第39回 WebとFeedに関する考察-3 | デザインってオモシロイ -MdN Design Interactive-
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Web2.0とはなにか?

第39回 WebとFeedに関する考察-3

引き続き、Web2.0的な思考もしくは指向のベーシックな在り方をみていきます。今回は、RSSフィードの閲覧行動を具体的にみていきます。

解説:小川 浩(株式会社サンブリッジ i-クリエイティブディレクター)

[プロフィール]

お がわ・ひろし●1996年、デル、ゲートウェイの代理店としてマレーシアにて日系企業及び在住邦人向けのPC通販ベンチャーを創業するなど、アントレプレ ナーとして活躍。その後日立製作所を経てサイボウズにジョイン。feedpathの基本設計を考案し、フィードパス株式会社のCOOに就任するが、 2007年12月に退任。現在は㈱サンブリッジにて起業準備中。ブロガーとしてSpeed Feed、「Web2.0BOOK」「ビジネスブログブック」シリーズなどの著作がある。

Webサイトとフィードメディアの大きな違い

ニュースサイトと新聞の大きな違いは何でしょうか?
それは、ニュースサイトは今日のニュースとそれ以前のニュースが混在していること、つまりアーカイブとしての性格が強いのに対して、新聞は毎日の最新のニュースしか載っていない、つまり更新情報しか掲載されていない、という違いです。

Web = 更新情報+アーカイブ
新聞=更新情報 100%

とすれば、違いが明確になるでしょう。

ニュースサイトを一字一句全て読んだことのある人は稀です。ほとんどいないといっていいでしょう。膨大な情報が蓄積されているうえに、どこからどこまでが未読の情報なのかも判断つかないような構造だからです。これはHTML文書によって構築されているWebサイト全般に共通する欠点であるといえるでしょう。逆に新聞は、アーカイブ情報はいっさいなく、その日のニュースしかないので、安心して全部を読むことができます。なぜならそれは全て未読の情報だからです。

フィードは、まさに新聞と同じ特性を持つメディアです。RSSというXML準拠、かつ時間情報を持つ言語で記述されており、未既読管理を行う機能を持つフィードリーダー(RSSリーダー)を使うことによって、何をどこまで読んだかをデジタル的に(つまり数量を明確に把握できるように)表記してくれるのです。

RSSフィードのメディア化、そしてWebサービス化

このフィードの特性はメールにも似たものがあります。メールはメールソフトを使って受信し、未既読を管理することができるメディアです。だから、メールマガジンとフィードによるフィードメディアは、ユーザーに更新情報を伝えるという目的であれば、同じような効果をもたらすことができます。

しかし、メールはユーザー自身のメールアドレスを知られてしまいます。あるいは類推されてしまうだけで、勝手にメールを送りつけられてしまう。つまりスパムメールの攻撃を受けやすいという欠点があります。メールソフトがいくらフィルタリング機能を向上させたとしても、いたちごっこは続きます。また、送信データの大きさにも限界があり、例えば10MBくらいの大きさの添付ファイルがついたメールだと、相手によっては受け取ってもらえない可能性が高くなります。ちょっと余談なのですが、Gmailのフィルタリング機能はかなり優秀で、ほぼ完全にスパムを排除してくれ、快適です。

さて、話を戻ししましょう。メールではなく、フィードの場合は、ユーザー自身が登録しないフィードを読まされることは、現時点では100%ありません。メールではあり得ない、究極のオプトインメディアです。また、ポッドキャストがフィードによって配信されることでも分かるように、配信できるファイル量も数もメールと比べると遥かに自由です。つまり、フィードは、メールの良さとWebの良さを合わせもつメディアです。

テクノロジーによって変化する閲覧行動

Web1.0から2.0へのユーザー閲覧行動の違い
Web1.0から2.0へのユーザー閲覧行動の違い
フィードメディアが普及すると、ユーザーはサイトに訪れて、必要な情報を探すという行為をしなくなります。メールや新聞と同じように、更新情報が送られてくるのを待つようになるし、必要なデータだけを受け取ることができます。自分が興味がある記事だけを抜き取って、閲覧できるようになるのです。Webサイトは、過去データつまりアーカイブ情報を確認するために訪れる書庫のようになるでしょう。また、メールは個人的な知人やビジネスの相手とのコミュニケーションツールとしての利用に再び戻り、1対nに対するような、あるいは不特定多数への情報配信にはフィードにより比重が置かれることになるはずです。

現在は、フィードリーダー自体の機能がまだまだ未熟で、インターネット黎明期における、初期のブラウザーに相当する程度のため、フィードをメディアとしてとらえるうえで、十分な進化を遂げていないと感じる人が多いかもしれませんが、数年を経ずしてフィードとフィードリーダーは現在のWebとブラウザーのように、インターネット利用の主役となることは間違いありません。

■今回のポイント

RSSベースのフィード、HTMLベースのWeb。この二つのトラフィックは互いに補完しながらも、次第にフィードの存在は増す一方でしょう。氾濫する膨大な情報の洪水のなかで、現代人はより効率的に更新情報の取得をすることを望むようになります。このためのメディアとして、フィードは最適なのです。

次回をお楽しみに!!
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