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Web2.0とはなにか?

第17回 イントラネット2.0について


Web2.0という変革の波は、われわれの生活の、ありとあらゆるシーンに関わってくるということは何度も述べた通りですが、企業の業務フローへの影響も大きいと考えられます。今回は、イントラネットの2.0化について述べていきます。

解説:小川 浩(フィードパス株式会社)

[プロフィール]

お がわ・ひろし●1996年、デル、ゲートウェイの代理店としてマレーシアにて日系企業及び在住邦人向けのPC通販ベンチャーを創業するなど、アントレプレ ナーとして活躍。その後日立製作所を経てサイボウズにジョイン。feedpathの基本設計を考案し、現在に至る。ブロガーとしてSpeed Feed、「Web2.0BOOK」「ビジネスブログブック」シリーズなどの著作がある。

イントラネットは「汽水湖」

企業内において、一般的に社員はイントラネットと呼ばれるネットワークにアクセスして業務を行っています。インターネットを「海」に例えると、従来のイントラネットは「湖」であったと言っていいと思います。この10年で、Web、TCP/IPといったインターネット技術がイントラネットを変えてきました。グループウェアがWeb型になり、EIP(社内ポータル)も普及し始めたこともその表れです。この現象は、海から海水が流れ込み、水質が変わってしまった湖のようなものだといえるでしょう。(こういう淡水に海水が混じった湖を「汽水湖」といいます)

企業内のネットワークが社内LANと呼ばれていた時代、そのネットワークは社外とは完全に隔絶された、「湖」であったといえます。それが、インターネットの登場以降、社内にWebサーバーを置き、ブラウザー経由で情報の閲覧を行うようになり(つまりイントラネット)、社内のネットワーク環境は物理的にはインターネットにかなり近い構成になってきました。この状態を、筆者はイントラネット1.0と呼んでいます。 Webの影響を受けた社内ネットワークであるイントラネットは、汽水湖が海水が混在することによってできた環境に似ているわけです。
 
 

イントラネット2.0へ

ところが、インターネットではWeb2.0という新しいパワーシフトが起きており、その進化の速度を早めてきました。いったんは接近したかに思われたインターネットとイントラネットの環境は、この数年で再び大きな相違を見せ始めることになりました。

そうした格差を埋めるため、企業向けのアプリケーションベンダーは、さまざまな新しいアプローチを考えるようになります。

たとえばブログをイントラネットで活用するというコンセプトであるイントラブログや、同様に社内SNSのようなシステムが登場してきており、また、エンタープライズサーチの導入の一般化などが新たな現象として顕在化してきています。インターネットにGoogleがあり、BlogがありSNSがあるのに対して、イントラネットにないことはおかしいでしょう、ということです。つまり、イントラネットにさえもWeb2.0の影響が及んできているわけです。

この現象は今後ますます進み、イントラネットはインターネット上に見られる構成とほとんど変わらなくなるだろう、と思われます。この状態を筆者は「イントラネット2.0」と呼んでいるのです。
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イントラネット2.0の構成要素
イントラネット2.0の構成要素

イントラネット2.0のその先

ところが、イントラネット2.0は、結果的には過渡的な状態に過ぎない、と筆者は考えています。イントラネットという存在は完全に消滅したりはしないまでも、今後はホスティングサービスによる企業内ネットワークのアウトソース化が進むと考えているのです。これはSOX法や企業のコンプライアンスの考え方、個人情報管理などのコストアップを企業が避ける方向にあるということと、結局 SaaSのムーブメントが企業ユーザーにも根付くと考えているためです。

つまり、Web2.0の破壊的な波は、イントラネットという湖を大海の一部としてつないでしまい、その水質を大きく変質させてしまいます(=イントラネット2.0)。しかし、その状態は長く続かず、主流は社内ネットワークではなく、SaaS型のアウトソーシングへとシフトしてしまい、いわゆるイントラ、という形式ではなくなる、という見方をしているのです。

イントラネット2.0 は、今年から来年にかけて、主に中堅以上の企業に対して実現してくるでしょう。そして、その先は、インターネットとイントラネットの区別ではなく、全てのネットワークがWeb2.0的に変質し、接続された状態になっていくと予測します。
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?■今回のポイント

Web2.0が、Webがプラットフォームとなった事実を受けいる事から始まる以上、企業内ネットワークもまた大きな変貌を遂げていきます。イントラネットの2.0化は今年から来年にかけて加速しますが、それをすぐに時代遅れにするSaaS型企業ネットワークが同時に台頭し始めるでしょう。

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次回につづく
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