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Web2.0とはなにか?

第25回 「永遠のベータ」の本質

気になっている人も多いと思いますが、ウェブサイトのベータについて、着眼しようと思います。様々なウェブサイトを見ていると、ベータの文字が消えない。どうしてだろうか? そんな疑問を持ちつつ、「永遠のベータ」というキーワードを再考しましょう。開発方針をどうするのか、という点で、Webビジネス立ち上げ期には必要な思案となります。

解説:小川 浩(株式会社サンブリッジ)

[プロフィール]

お がわ・ひろし●1996年、デル、ゲートウェイの代理店としてマレーシアにて日系企業及び在住邦人向けのPC通販ベンチャーを創業するなど、アントレプレナーとして活躍。その後日立製作所を経てサイボウズにジョイン。feedpathの基本設計を考案し、フィードパス株式会社のCOOに就任するが、2007年12月に退任。現在は㈱サンブリッジにて起業準備中。ブロガーとしてSpeed Feed、「Web2.0BOOK」「ビジネスブログブック」シリーズなどの著作がある。

間断ない開発を!!

一般にソフトウェア開発における「ベータ版」とは、製品化される直前の、正式版が持つべき機能を一通り備えてはいるもののまだ完成品ではない、という状態のバージョンを意味する。ベータ版は通常は無償で評価版として関係者や一部の顧客に対して配布され(有償で配布される例もあるが)、一定期間がすぎると使えなくなることもあるし、そのまま完成品へとバージョンアップされる場合もある。

OSや通常の商用アプリケーションの場合は、ユーザーのコンピュータやサーバーにインストールすることによって動作するので、提供者はバージョン管理に相当気を使う必要がある。完成品の提供後には、バージョンごとにサポートの内容を考慮せざるをえないので、ソフトウェアの開発や生産の管理システムは複雑化せざるをえない。そして、たいていの場合、その管理コストは商品の価格に上乗せされることになる。
 
 

ユーザーと対話しつつ開発

これに対して、Web上で提供されるWebアプリケーションは、アプリケーションプログラムそのものと、データが、インターネット上のサーバーに格納されているため、それ自体が製品として配布されることがない。配布しないので、バージョンアップのたびに古いバージョンと新しいバージョンが混在するようなことはなく、サポートは常に最新のアプリケーションに対する内容だけですむ。従って、サービスを提供しながら、段階的に機能追加や改善を行っていくことが可能になる。

また、提供するサービスにバグがあったり、機能改善要求がユーザーから寄せられた場合、即座に開発に反映させて短期間に新機能を加えてバージョンアップすることができる。逆に言えば、Webアプリケーションによるサービス提供をするうえでは、必ずユーザーはそのような迅速な対応や、短期間に頻繁にバージョンアップが行なわれることを期待するようになる。
 

永遠のベータの条件

このように、常に品質改善や機能向上をすることが避けられない以上、積極的にそれに応えていく姿勢がサービス提供者には求められていく。この状態を、永遠のベータ、と呼ぶ。すなわち、完成品として開発を止めることなく、間断なくバージョンアップを続けていく姿勢のことである。

永遠のベータ版のサービスを提供していくには、いくつかの条件を遵守することが必要になる。

(1)完成品としてのアプリケーションではなく、サービスとして提供する
(2)段階的に機能を追加していく
(3)ユーザーにバージョンアップを意識させない
(4)ユーザーを信頼する
(5)ユーザーからの声を反映してサービスや機能を向上
feedpathのベータ版画面
feedpathのベータ版画面

■今回のポイント

最近のクールなWeb2.0的サービスのほとんどはベータ版を名乗ったままです。ある意味ファッションになっているともいえますが、そのポジショニングを裏切らない開発姿勢を保ちたいものです。
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次回をお楽しみに!!
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