
第11回:Microsoft vs Google?
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[プロフィール] お がわ・ひろし●1996年、デル、ゲートウェイの代理店としてマレーシアにて日系企業及び在住邦人向けのPC通販ベンチャーを創業するなど、アントレプレ ナーとして活躍。その後日立製作所を経てサイボウズにジョイン。feedpathの基本設計を考案し、現在に至る。ブロガーとしてSpeed Feed、「Web2.0BOOK」「ビジネスブログブック」シリーズなどの著作がある。 |
Web1.0時代の覇者であるマイクロソフト
そのMicrosoftに激しい戦いを挑んだのはNetscapeです。彼らはプラットフォームをOSからブラウザーにシフトさせようと考えましたが、MicrosoftがInternet Explorer(以下IE)の開発に巨額の投資を行うと、Netscpaeは市場から抹殺されてしまいます。その結果、Web1.0時代におけるプラットフォームはOS、つまりWindowsとIEという組み合わせになり、引き続きMicrosoftがプラットフォームを独占し続けることになりました。つまり、OSのうえで動くアプリケーションでの戦いを挑めば、結局ところOSに死命を握られてしまうことがはっきりした瞬間であったといえます。
マイクロソフトは、このプラットフォームを押さえることによって、WndowsとMS Officeのパッケージ販売を押し進め、巨額の収益をあげています。逆に言うと、WindowsというOSの地位が地盤沈下するようなことがあれば、Microsoftといえども存亡の危機に陥るわけです。つまり、OSやブラウザーから、Webそのものがプラットフォーム化している状況(イコールWeb2.0)に対して、Microsoftが危機感を覚えるのは当たり前のことといえるでしょう。実際MicrosoftもMSNというポータルサイトを運営しており、Web上での集客力を収益力に変える試みに挑戦していますが、いまのところ成功しているとはいえません。
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Web2.0時代に突入して勢力図に変化が…
Microsoftは現在、Googleへの対抗手段として、Windowsが持つ強みである圧倒的な知名度と世界的な普及度を利して、Windows LiveやOffice Liveと呼ぶ、ネットサービスを展開し始めています。基本的に無料で使えるさまざまなサービスを提供しながら、広告や小口課金で収益をあげる、Googleとほぼ同様のコンセプトです。
Microsoftの試みとは真逆に、Googleは消費者向けの完全無料サービスを、今度は徐々にビジネス市場に向けて提供しはじめています。Google Apps for Your Domainと呼ばれる新サービスがそれです。WebメールであるGメールに表計算ソフトやスケジュール共有ソフトをバンドルして、企業利用にも使えるようなサービス設計に着手しているのです。つまり、MicrosoftとGoogleは、それぞれ反対の立場から、互いの領域に攻め込み始めているわけです。
Microsoftは、自社に対抗しようとする勢力をことごとく退けてきましたが、今回はじめて本当の強敵との生存競争にさらされている、といえるでしょう。Web2.0という新しい世界のなかで、史上まれに見る急成長を続けているGoogleと、プラットフォームの変換という激震に直面しつつも、次の新世界での覇権も維持しようとするMicrosoftの戦いは、今後のわれわれの生活にさまざまな影響を与えるに違いありません。
■今回のポイント





