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Web2.0とはなにか?

第15回 Google vs マイクロフォーマット


Googleが世界のありとあらゆる情報をWeb上にアップロードし、そしてそれらをすべて自社のインデックスサーバーにダウンロードしようと試みていることは、これまで述べた通りです。YouTubeを買収したのもその一環でしょう。その結果、インターネットを利用するあらゆる組織や個人の情報が、Googleの手のうちに入ってしまうというリスクがあり、それが各国政府の危機感を煽っています。

解説:小川 浩(フィードパス株式会社)

[プロフィール]

お がわ・ひろし●1996年、デル、ゲートウェイの代理店としてマレーシアにて日系企業及び在住邦人向けのPC通販ベンチャーを創業するなど、アントレプレ ナーとして活躍。その後日立製作所を経てサイボウズにジョイン。feedpathの基本設計を考案し、現在に至る。ブロガーとしてSpeed Feed、「Web2.0BOOK」「ビジネスブログブック」シリーズなどの著作がある。

Google Baseの試み

Googleの試みの中でももっとも破壊的なサービスは「Google Base」です。Web上に情報をアップするためのテンプレートをユーザーに無料で差し出し、そのテンプレートで書き出された情報は、常にGoogleの検索エンジンに最適化された状態で反映されます。Googleは、世の中のすべての人間に、Googleのインデックスサーバーにデータをアップロードする手伝いをさせたいようです。

実は「Google Base」に対抗できる手段の一つとして、最近急速に賛同者を集め始めている、あるムーブメントがあることをご存知でしょうか。それはマイクロフォーマットと呼ばれるものです。XML準拠のHTMLであるXHTMLに、メタデータを持たせることによってコンテンツを構造化するしようという試みです。構造化のためのフォーマットを、細小単位(マイクロ)で規定していくので、マイクロフォーマットというのです。

マイクロフォーマットの挑戦

コンテンツの種類によって幾つかのマイクロフォーマットが作られています。イベント情報を書き出すための「hCalendar」、商品などのレビューに用いる「hReview」、オンラインの名刺用の「hCard」、自分以外の第三者を評価して、自分との人間関係を書き出すXFN(XHTML Friend Network)などがあります。これまでは使いこなすのが面倒だという理由で普及の方向にあるとは言いがたかったのですが、2006年6月になり、Yahooが「hCalendar」「hCard」「hReview」の3つを自社サービスに採用することを発表したうえで、XFNを同社のソーシャルネットワーキングサービスに、本格的に採用する方向であることも明かしています。

また、マイクロソフトはRSSの拡張仕様 (SSE)に、マイクロフォーマットを取り入れる動きをしているとのことです。こうした動きの中、マイクロフォーマットは今後静かに深く普及へと進む可能性がでています。
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細小化するデータ

マイクロフォーマットを本格的に利用すると、情報の検索範囲がさらに細小化し、リンクされるデータ構造が緻密化していきます。すると、検索性も向上し、これまでは見つからなかった情報までも検索することが可能となるでしょう。まさしくセマンティックWebにかなり近づくことができるかもしれないという期待があるのです。

マイクロフォーマットは、ブログ検索大手のテクノラティのタンテック氏が中心となって動いています。テクノラティは2006年5月に、マイクロフォーマットで記述された情報を優先して検索できる新しい検索サービスを公開していますし、「RSS/Atom Feed」との組み合わせによって、データの収集やマッチングサービスに影響を及ぼすことは間違いないと思われます。試みとしては、「Google Base」に非常に近しいのですが、Google Baseのデータ仕様がある意味クローズドな(閉じられた)モノであるのに対して、マイクロフォーマットはオープンな規格であり、誰にでも開かれたフォーマットです。これを利用する者は誰でも、非常に構造的できれいなデータをWeb上にアップロードすることができるようになるのです。

言ってみれば、「Google Base」を中核としたGoogleとマイクロフォーマット採用企業群の「情報の構造化」の方法における新しい冷戦が始まろうとしているといえます。これを無視していると、Web上でビジネスを行ううえで、取り返しのつかないビハインドを受けることになるかもしれません。
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アップロードする流れの部分に、Google Base とマイクロフォーマットの二つが入るイメージ図
アップロードする流れの部分に、Google Base とマイクロフォーマットの二つが入るイメージ図

■今回のポイント

Webに情報をアップロードするときに、構造的なフォーマットで行わせることができれば、Webは徐々にきれいになり、ネットワーク化がよりいっそう進みます。こうした地道な作業にトライしている企業や団体の間で、イニシアティブ争いが今後顕在化する可能性があります。

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