
第49回 フィードは近代戦におけるミサイル
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[プロフィール] お がわ・ひろし●1996年、デル、ゲートウェイの代理店としてマレーシアにて日系企業及び在住邦人向けのPC通販ベンチャーを創業するなど、アントレプレ ナーとして活躍。その後日立製作所を経てサイボウズにジョイン。feedpathの基本設計を考案し、フィードパス株式会社のCOOに就任するが、 2007年12月に退任。現在は㈱サンブリッジにて起業準備中。ブロガーとしてSpeed Feed、「Web2.0BOOK」「ビジネスブログブック」シリーズなどの著作がある。 |
兵器の進化とインターネットビジネス
巨大戦艦の建造は第二次世界大戦の初期にはすでに時代遅れになり、空母によって多くの艦載機を攻撃の手段にすることが主流となりますが、ドイツではさらに進んでV2ロケットと呼ばれるミサイルの実用化が進みます。
つまり、重要なのは弾薬をいかにして敵地に落とすか、あるいは当てるか、です。その方法として、最初は戦車や戦闘機など、弾薬を発射する装置が自走して敵陣まで向かう方法が開発されたわけです。その次には、爆撃機による攻撃が考案され、そして最後に、弾薬そのものを敵陣地にダイレクトに飛ばす方法にたどり着きます。それがミサイルなわけです。いまでは自分の陣地から地球を半周して敵陣地にミサイルを落とすことも可能になっています。
何がいいたいのかというと、インターネットにおけるビジネスモデルもまた戦争に例えることができるし、同じようにターゲットにリーチする方法の進化がみられるということです。その論旨で言えば、フィードこそがミサイルである、と言えると思っています。
Webはコンテンツの格納庫、フィードはコンテンツの運搬手段

・ビジネスは戦争に例えられることが多い
・ネットビジネスにおけるコンテンツ=爆弾
・戦争では爆弾を敵に当てなくてはならないが、ネットではコンテンツを効率的に読者に届けた方が勝ち
・戦車、戦艦、空母、爆撃機、などと兵器は進化したが、要は敵に爆弾を当てる距離まで近づくための方法
・現代では最も効率的に爆弾を当てる方法はミサイル。
・フィード= ミサイル
これをある意味、インターネットの進歩に置きかえてみれば面白い対比ができます。インターネットの歴史も、途中のまどろっこしい工程をどんどん省略し、簡単でシンプルに、もっとも効果を上げる方向へと向かっているわけですから。
ハイパーリンクが考案され、ウェブページからウェブページへとネットサーフィンしていたのはインターネット創成期の話です。ネットサーフィンの本来の目的は、ウェブサイトをくまなく見て回ることではなく、目的のページにたどり着いて、必要な情報を収集することです。だからこそ、目的のウェブサイトに素早くたどり着けるように検索エンジンが発達してきたわけです。情報を取得するだけならば、実のところ何もウェブサイトまでいかなくてもいいでしょう。つまり、フィードと は実弾そのものを飛ばすようなもの、すなわちミサイル同様に、非常に洗練された道具なのです。
フィードをより効率的な”兵器”にするには
その理由を筆者はこう考えます。
・有効飛行距離が短く、爆弾の威力が小さいときはミサイルは普及しなかった。
・今のFeedはコンテンツが弱く、さらに読者に登録させる方法が一般的ではないので普及していない。
・逆に言えばFeedがよりリッチなコンテンツを持ち、検索に頼らないリーチ方法を確立すればよい。
現在のフィードは、単なる更新通知であり、Webサイトへの誘致手段でしかありません。しかし、いったんユーザーに購読してもらいさえすれば、ほぼ常時、ユーザーにリーチできるのがフィードのよさです。また、現在はまだコンテンツそのものが少ないので、やはりWebサイトに戻らなくてはいけないことは多いですが、フルコンテンツが入ってくれば=強力な爆発力があれば、Webにもどる理由はありません。
この両面の”進化”を考えることで、フィードはより有効なビジネス兵器になっていくことは間違いありません。





