第72回 2008年のネットトレンド-続・クラウドコンピューティング | デザインってオモシロイ -MdN Design Interactive-

第72回 2008年のネットトレンド-続・クラウドコンピューティング

2026.5.3 SUN

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Web2.0とはなにか?

第72回 2008年のネットトレンド-続・クラウドコンピューティング


前回に引き続き、クラウドコンピューティングに関する話題をとりあげていきます。いままでインターネット イコール コンピューティングではなく、ローカルで作ったデータをWebを通じてインターネットにアップするのが、ネットとコンピュータのつながり方でした。それが いまや、直接ネット上でデータを作成して、そのまま保存することが一般的になっており、つまりインターネット イコール コンピューティングとなったのです。


解説:小川 浩(株式会社サンブリッジ modiphi事業部エグゼクティブプロデューサー)

[プロフィール]

お がわ・ひろし●1996年、デル、ゲートウェイの代理店としてマレーシアにて日系企業及び在住邦人向けのPC通販ベンチャーを創業するなど、アントレプレ ナーとして活躍。その後日立製作所を経てサイボウズにジョイン。feedpathの基本設計を考案し、フィードパス株式会社のCOOに就任するが、 2007年12月に退任。現在は㈱サンブリッジにて起業準備中。ブロガーとしてSpeed Feed、「Web2.0BOOK」「ビジネスブログブック」シリーズなどの著作がある。



Webこそがプラットフォームから始まったプラットフォーム争奪戦


インターネットでもっとも使われているアプリケーションはメールとWebですが、メールはすでに、少なくとも一般的なネットユーザー、特に若い世代では既にWebに統合され、ネット上にシフトしています。

筆者が学生相手に十数回にわたり確認したところ、アウトルックやベッキーといったメールソフトを日常的に使っているユーザーはゼロです。では何を使ってい るかと言うと、彼らはGmailやYahooメールなどのWebメールを使っているわけです。モバイルにおいては常用できるスペックのWebメールが存在 していないし、各キャリアのメールを各メーカー別のプリインストールソフトを使うしかないので、まだまだWebがプラットフォームになることは難しいです が、PC上では既にパワーシフトは終わっています。

Webのプラットフォーム戦争は、さまざまな企業がさまざまな用語とアイデアを打ち出すことによって、今年劇的な展開をみせるでしょう。


Googleの試み


Googleは、ハードウェアで攻めてきたAppleとは異なるアプローチでがケータイ市場の制圧に乗り出し ています。ケータイOSと称されることも多いのですが、Androidというケータイ上でのアプリ開発のためのオープンプラットフォームを提案し、日本で も既にドコモとの提携を通じて積極的に展開し始めています。

Appleがあくまで人間的な情感やライフスタイルに訴える戦略をとっているのに対し、Googleはアンドロイド(人造人間)というネーミング(もとも とそういう名前のベンチャーを買収した)からして冷たく、論理的であっても機械的な姿勢を崩さないところは非常に対照的です。

また、Web上では、検索エンジンの触手が届きづらいクローズドな世界であるSNSに対しても、複数SNS上で利用できるオープンなアプリケーション開発用のプラットフォーム「OpenSocial」を発表することで対抗しています。

Googleにとっては、検索エンジンこそがプラットフォーム、なのでしょうが、現時点ではモバイルインターネットとSNS、そして企業のイントラネットは、鎖国状態の世界であり、そこをこじあけないことには世界制覇ができないわけです。

SNSで急成長しているFacebookが発表したFacebook PlatformはFacebookという一つのSNSをプラットフォームとして、その上で動くアプリを作るための外部APIです。Facebook自身 は、自分たちの強みを、Facebookユーザーが織りなす人間関係(ソーシャルグラフ)と、そのソーシャルグラフを利用して構築されるアプリケーション とにあるとしており、知らぬ間に自分の交友関係自体が広告の対象になります。人間関係そのものをWeb上におこうという試みなわけです。 OpenSocialは、複数のSNSをまたがることで、突出した一つのSNSが巨大な閉鎖空間としてWeb上にかぶさることを防ごうとするGoogle の意思でしょう。


ネットベンチャー全体のムーブメント


これに対して、SaaS最大手といえるSalesforce.comは、Platform as as Service、つまりPaaSというコンセプトで企業用のさまざまなアプリを作るためのプラットフォームを提供し始めています。開発環境のオンデマンド サービス、という位置づけです。Google Appsが既に作られた特定のアプリケーションの提供であり、SaaSそのものといえるとすれば、PaaSという考えは開発環境そのものの提供です。

Salesforce.com
Eコマース最大手のAmazonが発表しているSimpleDBは、Salesforceと同じアプローチですが、PaaSよりはやや狭い領域のサービスといえます。開発環境の中でも、データベースだけを提供する、ということになるからです。ただ、AmazonもAmazon Web Services という形で結果的にはPaaS同様のサービスを提供しており、やはり考え方は同じと言えるでしょう。




■今回のポイント
Web2.0の本質は、このクラウドコンピューティングにあります。この話はもう少し続きます。



次回をお楽しみに!!
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