
第62回 Web2.0 EXPOにむけて - その2
Web2.0Expoの開催は、インターネット業界においては、今年最大の話題でしょう。今回も、Web2.0に関する考察を深堀していきましょう。
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[プロフィール] お がわ・ひろし●1996年、デル、ゲートウェイの代理店としてマレーシアにて日系企業及び在住邦人向けのPC通販ベンチャーを創業するなど、アントレプレ ナーとして活躍。その後日立製作所を経てサイボウズにジョイン。feedpathの基本設計を考案し、フィードパス株式会社のCOOに就任するが、 2007年12月に退任。現在は㈱サンブリッジにて起業準備中。ブロガーとしてSpeed Feed、「Web2.0BOOK」「ビジネスブログブック」シリーズなどの著作がある。 |
「Web2.0とはなにか」を何度でも考えてみる
しかしながら、BlogやSNSとは異なり、特定のサービスやソフトウェアではなく、Web上で起きているさまざまな現象、それもテクノロジーだけではなくユーザーの行動様式(behaviorあるいはattitude)などにまで関わる、一種の社会現象になっているがゆえに、結局明確な定義づけを欠いたままになってしまっていることは、必ずしもいいことではありません。安易に少しくらい目新しければ”2.0”的であるというお墨付きを与えてもてはやしてしまったりすることは、Web2.0を一過性のブームとして収束させてしまうことになりかねませんし、そうなれば、Webのサービスモデルの進歩を停滞させてしまうことになるかもしれません。
大切なことは、物事をきちんとみて、ちゃんと考えてみることです。何度でも何度でも、これはなんだろう、これはどうしてだろう、と頭を巡らし、本質を掴むまで考え抜くことだと思います。
Web2.0 = Blog2.0?
Web2.0 においては、情報の粒度がどんどん細かくなってきています。もともとのインターネットは、乱暴ないい方をすればサーバーとサーバーの接続、でした。それが Webが生まれて、今度はWebサイトというHTMLベースのファイルとファイルの接続=ハイパーリンクに代わりました。
さらに、Blogが台頭することによって、ページとページのリンクが一般的になります。Blogは一つの記事ごとにページを生成し、しかもその記事をまた別に一つのページに自動的にまとめる、という基本機能を持っています。一つの記事が一つのページ=ファイルを持つ、これがパーマリンクです。Blogが持つ優れた特性はパーマリンクだけではありませんが、Webがハイパーテキストによるハイパーリンクの集まりであるという前提のうえで考えると、パーマリンクがもたらした効果は計り知れないのです。
なぜなら、パーマリンクはパーマネントリンク、つまり、新しい記事を書いたときに古い記事が上書きされることなく、生成された記事は、ほぼ永久に一つのURLを保持し続けるからです。永久に変わらないURL=パーマリンクがあるということは、古い友人が何十年たっても同じ住所に住んでいていくれるようなものです。

情報の粒度の細小化傾向はWeb2.0 の大きな特長
ケータイが行き渡る前は、電話番号は一家に一つです。つまり、複数の人間が一つの番号を共有していますから、電話をかけても必ず、自分が話したい本人かどうかを確認する手間がありました。今はそんなことはないでしょう?また、数年前には、一つのメールアドレスを家族や社内で共有するようなこともみられました。いまではそんなことはありません。
つまり、一人一人に電話番号やメールアドレスが(あるいはBlogによってURLでさえも)割り当てられたことによって、デジタル社会の情報流通の粒度が細分化されたわけです。
ケータイの普及が実社会を大きく変えたことに異論を挟むひとはいないでしょう。単に公衆電話が少なくなったとか、電車の中でケータイをいじるひとが多くなった、というような表層だけではなく、たとえばケータイの料金がかさむせいで雑誌やゲームが売れなくなった、などという別の業界や経済に影響を与えているようなこともあるわけです。
Web2.0においてBlogがもたらした影響はこれに近い。一般個人がWeb上に情報をアップすることがカンタンになったこと、パーマリンクがWeb上のリンクの粒度を細かくしていることによって、Webがさまざまな変化をみせている、ということを、もう一度考えておくべきでしょう。
Web2.0EXPO開催まで、見所やポイントについて解説していきます。情報の粒度、というのは大切なキーワードです。次回も引き続きこの話題に触れていきます
次回をお楽しみに!!





