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Web2.0とはなにか?

第66回 2007年のネット業界を総括してみる - 002


今年もあと1ヶ月となりましたので、今年のネット業界を少しずつ振り返っていきましょう。Googleに始まり、Googleに終わった感のある2007年ですが、もちろんそれ以外に大きな動きもありました。


解説:小川 浩(株式会社サンブリッジ modiphi事業部エグゼクティブプロデューサー)

[プロフィール]

お がわ・ひろし●1996年、デル、ゲートウェイの代理店としてマレーシアにて日系企業及び在住邦人向けのPC通販ベンチャーを創業するなど、アントレプレ ナーとして活躍。その後日立製作所を経てサイボウズにジョイン。feedpathの基本設計を考案し、フィードパス株式会社のCOOに就任するが、 2007年12月に退任。現在は㈱サンブリッジにて起業準備中。ブロガーとしてSpeed Feed、「Web2.0BOOK」「ビジネスブログブック」シリーズなどの著作がある。



パーソナライゼーション


いままでのWebは、Yahoo!にしてもGoogleにしても、基本的にはオープンなサービスであり誰でも利用できるというのが当たり前の世界であったように思います。だから、巨大ポータルの戦いは、例えてみれば渋谷と銀座が集客力を争うような形の、領土拡張勝負であったわけです。

広告業界では、世代別のターゲットを分類して、男性ならM、女性ならF、そして年齢別にM1、M2、M3、あるいはF1、F2、F3というように区分けしており、例えばF1層ならば20 - 34歳の女性、という具合にとらえていました。ネットの広告業界でも、長らく同じような分類をもって潜在顧客のターゲティングをこれまでしてきており、Yahoo!に代表されるような総合型のポータルであれば、自らのコンテンツをそうした分類にミートするような形で用意して、適当な広告主を集めていたわけです。

ところが、実際には人間の嗜好はもっと細かく分かれているし(例えば、F1層は20 - 34歳ですが、実際には20 - 22歳は大学生、それ以上の年齢だとワーキングウーマンと専業主婦に分けられるなどの、生活環境による区別が必要)、女性に近い感覚の男性やその逆もまた数多く存在するわけで、結局のところそうした分類はテレビなどのマス広告用の便宜上の形式にすぎないわけです。そして、ネットであれば、ユーザーの行動履歴や購買活動などの分析によって、形式的な分類に頼らずとも、ユーザー一人一人の嗜好に合わせた広告を提供できることがだんだん明確になってきました。そこで、そうした情報を取得するために、形だけの個人情報(性別や年齢など)ではなく、日々のユーザーの行動そのものをトラッキングしよう、そしてそれらに基づいて販促につなげていこう、という考え方が台頭してきたわけです。

これが行動ターゲティング広告と呼ばれる新しい手法の登場の背景になっています。そして、そのターゲットであるユーザーの行動を追うためにも、ユーザーにIDを持ってもらう必要があることから、会員制のサービスモデルが、単なるユーザーの囲い込みやページビューの獲得ということではなく、ユーザーの行動履歴のトラッキングという別の観点から非常に重要視されるようになりました。



クローズ but オープン


mixiにしても、Gmailを軸としたGoogleの各種サービスの提供にしても、Yahoo!を始めとするパーソナライズドポータル(例:MyYahoo!)の提供にしても、この目的のために存在しているといってもよいでしょう。



例えばOpenIDのような、グローバルアカウントの考え方の台頭や、Yahoo!などのポータルが自社サービスの会員IDと他のネットサービスのIDの連携を推進していることからして、以前の集客モデルとは違います。最たる例は、GoogleのOpenSocialかもしれませんが、ともかく会員を集めて自社のサービスを使ってもらう、広告を見てもらう、という考え方から、定点観測するためにIDを持ってもらって、あとはその動きをトレースしていく、という考え方に明確に変わった、それがWeb2.0あるいは2007年のWeb業界の意識変化であると言えるでしょう。





現実世界でもSuicaとPasmoの連携を見て分かるように、乗客がいつ、どこからどこに行くのか、どういう行動をとるのかを測定するために、ID(この場合ならSuicaやPasmo)を共通させたほうがトレースしやすいし、その方向に動いています。交通網の利用者の例で言えば、乗客がいつどの地下鉄に乗って、どこでおりて、例えば降りた駅から遠く離れた駅から再度乗車したとすれば、その距離をタクシーで移動したかもしれないと推察できるわけですし、その駅と駅の因果関係を考えると、どのような買い物をしているか、どういう時間の過ごし方をしているかという分析もおおざっぱにはできることになります。つまり、(乗客の行動という)情報の粒度が細小化することによって、得られる情報は飛躍的に伸びるわけです。ネットであれば、獲得できる情報量はリアルの比ではない、ことになります。


囲い込みより、トラフィックの流れ全体を定点観測することの重要性が、誰の目にも明らかになった、といえるでしょう。



■今回のポイント
年内いっぱいをかけて、2007年のWeb業界の総括をしていきます。今回は、パーソナライゼーションの動きと、行動ターゲティングの台頭について説明しました。


次回をお楽しみに!!

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