
第38回 WebとFeedに関する考察-2
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[プロフィール] お がわ・ひろし●1996年、デル、ゲートウェイの代理店としてマレーシアにて日系企業及び在住邦人向けのPC通販ベンチャーを創業するなど、アントレプレ ナーとして活躍。その後日立製作所を経てサイボウズにジョイン。feedpathの基本設計を考案し、フィードパス株式会社のCOOに就任するが、 2007年12月に退任。現在は㈱サンブリッジにて起業準備中。ブロガーとしてSpeed Feed、「Web2.0BOOK」「ビジネスブログブック」シリーズなどの著作がある。 |
Webサイトの要素分解
コンテンツとは、メディアとして伝えたい情報そのものです。そして、デザインはそのコンテンツを分かりやすく伝えるための表現方法であり、サービスとはユーザーに対して何らかのアクションを実行させるためのものです。例えば、メールなどによるユーザーからのフィードバックを受けるためのコマンドであったり、Eコマースにおけるペイメントサービスであったりもします。いずれにしても、原始的なWebサイトは、HTMLによって(レイアウトを含む)デザインをまず優先し、テキストあるいは掲載した画像などによって人間の目を通じてその情報を伝えます。
しかし、昨今のWebサイトはHTMLのバージョンが上がり、ブラウザが進化するに従って、この要素を、個別に規定することが可能になっています。つまり、デザインはCSSによって個別に取り決めることができるし、コンテンツはRSSフィードとして別に書き出すことが可能になっています。そして、サービスはいわゆるWebサービスとして、XMLを中心とした言語によってより構造的なものへと生まれ変わっています。
例えば、最近のWebサイトは、見た目はすべてCSSによって定義し、コンテンツとは切り離しているから、色やデザインの変更をユーザーにゆだねることができるようになっています。また、広告はアドセンスというWebサービスを用いることによって、自社で管理する必要がありません。
RSSフィードのメディア化、そしてWebサービス化
現在のRSSフィードの主要利用目的は、あくまで更新情報の通知であり、Webサイトへの訪問を促すための手段にすぎません。いつ更新して、どの部分の内容が更新されたかをユーザーに知らせるためだけに利用されているのですが、実際は、RSSは、更新された全ての部位を、テキストだけではなく画像も含めて全てユーザーに届けることができる、可読性に優れたフォーマットです。CSSによって切り出されたレイアウトやフォントの大きさ、カラーなどの情報を持っていないだけで、Webサイトの更新者が読者に伝えたい全ての情報を掲載してRSSフィードとして配信することが可能なのです。
最近のブラウザはIE7をはじめ、Safari、Firefoxなど、ほとんど全てがRSSを閲覧することが可能です。従って、RSSフィードは、レイアウトなどのデザイン情報をもっていない、生のコンテンツ情報であるというだけで、それ以外は通常のWebサイトと同じ役割を果たすことができると考えるべきです。
つまり、RSSフィードは、Webサイトの副産物というよりは、別のフォーマットによる新しいメディアになる可能性が高い、ということです。今は単なる更新通知にすぎないRSSフィードが、やがてはよりリッチなコンテンツを含んで、メディア化することは間違いようのない方向であると言えるでしょう。
さらに、RSSフィードは、それ自体にRSS広告のようなWebサービス、あるいはポッドキャストのような音声や画像、動画データへのリンク情報を付与することが可能です。つまり、RSSフィードは非常にシンプルながら、Webサービスとしての活用方法も期待されています。
今後、Blogやニュースサイトのみならず、EコマースやSNSなど、ありとあらゆるWebサイトがRSSを配信していきます。RSSを読むツールはRSSリーダー(別名フィードリーダー)です。RSSリーダーを使ってそうした様々な更新情報を受け取っていると、その先にWebサイトがあるかないかは関係がなくなってきます。北極星は800光年も地球から離れているので、実はもはや星そのものがなくなっているとしても、誰も気がつきません。それと一緒で、RSSだけを読む習慣がつき始めているユーザーからすると、RSSフィードとWebの区別もつかなくなっていくはずです。







