第29回 ビジネス面からみたWeb2.0 | デザインってオモシロイ -MdN Design Interactive-
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Web2.0とはなにか?

第29回 ビジネス面からみたWeb2.0

筆者は日本中で(最近では台湾でも)Web2.0関連の講演を頼まれることが多いのですが、その都度よく聞かれる質問に、「Web2.0はもうかるのか?」というものがあります。実は筆者はこの質問ほど嫌いなものはないのです(苦笑)。なぜなら、Web2.0の本質を理解していないからこそ、この質問が出るからです。今回は、二度とこのような質問をされないことを祈って、なぜこの質問がナンセンスであるのかを解説します。

解説:小川 浩(株式会社サンブリッジ i-クリエイティブディレクター)

[プロフィール]

お がわ・ひろし●1996年、デル、ゲートウェイの代理店としてマレーシアにて日系企業及び在住邦人向けのPC通販ベンチャーを創業するなど、アントレプレ ナーとして活躍。その後日立製作所を経てサイボウズにジョイン。feedpathの基本設計を考案し、フィードパス株式会社のCOOに就任するが、 2007年12月に退任。現在は㈱サンブリッジにて起業準備中。ブロガーとしてSpeed Feed、「Web2.0BOOK」「ビジネスブログブック」シリーズなどの著作がある。

Web2.0の間違った捉え方

「Web2.0はもうかるのか?」という質問をする人の頭の中に浮かんでいるWeb2.0とは、図-1のような関係になっているのだと思われます。
図-1 誤まったWeb2.0のコンセプト
図-1 誤まったWeb2.0のコンセプト
しかし、これは正しくありません。これまでの連載で解説してきたように、Web2.0とは、Webの誕生以来次第に進化を遂げてきた現在のWebに対する総称であり、Webの環境変化に対するネーミングですから、Web1.0と2.0が同時に存在するということはありません。昭和の次は平成であり、昭和と平成を同時に年号として使うことがないのと同じです。


あるとすれば昭和生まれと平成生まれが同時に生存しており、また、"昭和的"な文化と"平成的"な文化が混在するように、Web1.0時代に生まれたサービスやビジネスと、Web2.0時代に生まれたものの区別があるくらいです。単純に時系列だけで言ってしまえば、Web2.0は2004年あたりから時代区分になると思われますが、それ以前、つまりWeb1.0時代に発生したビジネスモデルであっても、Web2.0的なサービスはいくらでもあります。いつの時代でも時代を先取りしているサービスはあるものです。(事実Googleは1998年創業です)

Web2.0の正しい捉え方

Web2.0の正しい認識は、図-2のようになります。現在のWebイコールWeb2.0です。昭和が平成に変わったように、Webは1.0から2.0に変わったのです。その中に、1.0的なサービスやビジネスモデルを続けている企業もあるし、2.0的、すなわち、より現代的なビジネスモデルを採用する企業もあるだけのことです。

図-2 Web2.0の正しい認識

図-2 Web2.0の正しい認識
音楽で例えてみれば、HIP HOP全盛の現代であっても、演歌、あるいはクラシック、ジャズなどはビジネスとして生き残っています。


要は、現時点で収益を上げている企業はすべてWeb2.0時代に生き残っている、ということであり、Web2.0的かどうかは本来関係ないのです。GoogleをWeb2.0の代表格、Yahoo!をWeb1.0の典型として語る論調が多いのですが、確かにGoogleのビジネスモデルは現在のWebの多くの特徴にフィットしており、まさしく"いまふう"であると思われます。反面、Yahoo!の収入源であるバナー広告やタイアップ広告などの手法は、確かに古くさく感じるかもしれません。しかし、それで事業が成立しているうちは、なんの問題もないはずです。


Web2.0は2004年頃から明確に顕在化し始めた、さまざまなWebの進化に対して、"時代が変わった"という事実の認識であり、その認識に対するネーミングです。ですから、それが儲かるかどうか、という問いは明らかにおかしいのです。別の言い方をすれば、インターネットは儲かるのか?という質問を10年前にしたことを、今になって恥じている人が多いことを考えるべきでしょう。

■今回のポイント

Web2.0だから儲からない、Web1.0は儲かる、というような考え方は捨てましょう。時代は既にWeb2.0と呼ぶべき新しい環境に入っています。次に儲かるビジネスモデルやサービスを考えるべきです。次回は、Web2.0にフィットする次世代のサービスとはなにかを考えてみたいと思います。

次回をお楽しみに!!
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