
第36回 Web2.0的ベーシック・アイデアについて
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[プロフィール] お がわ・ひろし●1996年、デル、ゲートウェイの代理店としてマレーシアにて日系企業及び在住邦人向けのPC通販ベンチャーを創業するなど、アントレプレ ナーとして活躍。その後日立製作所を経てサイボウズにジョイン。feedpathの基本設計を考案し、フィードパス株式会社のCOOに就任するが、 2007年12月に退任。現在は㈱サンブリッジにて起業準備中。ブロガーとしてSpeed Feed、「Web2.0BOOK」「ビジネスブログブック」シリーズなどの著作がある。 |
CGMとLAMP
こうしたメディアが生まれた現代であっても、いまだに情報の一次ソースは新聞、テレビなどの旧来型のメディアのままです。あるいはそうしたメディアのWebサイト(ニュースサイト)であるといえます。CGMの役割は、二次ソースとして、一次ソースから配信され続ける情報に付加価値を加えていくことにあるといっても過言ではないでしょう。
この状況は今後もしばらくは変わらないと思われますが、CGMが本当にメディアとしての価値を持ち続けるかどうかは、参加者であるユーザーの取り組み方次第であるのかもしれません。
先述のように、Webは高度にネットワーク化が進み、世界を覆う巨大なデータベースとなっています。これからのビジネスパーソンは、このWebを活用すると同時に、更なる進化に貢献することが求められていると考えます。
Webが大きく進化した理由の一つとして、オープンソースという考え方の浸透があります。オープンソースとは、正確にいうとオープンソースソフトウェアのことであり、ソフトウェアの設計図に相当するソースコードをインターネットなどを通じて無償公開し、そのソフトウェアの改良、再配布を許可することです。同時に、そのようなソフトウェアのことをさしてもいます。有名なものとしては、サーバー用のOSとして知られるLinuxがあります。開発環境としては、Linux、Apache、MySQL、PHPなどのオープンソースソフト群が、Webアプリケーションの開発プラットフォームとして特に重用されています。これらは頭文字をとって、通称「LAMP」とも呼ばれています。
Linuxを始めとするオープンソースソフトの普及によって、Webのアプリケーションを開発したり、サービスを運営するコストは驚くほど安くなりました。これがネットベンチャーを輩出する要因になっているといえるでしょう。

情報は基本的に共有されるべき
数年前までは、情報を秘匿することによって己の価値や地位を守ることを考えるようなビジネスパーソンが多かったかもしれません。社内は事業部などの組織構造によって分断され、縦には部課長制度のようなマネージメントのステップによって、情報の流れが遮断されていたといえるでしょう。さらに企業間の交流自体が少なく、企業をまたがるような情報の流れは存在しなかったと言えます。
しかし、インターネットが普及し、メールやブログ、SNS、あるいは携帯電話などの個人間の交信ツールが揃い始めた現在では、情報を隠すことは難しくなりました。少し工夫すれば手に入る情報を、一所懸命抱え込んでいてもあまり意味はなくなったし、社内にのみ存在する情報よりも、社外から流れ込んでくる情報の価値の方が高くなっています。
まして、これだけ情報量が多くなってくると、内容はどうあれ情報を抱え込んでいると腐る一方です。前述したように、検索されない情報は死蔵されていると同じなのです。
現代の情報は流通していなければならず、自ら発信し、再利用を促進する者に集まってくる性格を持っているといえます。Web2.0は、情報を積極的に共有する環境がWeb上に整ってきたことであり、その流れに抗することはあまりにも無意味です。





