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第70回 2008年のネットトレンド-検索サービス部門/動画検索サービス

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Web2.0とはなにか?

第70回 2008年のネットトレンド-検索サービス部門/動画検索サービス


2008年最初の更新となりました。ネットの世界はこれまで以上に早いテンポで新しい局面をみせてくることになるでしょう。今回からは、今年の主役になるかもしれないさまざまな新サービスや、その傾向について触れていきたいと思います。まずは、検索サービス、その中でも今日は動画検索サービスについて考察していきましょう。


解説:小川 浩(株式会社サンブリッジ modiphi事業部エグゼクティブプロデューサー)

[プロフィール]

お がわ・ひろし●1996年、デル、ゲートウェイの代理店としてマレーシアにて日系企業及び在住邦人向けのPC通販ベンチャーを創業するなど、アントレプレ ナーとして活躍。その後日立製作所を経てサイボウズにジョイン。feedpathの基本設計を考案し、フィードパス株式会社のCOOに就任するが、 2007年12月に退任。現在は㈱サンブリッジにて起業準備中。ブロガーとしてSpeed Feed、「Web2.0BOOK」「ビジネスブログブック」シリーズなどの著作がある。



多様化する検索サービス


検索サービスといえば、GoogleあるいはYahooという回答をする人がほとんどだと思いますが、一言で検索といっても、実は最近では非常に多角化しており、GoogleやYahooがダントツでシェアをキープできているのは、Web上のテキストコンテンツを検索する、いわゆるWeb検索の分野だけです。その他の分野では、まだまだ群雄割拠が続いているのが現状です。

検索に詳しくない人であれば、多様化と言っても他にどんな検索があるのか?と思うかもしれません。2000年代に入ってから進化したWeb、つまりWeb2.0の世界では、さまざまなサービスが多角化・多様化し、より複雑に、より細かく分化しています。これは別にITの世界に限ってのことではなく、ありとあらゆる業界で、市場自体が大きくなるにつれて、そこに生まれるサービスや製品はどんどん細かく分散していきながら、小さなニーズやリクエストに応えようと進化していくのです。(生物もまた同じです。これは世の理であるといえます)

従って検索サービスにも同じことがいえるわけです。まず検索するエリアを考えると、以下の3つの検索があります。

・ネット上を検索するWeb検索
・社内のネットワーク(イントラネット)を検索するエンタープライズサーチ(or 企業内検索)
・パソコンのハードディスク内を検索するデスクトップ検索

当然上記の3つのエリア検索の中では、Web検索が普及し始めた歴史が最も古いので、結果としてWeb検索が最も進化しています。進化するということは細分化するということです。実際、その通りになっています。(検索するエリアである)ネット上には検索する対象のファイル形式があり、今度はそのファイル形式に特定した検索技術が生まれてくるのです。

インターネット上の検索エンジンが普及し始めたときは、Web検索とはWebサイト全体もしくはその中のテキスト情報を検索するサービスを意味していました。そして、Webサイトというネット上の情報公開フォーマットにブログという形式が生まれてからは、Web検索は通常のサイト検索と、ブログ検索に分化しました。ブログ検索の派生として、フィード検索、タグ検索なども生まれ、さらに、ネット上に画像や動画などのリッチコンテンツが増えてくると、当然画像検索や動画検索が登場してくるわけです。



動画検索サービス市場の盲点


ようやく動画検索の話にたどり着くことができました(苦笑)。検索サービスがどんどん細分化し、進化する様を理解いただけたとも思います。

それがなぜかを話す前に、まず静止画像の検索について少し説明します。画像の検索には二つの技術トレンドがあります。一つは画像のファイルデータそのものを分析する方法、もう一つは画像データのファイル名や、データが置いてある周囲のテキストなどを収集して、その画像がなんであるかを分析しようとする方法 です。

動画検索技術は基本的に静止画像の検索と同じです。動画とは静止画像 x nコマ、であり、ぱらぱら漫画ですから、一コマ一コマを分析することができれば正しく検索できるし、長い動画の中の特定の部分に目的の情報があることを引き抜いて来れます。ただ、残念なことにこの方法での動画検索エンジンはまだ実用に堪えません。静止画像の無数のファイルをいちいち分析するのはあまりにも時間がかかるからです。結果的に、動画検索サービスでも、ほとんどは周囲のテキストデータや、動画に付与されたタグなどを使って検索するしかありません。その検索結果をどういう順序で並べるかは各社のアルゴリズム次第ですが、となると、結局Googleに勝てないのではないか、という気がしてきます。

さらにいうと、動画の場合、ほぼYouTubeやアメーバビジョン、ニコニコ動画などの、動画コンテンツのストレージ提供会社のサービスから検索しています。つまり、世界的にみれば検索結果のほとんどはYouTubeの中にあることになります。であれば、わざわざその検索サービスを使わずともYouTubeを使えばいいし、あるいはYouTubeを持つGoogleの動画検索のほうが正確、ということになってしまうのです。これが動画検索サービス群が持つ大きなジレンマです。

以下に日本の動画検索サービス群を、「ポルシェ」という同じクエリを使って試してみました。どの検索結果をみなさんは気に入るでしょうか?


http://taggy.jp/


http://www.fooooo.com/


http://sagool.jp/movie/


http://saguri.jp/

さらにいうと、普通通りにGoogleを使って動画の検索をしたとします。すると、上述の動画検索サービスの検索結果がGoogleの検索結果として表示されることが多いことに気づくことでしょう。つまり、動画検索サービス群はたしかにページビューを伸ばしているのですが、それはGoogle経由であり、単にSEO的に動画検索というサービス形式がよかっただけ、ということなのかもしれないのです。つまりトップページのアクセスは実はそれほどではない、かもしれないのです。

このことは、ビジネス的にいうと悪くありません。Google依存をしているにしても、PVが上がれば広告事業としては成り立つわけですから。ただ、動画検索という市場そのものが、結局Googleのサイト検索に集約されてしまう危険性は十分にある、と筆者は思っています。

現在の、動画データの周辺テキストの検索という方法に依存し続ける場合、あるいは検索対象の多くがYouTube経由になってしまう場合、この見通しはかなりの精度で当たる、と思っています。


■今回のポイント

検索は今後もインターネット技術の最重要項目です。今後もさまざまな検索技術を擁するベンチャーがGoogleの牙城に迫ろうと旗揚げを繰り返すでしょう。


次回をお楽しみに!!

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