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Web2.0とはなにか?

第56回 Google vs Apple vol.2


GoogleとAppleは、あきらかにマイクロソフトにとって無視できない強大な脅威になりつつあります。Web2.0は、そのキーワードとしての”自由さ”から、さまざまな次世代型のサービスやアプリケーションなどの方向を表現するために応用されていますが、その中でもエンタープライズ2.0と家電2.0の観点から話を進めていきます。

解説:小川 浩(株式会社サンブリッジ modiphi事業部エグゼクティブプロデューサー)

[プロフィール]

お がわ・ひろし●1996年、デル、ゲートウェイの代理店としてマレーシアにて日系企業及び在住邦人向けのPC通販ベンチャーを創業するなど、アントレプレ ナーとして活躍。その後日立製作所を経てサイボウズにジョイン。feedpathの基本設計を考案し、フィードパス株式会社のCOOに就任するが、 2007年12月に退任。現在は㈱サンブリッジにて起業準備中。ブロガーとしてSpeed Feed、「Web2.0BOOK」「ビジネスブログブック」シリーズなどの著作がある。

エンタープライズ2.0とは


エンタープライズ2.0とは、Web2.0の特徴を活かしたWeb型の企業向けアプリケーションやソリューションの総称です。

その定義は、Web2.0という存在そのものの定義が語る人によって若干あやふやであるように、現時点では明確なものがあるわけではありませんが、基本的には下記のようになります。

・インタラクティブ(双方向)であること
・オープンデータであること

これら二つの条件を兼ね備えた新しいイントラネット用のアプリケーションもしくはサービスであり、その用途としては社員の知識共有を目的にしたものが多いということが言えるでしょう。

*詳しくは筆者のITmediaへの寄稿を参照

アプリケーション自体の種別はさまざまです。たとえばセールスフォース・ドットコムはSaaS(ソフトウェア・アズ・ア・サービス)モデルであるがゆえに2.0であるといえますし、Ajaxを多用しているからエンタープライズ2.0であると主張するベンダーのサービスも存在します。

いずれにしても、Web型であり、Web2.0時代に生まれた新しい企業向けサービスはすべからずエンタープライズ2.0時代の産物であるといっていい、と思いますが、本当にそれらが”2.0的”であるかどうかは、上述のごとく、従業員同士もしくは経営層と従業員のコミュニケーションや情報共有が双方向となる環境を作るものであり、そこで流れるデータがXML(RSSを含む)のように標準的且つ流用性のある開かれたフォーマットであることが決め手になる気がします。

Google Appsによる本格的な法人市場への侵攻


筆者はベンチャー企業の運営をしており、マイクロソフトの商品やグループウェアを購入することが資金的に許されません。Macユーザーだから、ということもありますが、Google Appsを利用しています。利用しているのは、下記の3つです。

・メールソフトであるGmail
・スケジュール管理ソフトであるGoogle Calendar
・表計算+ワープロであるGoogle Docs & Spread Sheets

余談ですが、近々プレゼンテーションソフトが追加されるという噂もありますが、現状Mac用のプレゼンソフトであるKeynoteの使い勝手を超えることはありえないため、それを使うことはほとんどないでしょう。

さて、本題に戻りましょう。このGoogle Appsに、最近ロゴの変更機能がつきました。図のように、自身のサービスのロゴに変更して使っており、チームのモチベーションとロイアルティを高めているわけですが、こうした細かなサービス修正が、頻繁に行なわれているのがSaaS型のサービスの特長であり、利点であると言えます。

Googleは今年になって、急速に企業向けのSaaSビジネスに真剣に取り組み始めており、サービスの使い勝手の向上は目を見張るものがあります。

ロゴの変更機能でロゴを変更
ロゴの変更機能でロゴを変更

.Macは10GBに



かたや、コンシューマ向けのサービスであるAppleの.Macは、mac.comというMacユーザーならどうしてもほしがるであろうメールアドレスと、カレンダー、Webサイト制作サービス、オンラインアルバムなどの、どちらかというとエンターテイメント的なサービスを有料で提供しています。

.Macの特長は、iTunes Storeに必要なIDと共通のアカウントであることや、MacおよびiPhone、iPod touchなどのハードウェアとの連携の、いわばオンラインハブとなっていることです。

パーソナルコンピュータ、という市場の覇者は、
・Intel + Windows + 汎用的なPC
の組み合わせです。

Appleは、従来は
・PowerPC + Mac OS + Mac
という組み合わせでこの市場での生き残りを図ってきましたが、数年前に、
・Intel + Mac OS X + Mac
と方針転換しました。

PC全体のシェアをみれば、確かにMacはマイノリティですが、その分、世界で一番売れているPCメーカーは?という問いは今ではほとんど意味を成しません。単体のパソコンメーカーとしてのMacは、十分高収益な事業ですが、他のPCメーカーの存在感は今ではないと言ってもいいのではないでしょうか?

Appleはシェア争いではなくMacのブランド価値向上に勝負の力点をシフトしたことにより生き残り、さらにそのブランドをiPodという音楽プレイヤーにうまく広げることに成功しました。iPodの次はiPhoneによってケータイへとさらに広げます。

そして、ここにきて、iPhone、そしてiPod touchのOSをMac OS Xに切り替えたことによって、OS X搭載の機器数を単純なパソコンの台数ではなく、ポータブルなハイテク機器を含む、より巨大なニーズの中で数えるべきである、としたのです。


家電2.0への道


Appleは今後、ケータイだけではなく、OS Xを搭載したさまざまな家電の提供に乗り出してくる可能性があると思います。

もちろん携帯電話市場での成功はまだ安泰なものではないので、そう簡単に次の商品への展開をするわけではないでしょうが、タッチパネルと非常にシンプルなリモコン操作を備えた無線LAN付きの液晶テレビなどはいますぐにでも作れそうです。

要するに、Appleは単機能的なハイテク商品をリデザインして、ちょっとした付加価値を加えて提供することが非常にうまい企業なのです。複雑な機能を持ったパソコンのようなものではなく、家電のように使う目的がはっきりとした商品に対して、ものすごく使い勝手の良いインターフェイスと高い質感のデザインを加える技術に長けているのです。

この特長はかつてのSonyが有していたものですが、強いリーダーシップを無くしたうえにインターネットそのものの破壊的意義に乗り損ねたSonyは数年の遅れを喫してしまっていると思います。

マイクロソフトもまた、WindowsとMS OFFICEの組み合わせというドル箱が、Googleによって無力化されていくことに怯えつつ、同時にXboxなどによる家庭用製品・サービスへの取り組みを行なってきましたが、ここでは明らかにAppleに先手を取られてしまっています。

エンタープライズ2.0と家電2.0。この二つの流れに共に乗り遅れたとき、マイクロソフトは前時代の恐竜として、大きいが低収益な企業という幾分気の毒な立場に追いやられてしまうかもしれません。



■今回のポイント
GoogleとAppleは戦略的にかぶることもありますが、基本はマイクロソフトの市場をうまく両者で食い分けながら伸長している状態です。最近ではアドビがオンラインPhotoshopのサービスに乗り出しており、OSを戦場とするのではなくWebをステージとすることでマイクロソフトの牙城を崩そうとしてます。Web2.0は、1.0時代の常識をすべて覆す、強大な波であることを、われわれは認識するべきでしょう。

次回をお楽しみに!!
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