブランドと同じであってはならないことが大事です。たとえば高級車、という、若干おおざっぱなカテゴリでくくってしまうと、メルセデス・ベンツのようによく知られるブランドと、ありとあらゆる高級車メーカーはカテゴリキラーとしての地位を争わなくてはなりません。
しかし、これがもし高級スポーツカー、というカテゴリにすれば、たとえばポルシェやフェラーリのブランド価値が見えてきます。あるいは、安全な高級車、といえば、ボルボのようなメーカーも入ってきますし、官能的な高級スポーツカー、といえばポルシェよりフェラーリのブランドが立ってきます。つまり、自分のブランドプロミスは、なるべく具体的かつセグメントを狭めたものでなくてはなりません。その狭い範囲の中で、誰よりも明確な価値を提供することがブランドの価値を際立たせることです。
コントレックスで言えば、ミネラルウォーター、というくくりであればエビアンとシェアを奪い合いますが、スリムウォーター、つまりダイエットに利く、美容にいい、というカテゴリに入ることでブランド価値を挙げています。この場合、コントレックスのブランドプロミスは「(飲み続ければ)痩せる」もしくは「体型を維持する」ということでしょう。ブランドプロミスは、そのブランドにロイアルティを持つ人に対して提供する価値のことなのです。
Webサイトとアプリケーションのブランドプロミスとは
ある意味、Web上のサービスは、ほとんどが利用すること自体は無料なので、このブランドプロミスの差別化が比較的難しいとは思います。そして、同時にそのブランドプロミスを明確にして、ユーザーに受け入れてもらうことができたサービスが成功を収めています。
たとえば、SNSのGREEとmixiを比較すると非常に面白いのですが、どちらもSNSですから、基本的には安全なコミュニティを提供する、というブランドプロミスを持っているはずです。
しかし、両社のコミュニティに対する捉え方には当初少々違いが見られていました。それは、GREEが「リアルの世界での友人関係をネットに置き換える」という考え方にあったのに対して、mixiは「バーチャルの友人関係を作る」ということに重きを置いた作りであったことです。この差が、いまのPCのWebにおける両社の力関係に出ていると思います。つまり、どちらのブランドプロミスもよかったわけですが、実際のネットユーザーに受け入れられたのは後者、mixiのスタンスだったわけです。 ブランドプロミスの選び方自体が、サービスの優劣やアプリの出来の差以上に、勝敗に結びつくよい証左です。

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